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質問&回答集(Q&A)

スペースシャトルに関するQ&A

スペースシャトルのミッション番号(STS-XX)はなぜ、順番通りになっていないのですか

スペースシャトルのミッション番号は、STS-1からSTS-9までは順番通りですが、それ以降は、STS-41B(10回目の飛行)とかSTS-51F(19回目の飛行)というミッション番号が使われました。1986年1月のチャレンジャー事故以降は、また、STS-26と通常通りの番号に戻りました。ただし、この番号は、打上げ計画が設定された段階での番号で、打上げまでに、スペースシャトルのトラブルや、搭載物のトラブルなどで打上げが延期されてしまうと、順番が狂ってしまいます。

例えば、土井宇宙飛行士が飛行したSTS-87(1997年11月)の後は、STS-88のはずですが、STS-88(ISSの建設フライト)はISS計画の遅れのため約1年後の1998年12月にようやく打ち上げられ、その間、STS-89, 90, 91, 95に追い抜かれまてしまいました。

なお、前述したSTS-41B, 51Fの様な番号の意味は、最初の数字4,5は、打上げ予定の年度(84年度、85年度)を意味し、次の1は、打上げ場所のケネディ宇宙センターを意味しています(これはカリフォルニア州のバンデンバーグ射場と識別するために付けられましたが、結局計画は中止されたため、2は使われませんでした)。

その後のA、B、Cはその年度内で何番目に予定されたミッションかを現しています。つまり、STS-51Fは85年度の6番目に、ケネディ宇宙センターから打ち上げられるスペースシャトルを意味します。

最終更新日:2003年3月13日

スペースシャトルの構成や大きさなどについて教えて下さい

[ スペースシャトルの全体構成オービタキャビンロボットアーム ]

スペースシャトルの全体構成

スペースシャトルはオービタ、固体ロケット・ブースタ(Solid Rocket Booster: SRB)、外部燃料タンク(External Tank: ET)から構成されています。オービタと固体ロケットブースタは繰り返し利用できるように設計されています。

 
オービタ
外部燃料タンク
(ET)
個体ロケットブースタ
(SRB)
スペースシャトル全体
概説 スペースシャトル本体。地球に帰還した後整備されて、再利用されます。 打上げ後約9分で燃料の液体水素と液体酸素がなくなると切り放されます。 打上げから約2分間燃焼し、切り離され洋上に落下します。その後、回収され整備を受け、再利用されます。  
全長 37.2m 47.0m 45.5m 56.1m
直径 23.8m(翼幅) 8.4m 3.7m 23.8m(翼幅)
23.9m(ET+オービタ垂直尾翼上部)
高さ 17.3m(着陸時)
重量 ディスカバリー:78.7t
アトランティス:78.4t
エンデバー:78.8t
(SSME3基含む、貨物・燃料含まず
2000年2月現在)
全重量 約750t
(推進剤含む)
推進剤重量 720t
構造重量 26.5t
(1998年6月以降)
全重量 約589t/1基
(推進剤含む)
推進剤重量 496t/1基
構造重量 87t/1基
打上げ時全重量 約2,038t
(貨物含む)
※ミッションにより2,020~2,050t程度と異なる。
推力 メインエンジン1基あたり
(推力104%時)
  178t(海面上)
  221t(真空中)
1,495t(海面上)/1基 SSME:3基 534t
SRB:2基 2,990t
打上げ時合計:約3,524t
ペイロードベイ(貨物室)
  長さ 約18.3m
  直径 約4.6m
     
SSME:Space Shuttle Main Engine

画像:スペースシャトルの構成とサイズ

オービタ

スペースシャトルの胴体中央部には、ペイロードベイと呼ばれる直径4.6m、長さ18.3mの貨物室があります。
ここにはロボットアームや各ミッション毎に積み替える実験装置、衛星などが搭載されます。
スペースシャトルの後部にはスペースシャトル・メインエンジン(SSME)と呼ばれる液体酸素と液体水素を燃料とするエンジンが装備されていますが、これは打上げ時にだけ使用され、軌道上では使用しません。軌道上では軌道制御システム(Orbital Maneuvering System:OMS)が使用されます。またスペースシャトルの姿勢制御は、RCSと呼ばれる小型のスラスター(噴射装置)が使われています。

画像:スペースシャトルの各部名称

キャビン

スペースシャトルのキャビン(乗員区画)は、上からフライトデッキ、ミッドデッキ、ロワーデッキの三層に分かれています。

フライトデッキは、スペースシャトルの操縦を行うところです。地上との通信やロボットアームの操作、および地球観測もここから行われます。

ミッドデッキは、クルーの生活する区画です。食事や睡眠をここでとります。トイレもここにあります。また、ペイロードベイ(貨物室)に搭載された宇宙実験室やドッキングモジュール/エアロックへ行き来するための出入り口もここにあります。

