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アクエリアス滞在5日目。
今日は船外活動はお休みです。事前に聞いていたのは、行動心理学の実験をするということだけ。スケジュールにも、一言、「Science(科学)」と書かれているだけで、何をやらされるのかはさっぱりわからないまま、朝の定例連絡も終わり、クルーは手持ち無沙汰にめいめいメールをチェックしたり、狭い居住区でぶらぶらしていました。
事態が動いたのは、2人のアクエリアス技術者のうちの1人、ジェイムスがウエットポーチ(海に繋がっている区画)から居住区に戻ってきた時です。彼は「今朝、海に出た時にクラゲに刺されたところがこんなに腫れた」と言って腕をさすっています。見ると、今まで見たこともないくらい真っ赤に腫れ上がった部分が。「うわー、ひどいねそれ」とみんなが集まります。
とりあえず痛みはないと言うし、何より彼自身が海のスペシャリストなので本人が大丈夫と言うなら大丈夫なのかなと思いました。
しかし、それにしても見事に腫れてます。まるで赤のマジックで塗ったかのような見事な赤。
・・・・・・。
ていうか、それホントにマジックで塗ってない??
ジェイムスの顔を窺うと本人、大真面目な顔してますが、他のクルーの顔にはどこか笑いをこらえてる節があります。
そこに至ってようやく気がつきました。これは緊急事態への対処訓練なのだと。
素で驚いた自分のリアクションを思い出して、ちょっと恥ずかしくなります。
程なくして、そのジェイムスが「気分が・・・」と言って倒れこんでからは本格的に訓練開始です。さすがに訓練なので、ここからはこちらも大真面目です。幸い、デイビッドはかつて医師だったので、彼が中心になって応急処置を行います。
私はと言うと、全く医学的な知識がないので、専門用語についていけず、とにかく言われた通りに動くしかありません。ブランケットをかけてあげたり、呼吸器をひたすら動かしたり、そんなことしかできない自分が非常にもどかしかったです。
コマンダーのシャノンは地上との連絡役になって、こちらの状況を適宜相手に伝えるとともに、テキパキと指示していきます。結局、加圧施設を搭載した専門の船で、ジェイムスを地上に搬送することになって、ウエットポーチまで彼を運び込んだところで訓練終了。
一部始終をもう1人のアクエリアス技術者ネイトがビデオに録画していたので、きっとそのビデオを元に専門家の先生方が分析をするのでしょう。個人的には、何ら主導的な働きができず大きな反省が残る訓練になりました。
ちなみに午後は午後で、今度は居住区の煙検知器がけたたましく鳴り響くという事態が勃発したのですが、今日のところはこの辺で。
明日からの船外活動、また頑張るぞ!おやすみなさい。
■NASAによるNEEMO15の写真はこちら
■アクエリアスのライブ映像はこちら(英語)
■大西宇宙飛行士が5日目の模様を記したNASAのブログはこちら(英語)
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