このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。
<免責事項> リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
最新情報については、https://humans-in-space.jaxa.jp/ のページをご覧ください。
みなさん、こんにちは。JAXA宇宙飛行士の大西卓哉です。
この度、第15回NASA 極限環境ミッション運用(通称NEEMO15)に参加させて頂くことになりました!10月末のミッション終了まで、不定期にこちらの場でレポートしていきたいと思います。生まれてこのかた"日記"とは無縁に生きてきた筆不精のため、どの程度更新できるか自分でもわかりませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
(これからの訓練状況次第で一言程度(つぶやき?)になってしまうかもしれませんが、どうぞおつきあいください。)
記念すべき第1回目の今日は、今回のNEEMO15の概要について書こうと思います。
NEEMOミッションはNASAが2001年にスタートさせたプログラムで、フロリダ州のキーラーゴ沖合いにある海中研究施設「アクエリアス」を拠点として実施されます。その目的は宇宙環境に似た厳しい条件下で、将来の宇宙探査ミッションを想定した色々なテストを行うことです。
また参加する宇宙飛行士の立場からすれば、実際の宇宙飛行に似た経験を積む絶好の機会になるわけです。
さて私が参加するNEEMO15ですが、ターゲットは小惑星探査ミッションです。先日NASAは将来の小惑星・火星探査ミッションに用いられる次世代ロケット計画を発表しましたが、今回のNEEMOではまさにそのうちの小惑星探査に焦点を当てていきます。
「小惑星で活動する」ということを具体的に考えるとき、かつて人類が行った「月面での活動」とどういった点が変わってくるのでしょう?
その一つが重力の違いです。月面では地球上の6分の1の重力が働きますが、小惑星は質量がずっと小さいため、重力はもっともっと小さくなります。そうなると、小惑星の表面を「歩く」という概念は捨てなければなりません。これまでとは違った移動手段が必要になってきます。その移動手段を検証することがNEEMO15の目的の一つになっています。
他にも色々な目的があるのですが、それらは追々ご紹介できればと思います。
過去JAXA宇宙飛行士からは若田飛行士と古川飛行士がNEEMOに参加していますが、お2人ともNEEMOの経験は実際の宇宙飛行にとても近いものがあるとおっしゃっています。私も今回のNEEMO15を通して、宇宙飛行士としての自分の技量を高めることはもちろん、将来の月より遠くを目指す宇宙探査ミッションに繋げられるような貢献ができればと思っています。頑張ってきますので、応援よろしくお願いします!
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency | SNS運用方針 | サイトポリシー・利用規約 |