ロワーデッキは、換気用のファン、流体ポンプ、ゴミ袋などが配置されています。機器や配管がぎっしり詰まっているため、クルーがこの中に入ることはありません。

画像:キャビンの構成

ロボットアーム

写真:後方フライトデッキの窓越しに見たロボットアーム。より大きな写真へ

後方フライトデッキの窓越しに見たロボットアーム

写真:ロボットアームと船外活動クルー。より大きな写真へ

ロボットアームと船外活動クルー

写真:ロボットアームを操作する若田宇宙飛行士。より大きな写真へ

ロボットアームを操作する若田宇宙飛行士

ロボットアームは、長さ約15m、直径約38cm、重さは約410kgあり、通常ペイロードベイ(貨物室)の左舷に取り付けられています。

約30トンまでの荷物を動かすことができ、人工衛星などのペイロード(貨物)を放出、回収する時に使用するものです。船外活動を行う宇宙飛行士の足をロボットアームの先に固定して船外活動をサポートする事もあります。

※STS-91から改良され、266トンまで動かせるよう強化されました。

ロボットアームは、クルーが後方フライトデッキの窓越しに、または専用のモニタテレビを見ながら操作します。

若田宇宙飛行士は、2000年10月のスペースシャトル「ディスカバリー号」(STS-92/国際宇宙ステーション(ISS)組立ミッション(3A))で、このロボットアームを操作してZ1トラス及び与圧結合アダプター(PMA-3)をISSのユニティ(結合モジュール1)に取り付けたり、船外活動の支援を行いました。

スペースシャトル情報ページもご覧下さい。

関連サイト

最終更新日:2010年7月14日

スペースシャトルはどうやって発射台に固定されているのですか

写真

発射台に固定されているSRB

スペースシャトルは強風時や、固体ロケットブースタ(SRB)よりも先に点火されるメインエンジン着火時に転倒するのを防ぐため、発射台にしっかりと固定されています。固定場所は、SRBの下にスカートと呼ばれる広がりがあり、そこの4本のボルト/ナット(SRB2本で、合計8本)で発射台に固定されています。

打上げ時はまず、3基のスペースシャトルメインエンジン(SSME)に点火し、コンピュータがSSMEの推力が所定のレベルに達したことを確認した後、SRBに点火信号が送られます。SRBの点火の直前にSRBを発射台に固定していた計8本のボルトの破砕ナットに点火されボルトが開放され、スペースシャトルは打ち上がります。

最終更新日:2003年3月13日

スペースシャトル打上げの見学をしたいのですが

写真:より大きな写真へ

スペースシャトル打上げ

スペースシャトルの打上げ見学バスを利用する方法があります。切符の数には限がありますが、ケネディ宇宙センターを訪問し、次へお問い合せください。

Kennedy Space Center Visitor Complex.
(321) 449-4444

(Visitor ComplexはDNC Parks & Resorts at KSC, Inc.が運営しておりNASAではありません。)

しかしケネディ宇宙センターに入らなくても一般道路からでも十分見学することができます。
インディアンリバー沿いの国道1号線(US-1)付近や、州道528号線(ベネットコーズウェイ)沿い、州道A1A沿いの海岸線などがよいロケーションです。

画像:打上げの見学が可能な場所の地図

フロリダ州オーランド国際空港から東にまっすぐビーラインという道路が走っています。これでケネディ宇宙センターの近くまで行くことができます。図の青い帯で示された地域で車を止めて見物することができます。

また、ケープカナベラル空軍基地の南に位置するジェティパーク(Jetty Park)からはスペースシャトルのみならず、無人ロケットの打上げも見ることができます。通常は午前9時から開園しますが、打上げ当日は打上げ予定時間の1時間前から開園します。

なお、ケネディー宇宙センターのビジターセンターはスペースシャトルの打上げ当日は、打上げ後数時間閉鎖されています。ケープカナベラル国立海岸も打上げ当日は立ち入ることができません。

KSCアドレスJohn F. kennedy Space Center Natinal Aeronautics and Space Administration Kennedy Space Center, FL 32899-0001
最終更新日:2005年3月23日

どうしてスペースシャトル打上げ時には、エンジン推力を絞ったり、上げたりするのですか

スペースシャトルのメインエンジンはエンジンの推力を67%から109%まで変えることができます。発射時には大きな力が必要なので104%の推力を出しますが、スピードが出るにつれ、空気抵抗が大きくなるので、打上げから約28秒後に機体にかかる最大動圧(空気抵抗)を抑えるため67%まで推力を絞ります。ある程度空気が薄くなり空気抵抗が小さくなれば、加速しても大丈夫なので約60秒後に再び推力は104%に戻します。

