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JAXAの宇宙飛行士

大西宇宙飛行士のNEEMO日記(第13回)「10月23日:海底4日目」

最終更新日:2011年10月24日

アクエリアス滞在4日目。

Safer

SUPER SAFER & SAFER
※セルフレスキュー用推進装置
(Simplified Aid For EVA Rescue: SAFER)
(提供:JAXA/NASA/NOAA/UNCW )

今日の船外活動では、いよいよ私たちクルー待望のアイテムが登場しました!その名もSUPER SAFER(スーパーセイファー)。水中用スクリューです。右上の写真で私の背中のタンクのさらに後ろについている物がそれです。手元のスイッチでスクリューを回したり止めたりできます。スクリューが推進力を作り出すので、これまでのようにケーブルなどの移動手段に頼らず、自由自在に動き回れるのが最大の売り。実際に宇宙飛行士が宇宙で船外活動を行う時にも、非常用の移動手段として小型のスラスターを装備しています。うっかり宇宙船から放り出されてしまっても、自力で戻れるようにするためです。宇宙空間に放り出されるなんて、考えただけでも怖いですね~。

ただし今回の水中用スクリューはあくまで模擬的なものなので、足から頭に向かう方向にしか推力を発生しません。なので体をくねらせてある程度方向はコントロールできますが、急に曲がったりすることはできません。

Safer

船外活動に出かける大西宇宙飛行士
(提供:JAXA/NASA/NOAA/UNCW )

いよいよそのSUPER SAFERの評価試験です。試しにスイッチを押してみると、おおーっ、進む進む!スピードはそんなに出ませんが、すっかり魚になった気分。スイッチを放すと、水の抵抗ですぐに止まります。これが現実の小惑星では、慣性の法則があるので勝手には止まりません。逆方向に同じだけの推力を発生させない限り、どこまででも飛んでいってしまいます。今回のような評価試験では、海中と宇宙空間ではどんな違いがあるのかを認識しておくことはとても重要です。そうしないと、実際に宇宙で使うと「あれ、こんなはずじゃないのに」ってことになってしまいます。

このSUPER SAFER、機動力に関しては申し分ないようです。とにかく行きたい方へ向かって、スイッチ押せばあっという間に辿り着きます。これまで試した他の移動手段が無意味にも思えてくるほどです。

Safer

船外活動から戻った大西宇宙飛行士
(提供:JAXA/NASA/NOAA/UNCW )

しかしそんなSUPER SAFERにも意外な弱点が・・・。いざ岩石サンプルの収集などの作業を開始すると、体が自由に動ける分、とても不安定なのです。特に大きな力が必要な作業ではそれが顕著です。結局クルー全員の一致した意見では、「移動手段としては申し分なし、ただし作業の安定性には向かない」という判断です。

もちろんこの先の試験を続けて行く過程でまた違った可能性を見出すこともあるでしょう。そして何よりみんなが口を揃えたのは、「とにかく楽しい、最高!」の一言。

毎日船外活動のレポートをクルーで書くのですが、今日は話が盛り上がって、2時間近くかかってしまいました。その最中、テーブル脇の窓の外にはこんな珍客が・・・。

来客

(撮影:筆者 )



NASAによるNEEMO15の写真はこちら

アクエリアスのライブ映像はこちら(英語)

※特に断りのない限り、日時は現地時間(米国東部夏時間)です。

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