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土井宇宙飛行士ステータスレポート
第1回(11月24日) 第2回(11月28日) 第3回(11月29日) 第4回(12月 2日)

11月28日飛行9日目、土井宇宙飛行士は宇宙から第2回目の報告を行いました。今回は11月25日に行った船外活動についての報告です。

 皆さんこんにちは。今、私はスペースシャトルのフライトデッキにいます。私の船外活動の体験を紹介したいと思います。

 スパルタン衛星が宇宙をさまよい始めてしまったために、私達は船外活動中にこのスパルタン衛星を捕まえる事になりました。船外活動の2日前からウィンストン・スコットと私はその衛星をどうやって捕まえたらいいか、また、捕まえた後どうやってスペースシャトルのペイロードベイに固定するのか、いろいろな訓練を繰り返しました。

 船外活動当日、朝食を終えると直ぐに私達は船外活動用の宇宙服を着始めました。地上で思ったよりも、宇宙服を宇宙で着るのは簡単でした。と言うのは宇宙では、私達の体は浮いていますから、その宇宙服の中に滑り込むような感じで着ることが出来たからです。

 船外活動が始まると、まずウィンストンがスペースシャトルの外に出ていきました。ウィンストンに続いて私がスペースシャトルの船外に出ていくと、まず私が目にしたのは漆黒に広がる大宇宙のその姿でした。スパルタン衛星を捕まえるための場所に向かうためスペースシャトルのペイロードベイの左舷に近づいて行くと、青く輝く地球のその姿とその壮大さは、本当に心を打つものでした。私達は約2時間の間スペースシャトルのペイロードベイに立ってスペースシャトルコロンビア号がゆっくりとスパルタン衛星に近づいて行くのを眺めていました。昼と夜が一回ずつ過ぎていくのを見つめていました。見上げると、スパルタン衛星が金色に輝いていて、私自身がこの大宇宙の壮大なドラマの真ん中に立っているのを感じました。

 スパルタン衛星が私達に約30cmくらい近づいて来たときにスコットと私は同時にこのスパルタン衛星を捕まえました。宇宙では、重さがない代わりに、しかしまだ質量があります。私達はこのスパルタン衛星を捕まえるとスパルタン衛星の約2トンの質量を「グッ」とこの手に感じました。しかし、その衛星をゆっくりと回転させながら正しい姿勢にもっていくのは、それ程難しい事では有りませんでした。最後にこのスパルタン衛星が、スペースシャトルのペイロードベイに最終的に固定された時は、本当に最高の気分でした。私達クルーばかりでなく、地上で働いていた全ての人々の大勝利だと思います。

 実は、私が船外に出て行った時に、私と一緒に日本語で書かれたメッセージパネルを持っていきました。残念ながら船外活動中は、そのメッセージパネルを皆さんにお見せできませんでしたけれども、スペースシャトルのカメラが捕らえたところを皆さんどなたかが御覧になったかも知れません。皆さんにここで、その日本語で書かれたメッセージをお見せしましょう。これが私の皆さんへの宇宙からのメッセージです。(「宇宙をめざせ」と書かれたパネルを見せる。)皆さんどうもありがとう。


Last Updated : 1997.11.29


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