ただし、スペースシャトルの場合、最大加速度は3G以下となっているため、空気抵抗がなくなり、燃料を使い果たして機体が軽くなり、3Gを越えそうになる前に推力は再び徐々に絞りこまれていきます。

最終更新日:2003年3月13日

スペースシャトルはどの位の速さで地球の周りを回っているのですか

スペースシャトルはミッションによって異なりますが、ISSミッションの場合、秒速約7.9km(時速約2万8000km)で飛行しています。

高度と周期の関係については、以下を参照して下さい。

画像:人工衛星の高度と速度の関係(円軌道の場合)
高度が高いほど、地球を周回する速度は遅くなります。
最終更新日:2010年7月14日

STS-87で土井宇宙飛行士とスコット宇宙飛行士がスパルタン衛星を手づかみで回収したとき、高速で地球を周回している衛星をどうやって回収したのですか

STS-87ミッションで土井宇宙飛行士らがスパルタン衛星を捕まえたときには、スパルタン衛星は、秒速7.9kmという超高速で地球の周りを回っていました。しかし、スペースシャトルも同じ高度を秒速7.9kmで飛行しているため、スペースシャトルから見た衛星はほとんど止まっているように見えます。僅かにスペースシャトルの速度を変えると、少しずつスペースシャトルと衛星の距離がつまり、衛星に届くほどの距離に近づくことが出来ます。

スパルタン衛星が30cm程に近付いてきたとき、土井、スコット両宇宙飛行士が同時にスパルタン衛星を捕まえました。

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スパルタンの接近を待つ土井(右)、スコット(左)両宇宙飛行士

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スパルタンをつかむふたり

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スパルタンを台に設置

最終更新日:2003年3月13日

なぜ、スペースシャトルは軌道上で頻繁に姿勢を変えるのですか

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背面を地球に向けている

軌道上を飛行しているスペースシャトルの姿勢に気を付けていると、ペイロードベイ(貨物室)や船首を、地球や宇宙に向けたり傾けたりと、いろいろな姿勢を取っていることが判ると思います。これらは、天体観測や、地球観測のためにその観測方向を向かせたり、微小重力環境を要求されるミッションでは、最も微小重力に適した姿勢(お尻を地球方向、機首を宇宙方向に向けて立った重力的に安定した姿勢)を取るなど、ミッション要求に大きく依存しますが、熱的な問題もあります。スペースシャトルの同じ面を長時間太陽方向に向けているとその部分の温度が上昇し(その反対面は低温になります)熱的にひずむので、このような姿勢は長時間は取れません。従って、実験要求などが特になければ、地球に背を向けた逆さまの状態で飛行します。

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船尾を地球に船首を宇宙空間側に向けている

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右舷を地球側に向けている

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底面を地球側に向けている(ミールから撮影)

最終更新日:2003年3月13日

スペースシャトルではどのようにして電力を得ているのですか

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スペースシャトルに搭載されている燃料電池(Courtesy of UTC Fuel Cells)

スペースシャトルには燃料電池というものが3基搭載されており、そこから全電力を得ています。スペースシャトルの燃料電池は、水素と酸素を化学反応させることにより電力と水を得ることができます。ここで、生成された水は飲み水としても使えます。

燃料電池は、電池と名が付きますが、電気を貯めておいて放電する電池ではなく発電器の一種です。

燃料となる酸素と水素はペイロードベイ(貨物室)の下にある液体酸素タンクと液体水素タンクに貯蔵されています。各燃料電池が生成する電力は、通常2kwから12kw(最大16kw)です。燃料電池1基あたりの重量は約116kg、大きさは高さ約35.6cm、幅約38.1cm、長さ約1mです。

燃料電池から生成された水は、クルーの飲料等に使用するため飲料水タンクへ送られますが、使い切れないため、余分な水は船外へ排出されます。

スペースシャトルの電力システムや燃料電池については以下のホームページもご覧ください。

最終更新日:2006年9月 7日

スペースシャトルは最大何日間飛行可能なのでしょうか

スペースシャトルは、軌道上長期滞在(Extended Duration Orbit: EDO)キットと呼ばれる主に電力確保のための液体酸素と液体水素のタンクなどを取り付けることにより16~18日間までの飛行が可能です。

一番新しいスペースシャトルであるエンデバー号は、建造当初より最長28日間の長期飛行能力を有していますが、このような長期飛行計画は現状ありません。

スペースシャトルが長期間飛行するには、食料や、衣服などの搭載スペースを確保しなければならないほか、搭乗員の筋力や操縦能力の維持などの問題があります。現状では長くても14~16日間が現実的です。現時点での最長飛行記録は、1996年11月に飛行したSTS-80(コロンビア号)の17日と15時間53分です。

なお、通常は悪天候などによる帰還の延期に備えて、必要な燃料や食料、電力などを搭載していますので、2、3日間帰還が延期になっても大丈夫なようになっています。

最終更新日:2003年3月13日

なぜ、故障した衛星をスペースシャトルで修理しに行かないのですか

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3人掛かりで衛星を救出

衛星が故障し、何百億円も無駄になったと報道されると、どうしてスペースシャトルで修理に行かないのかという疑問の声が良くあがります。

しかし、スペースシャトルで回収したり、修理するために行くことができる軌道は、高度でだいたい550km程度、軌道傾斜角は最大で57度までです。多くの人工衛星は、これ以上の高度や、極軌道を飛行しています。また、故障して制御のきかなくなった人工衛星を捕まえるのは非常に危険ですし、衛星側が回収に対応した設計になっていないと、スペースシャトルに衛星を固定できません。

ハッブル宇宙望遠鏡のようにあらかじめスペースシャトルでの打上げか、回収を想定した衛星以外はほとんど不可能と考えて良いでしょう。

例外的に実施されたインテルサット6型衛星の救出ミッションSTS-49(1992年5月)では、当初予定していなかった3人がかりでの船外活動でようやく衛星を捕まえられました。

さらに費用の方も頭の痛い問題で、宇宙飛行士の訓練や必要な文書の作成に時間もお金もかかるため、新しい衛星を製造し、打上げた方が安い場合もあります。

最終更新日:2003年3月18日

スペースシャトルと地上との交信はどのように行われているのですか

写真:より大きな写真へ。

TDRS

スペースシャトルの管制は、発射直後にフロリダ州のケネディ宇宙センター(KSC)から、テキサス州ヒューストンのジョンソン宇宙センター(JSC)に引き継がれ、着陸までの期間、JSCで飛行管制が行われています。スペースシャトルとJSCとの間の交信は、通常、静止軌道に配置されたNASAの追跡データ中継衛星(TDRS)、ホワイトサンズ地上局、NASAの国内用通信衛星(DOMSAT)を中継して通信を行うため、地球の裏側でも通信はかなりの期間確保できます。

ただし、TV中継に使われる周波数帯(Kuバンド)は、電波の指向範囲が狭いため、音声通信などに使われる周波数帯(Sバンド)に比べて、スペースシャトルの姿勢などの影響も受けやすく、すべての時間帯をカバーすることはできません。

このTDRSが無かったアポロなどの時代には、追跡用の艦船まで動員し、世界中に配置した追跡局を使って宇宙船との通信を中継していましたが、TDRSの使用により、今では地上局の使用はごく一部となり、運用経費も大幅に削減されています。

画像:より大きな画像へ

スペースシャトルの通信リンク

最終更新日:2003年3月13日

スペースシャトルはどうやって軌道を離脱するのですか

画像:スペースシャトル着陸60分前のイメージ

(1)着陸60分前
軌道離脱噴射時速、約26,496km

画像:スペースシャトル着陸25分前のイメージ

(2)着陸25分前
高度80.5km、時速約26,576km

画像:スペースシャトル着陸20分前のイメージ

(3)着陸20分前
最大加熱、高度70km、時速約24,200km

画像:スペースシャトル着陸12分前のイメージ

(4)着陸12分前
高度55km、時速約13,317km

画像:スペースシャトル着陸5.5分前のイメージ

(5)着陸5.5分前
高度25,338km、時速約2,735km

画像:スペースシャトル着陸86秒前のイメージ

(6)着陸86秒前
マイクロ波による着陸誘導開始、高度4,074m、時速約682km

画像:スペースシャトル着陸32秒前のイメージ

(7)着陸32秒前
機首引き起こし開始、高度526m、時速576km

画像:スペースシャトル着陸17秒前のイメージ

(8)着陸17秒前
機首引き起こし終了、高度41m、時速496km

画像:スペースシャトル着陸14秒前のイメージ

(9)着陸14秒前
車輪出し、高度27m、時速430km

(10)着地
時速346km

スペースシャトル(オービタ)の帰還は、まずペイロードベイ(貨物室)のドアを閉じることから始まります。

次に姿勢を変え、オービタの後部を進行方向に向けて、軌道制御システム(Orbital Maneuvering System: OMS)と呼ぶ小型のエンジン2基を約2~3分間噴射します。この噴射は、着陸の約1時間前にインド洋の上空(飛行高度や軌道傾斜角によって、実施される場所は変わります)で行われます。

これにより、オービタは減速され、地球周回軌道から大気圏突入のための楕円軌道に突入します。

エンジンの作動が終了すると、オービタは再び機首を進行方向に向け、大気圏突入に備えます。この時、オービタは仰角(水平面に対する傾き)が40度になるように機首を引き起こします。これは、大気抵抗により十分減速できるようにすると同時に、オービタが加熱され過ぎないようにするためです。

大気圏への再突入は、おおよそハワイ上空(ISSミッションでは南太平洋東部の上空)付近となり、この時の高度は約120km、速度は秒速7.6km(約マッハ24)です。空力学的な制御が可能な大気密度になるまでは姿勢制御用のスラスターを噴射して姿勢制御を行います。

高度が約53km、速度が秒速4kmまで減速してきた時、ここまで仰角40度を保って降下してきたオービタは、これより後次第に仰角を減少させます。高度23km、速度が秒速0.76kmに達した時には、仰角は約10度にまで下がっています。

以後、普通のグライダーと同様に大気中を滑空しながら着陸地点に接近していきます。こうして、大気圏に突入してから約40分後、オービタの地球への帰還は終了します。なお、着陸時は時速約340~363kmです。

オービタは、初期段階には、カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地内にあるNASAドライデン飛行研究センター(Dryden Flight Research Center: DFRC)に着陸することが多かったのですが、最近ではケネディ宇宙センター(KSC)への着陸が普通になっています。

これは、KSC以外に着陸すると、着陸後のKSCまでの輸送(ボーイング747に搭載し空輸)費用がかかるためであり、現在では、着陸を1日延期してでも可能な限りKSCへ着陸させています。


最終更新日:2010年7月14日

大気圏再突入時のスペースシャトルは見ることができますか

写真

スペースシャトルの再突入

再突入時は高熱で光っているため、明るい流れ星のようにゆっくりとスペースシャトルが通過していくのを見ることができます。 しかし、スペースシャトルの大気圏への再突入は、太平洋上(ハワイ付近)で行われるため、日本からは見ることができません。

コロンビア号事故以前は、アメリカの南部、例えばスペースシャトルの飛行管制が行われているヒューストンでは、夜間や早朝に帰還する場合には、その姿を見ることができました。 しかし、コロンビア号事故後、帰還軌跡が変わったため、アメリカの南部ではほとんど見ることはできなくなりました。

また、大気圏再突入時のスペースシャトル内の様子は、大気圏へ突入する前にスペースシャトルのペイロード・ベイ(貨物室)を閉じるために、TV映像を伝送しているKuバンドアンテナを収納するので、スペースシャトルと地上の通信は音声交信やテレメトリデータの送信などを除き一時出来なくなります。

このため、大気圏突入時の船内の映像は、生中継では見ることが出来ませんが、ミッションによっては、この時のスペースシャトルの内部の様子をカメラに収めることもあり、帰還後に見ることが出来ます。

最終更新日:2010年7月14日

大気圏再突入の時、アポロ宇宙船と地上の通信にはブラックアウト(通信不能になる)があったのに、なぜスペースシャトルにはないのですか

アポロ宇宙船が大気圏に再突入し、帰還する際、一時、地上との間の音声交信がとぎれ、どきどきされた方も多いと思います。

これは、大気圏再突入時に、空力加熱により高温になってオービタ周囲の大気が電離し、これにより形成されたプラズマでオービタが包まれて電波がさえぎられるために生じます。

空力加熱とは、物体表面に生じる高速空気の速度エネルギーが熱エネルギーに変換されることによって物体が温められる現象のことです。

現在のスペースシャトルでは、このように通信が切れてしまうことはありません。もちろん、スペースシャトルの下面にあるアンテナを使い、地上と交信を行う場合は同様の現象が生じますが、スペースシャトルの胴体上部にあるSバンドアンテナを使って追跡データ中継衛星(TDRS)と通信を行うことができますので、現在はこのような方式で帰還時にも飛行管制センターと交信を行っています。

しかし、軌道傾斜角の高いミッションの場合には一部発生します。

最終更新日:2003年3月13日

スペースシャトル着陸の見学をしたいのですが

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KSCへ着陸

スペースシャトルは、ケネディ宇宙センター(KSC)内のスペースシャトル着陸専用の滑走路に着陸しますが、ここへの入場は関係者の一部およびメディアの代表といった、極く限られた人のみに制限されています。

一般の方は通常、ケネディ宇宙センターの外で見学することになります。しかしこれは飛行場に着陸する飛行機を遠くから見るのと同様、大変小さくしか見ることが出来ません。

ところでケネディ宇宙センターに着陸した宇宙飛行士の歓迎会が、通常は着陸の翌日、テキサス州のジョンソン宇宙センター(JSC)に近いエリントン空港で行われます。この会場への入場は特に制限されていませんので、どなたでも参加することができます。

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スーパーグッピー

エリントン空港は、民間航空機の発着、セスナなどを使った操縦訓練のほか、軍も使用している地方空港です。宇宙開発関係では宇宙飛行士の訓練飛行や、NASAの他の施設との連絡、NASAが欧州宇宙機関(ESA)から借用している大型の輸送機スーパーグッピーの駐機場などとしても使用しています。

最終更新日:2003年3月13日

スペースシャトルのロボットアームはどこでどのように操作するのですか。

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SRMSを操作する若田宇宙飛行士

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後部フライトデッキ側から見たSRMS

イラスト:より大きなイラストへ

並進用ハンドコントローラ(THC)

イラスト:より大きなイラストへ

回転用ハンドコントローラ(RHC)

スペースシャトルのロボットアーム(SRMS)は、スペースシャトルのペイロードベイ(貨物室)の、機首に向って左側前方の縁に取付けられています。

ロボットアームの操作卓はスペースシャトルのフライトデッキの後方、操縦席の反対側の窓際にあります。

操作卓には並進用のハンドコントローラ(THC)と回転用のハンドコントローラ(RHC)があり、1本のロボットアームを両手を使って操作します。

並進用ハンドコントローラでロボットアーム先端部の位置を、回転用ハンドコントローラで姿勢を制御します。

この操作は操作卓のTVモニタと、窓の外のロボットアームを見ながら行います。

宇宙ステーションの組立作業では、取扱う対象が大きかったり、操作が複雑で目では直接見えない部分がありますので、操作卓のTVモニタのみで監視しながら作業出来るよう、特殊な装置が開発されています。

最終更新日:2003年3月13日

スペースシャトルのロボットアームはどのようにして物をつかむのですか

写真

エンドエフェクタ(「きぼう」ロボットアームのものですが、SRMSと同一です)

スペースシャトルのロボットアーム(SRMS)はカナダ製で、多くの地上用ロボットアームと同様に6自由度(位置決定に3軸、姿勢決定に3軸)あります。

これを並進用(直進用)と回転用のふたつのハンドコントローラで操作します。

ロボットアームの先端にはエンドエフェクタと呼ばれる把持手(はじて)がありますが、人の手の様な複雑なものではなく筒状のものです。この筒に取扱い対象物に取付けられている突起物(Grapple Fixture: GF、把持部(はじぶ))を差し込んでワイヤーで締め付けてつかむようになっています。そのためロボットアームでつかむものには全て、このグラプルフィクスチャが取り付けられています。

グラプルフィクスチャの規格は国際宇宙ステーションで共通です。

ロボットアームによるペイロードの把持シーケンス
画像:イラスト1

(1)

エンドエフェクタの前方にあるリングには、ワイヤが格納されており、エフェクター開口部へペイロードのグラプル・シャフトを入れます。


画像:イラスト2

(2)

エンドエフェクタの開口部にペイロードのグラプル・シャフトが入っていく。ワイヤはまだ格納状態のままです。


画像:イラスト3

(3)

エンド・エフェクターのリングが回転を始めると、ワイヤがペイロードのグラプル・シャフトを閉じ込め始めます。


画像:イラスト4

(4)

エンド・エフェクターリングが完全に回った状態;ペイロードのグラプル・シャフトをワイヤが閉じ込めて、グラプル・シャフトを中心へ持って行き、把持します。


画像:イラスト5

(5)

ワイヤを引き込み、ペイロードをエンド・エフェクターと完全に面接触させ、位置決めし、ワイヤを引っ張った状態で固定します。


最終更新日:2003年3月13日

スペースシャトルはどこにどのような構造の窓がいくつあるのですか

写真:より大きな写真へ

スペースシャトルの窓からISSを眺める

スペースシャトルには、コックピット前方に6枚、天井部分に2枚、後部フライトデッキ(ペイロードベイ側)に2枚、サイドハッチの小窓1枚の計11枚の窓があります。

3層のガラスが基本ですが後部フライトデッキは2層です。また場所、層により厚さは異なります。

一番厚みがあるのは、コックピット前方の6枚です。外側の層は、厚さ1.58cm、中央層3.3cm、内側の窓ガラスは1.65cmです。この3枚は役割が異なり、外側は華氏800度(摂氏427度)までの高温に耐えると共に、デブリ衝突に耐えるように強化されています。一番内側のガラスは与圧を保つためのガラスです。これらのガラスには反射防止コーティングや赤外線カットコーティングなども施されています。

ガラスの材質は、一番内側がアルミシリカガラス、残りのガラスは、溶融シリカガラスを使用しています。

これだけの厚さのガラスですが、操縦や地球観測時に支障をきたさないように非常に透過性が良いガラスとなっています。

最終更新日:2005年9月27日

スペースシャトル内の居住環境はどのようにして維持するのですか。

スペースシャトルの船内の空気は地球上とほぼ同じ状態の1気圧で、成分は平均して窒素80%と酸素20%となるように制御されます。

船室内の空気は約7分で交換され、温度は約18℃から27℃に保たれています。湿度は、熱交換器で凝縮されて湿った空気を、空気/水分離器(Air/Water Separator)というファンにより遠心力を利用して水と空気に分け、取り出された水は汚水タンクに送り、空気はキャビンに戻すという方法で制御します。この装置が常に作動し、スペースシャトル船室の湿度は30~65%に維持されています。

悪臭は活性炭を使用した脱臭フィルターシステムが常に作動していて除去します。スペースシャトルにはトイレや生ゴミ(食べ残し、吐瀉物など)の収容場所がありますが、空調システムが作動しているため臭いが漏れてくることはありません。

二酸化炭素は水酸化リチウム(LiOH)で吸着除去します。減少した分の酸素は酸素タンクから補給されます。

スペースシャトル内で生じた汚水はタンクに貯蔵され、いっぱいにならないよう定期的に船外に排出されます。

最終更新日:2003年3月13日

スペースシャトルを地上から肉眼でみるとどのように見えますか

写真:より大きな写真へ

ISSとスペースシャトル
(15秒間露光したため光の線になっています)

スペースシャトルは明け方や夕暮に、光の点がゆっくりと移動して行くように見えます。

スペースシャトルは中型の旅客機と同じくらいの大きさですから、大きく明るく見えると考える人もあるかも知れません。

しかしスペースシャトルの軌道は飛行の目的にもよりますが高度200数十km~600kmもありますので、頭上を通過してもそれだけ離れた所を通過するのを見ることになります。

スペースシャトルやその他の人工衛星は斜め上方を通過するのを観測することが多いので、観測者との距離は数百kmから千数百kmにもなります。このような距離ではたとえジャンボジェット機であってもそこにいることを認識するのは困難です。

それにもかかわらず観測することが出来るのは、太陽光に照らされながら夜明けや夕暮の暗い空を背景にして移動して行くからです。

昼間は背景が明るすぎて先ず見えませんし、日没から余り時間がたっていても太陽光が当たりませんので見ることは出来ません。ただし太陽光が当たっていてもスペースシャトル全体の形が見えるのではなく、太陽光を強く反射している部分が光りの点として見えるだけです。

その明るさは夜空の星(1~2等星)と同じ程度なので、予め軌道計算で予測された時刻に予測された位置をゆっくりと移動していることから、スペースシャトルであると認識することができるのです。

なお、スペースシャトルは宇宙に行ってしまえば軌道を変更するとき以外はジェットを噴射することはありませんし、飛行機雲のような尾を引くこともありません。

最終更新日:2003年3月13日

ISSとランデブするための打上げ時刻はどのようにして決めるのですか

スペースシャトルや国際宇宙ステーション(ISS)はそれぞれが、宇宙空間に置かれた1枚のお皿の縁に沿って軌道を回っていると例えることが出来ます。このお皿を軌道面と呼びます。

スペースシャトルがISSとランデブ、ドッキングするためには、両者がほとんど同じ軌道面を回るようにしなければなりません。軌道面が別々ですと、2枚のお皿の縁をISSとスペースシャトルが別々に回ることになってしまい、ランデブすることができません。

ランデブするためには2枚のお皿が1枚になるように重ね合わせてやらなければなりません。つまり軌道面を変更して重ね合せる作業を行うことになるのですが、そのためには大変大きなエネルギー(燃料)を必要とします。燃料を必要なだけ消費することは不可能なので、打上げ後に軌道面を一致させる(重ね合せる)ための燃料が最も少ない軌道へ投入するようにしています。

打上げは、地球の自転によりスペースシャトルの打上げ場所であるフロリダがISSの軌道面を横切るタイミング(軌道面がフロリダの上空を通過する)に合わせて、ISSを追いかける方向に行われます。この理想の打上げ時刻から前後数分の間であればスペースシャトルをISSの軌道面とほぼ重なった軌道面に投入することができ、あまり多量の燃料を消費することなく、スペースシャトルの軌道変更エンジンでISSの軌道面と一致させることができます。

この打上げ可能時間帯のことをロンチウィンドゥ(打上げの窓)と呼んでいます。スペースシャトルをISSへ打ち上げる場合は、この時間はわずか5分間しかとれません。それ以上にすると、軌道変更の為の燃料を余分に積まなければならない分、積荷の重量を大幅に減らさなければならなくなってしまうからです。

ISSの軌道面は1日2回フロリダ上空を通過します。北東へ向う軌道と南東へ向う軌道です。しかし、南東へ向う軌道の場合はスペースシャトルを南米大陸に向って打ち上げることになるため、安全性などを考慮してこの軌道は対象としません。従って、ロンチウィンドゥは1日1回北東に向けて打ち上げるときだけしかありません。

打ち上げられたスペースシャトルは、その後、約2日間で、軌道面や軌道高度を微調整してISSへドッキングします。

最終更新日:2003年3月13日

スペースシャトルは開発されてから25年以上経ちますが、老朽化の心配はないのでしょうか

スペースシャトルのオービタは設計上100回の飛行ができるように製造されています。2010年の時点で、最も多く飛行したオービタ(ディスカバリー号)でも38回しか飛行していません。

スペースシャトルの各フライト終了毎にはエンジンを初めとする重要な部分は機体から取り外して交換や修理・点検が行われているほか、飛行前にはNASAの厳しい安全審査が毎回実施されています。

さらに各オービタは約3年に1度、1年程度かけてオーバーホール(分解を伴う定期点検)が行われ、構造部材の劣化状況の検査まで含めた大がかりな整備作業や新型機器への更新などが行われています。

コックピットの改修
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MEDS改修後の操縦席

2000年5月に飛行したアトランティス号では、操縦席の計器類が重くて旧式なブラウン管を使用したものから、カラー液晶ディスプレイを使用したものに一新されました(Multifunction Electronic Display System: MEDS、多機能電子表示システム)。

これにより操縦席も最新鋭の航空機並みになりました。

最後のエンデバー号も2004年の改修で換装されたため、全てのオービタがMEDSに切り替えられました。その他にも、機体の各部の軽量化や新しい耐熱タイルの採用、信頼性を高めた新型のメインエンジンへの移行など、外観的にはほとんど変化していませんが、中身は初打上げの頃と比べるとずいぶん進化しています。

安全性・信頼性の向上及び整備コストの低減
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アトランティス号に取り付けられる新型のBlock-IIエンジン

スペースシャトルのメインエンジンの改良は打上げ能力の向上ではなく、安全性・信頼性の向上及び整備コストの低減が大きな目的となっています。

打上げリスクは、1988年のBlock-IIAというエンジンの登場で1/438に改善され、2002年のBlock-IIエンジンの実用化により1/483に改善されました。

Block-IIエンジンは、新型の高圧水素ターボポンプを採用し、精密鋳造技術を取り入れることにより、溶接個所を大幅に削減し、信頼性を大幅に向上すると共に、飛行後の分解点検作業の手間を大幅に減らすことができるため、運用経費の削減にも寄与します。

コロンビア号事故の影響

コロンビア号事故の影響を受けて、2004年1月にブッシュ大統領は2010年にISSを完成させた後、スペースシャトルも退役させると表明しました。その後も紆余曲折がありましたが、NASAはスペースシャトル退役までに、それに代わる新しい宇宙機の開発を行うことができなかったため、ロシアのソユーズ宇宙船を利用すると共に、民間のロケットを利用した有人宇宙機の開発へと方針を変更しています。

しかし、新しいシャトルが出来るまでの間は現在のスペースシャトルを安全に飛行できるよう整備し維持していかなければなり ません。

100回も飛行できるとされたシャトルも飛行当初は20年以上という長期間使い続けることまでは考慮されておらず、事故原因究明の過程で、直接の事故原因ではないのですが、強化炭素複合材(RCC)パネルの劣化などが指摘されました。

コロンビア号事故はとても悲しいことではありましたが、今回の様々な教訓をもとに事故後のスペースシャトルの安全性はより向上していきます。

最終更新日:2010年7月14日

二酸化炭素の除去はどのようにしておこなっているのですか

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水酸化リチウム缶
(アトランティス号STS-81)

スペースシャトルでの二酸化炭素除去方法は、二酸化炭素吸着キャニスター(水酸化リチウム缶)を使用しています。これは、化学反応で二酸化炭素を吸収する使い捨ての反応容器です。

キャビン内の空気はキャビン・ファンを通って、ミッドデッキ床下にある2基の水酸化リチウム・キャニスターに送られ、二酸化炭素は除去されます。このキャニスターはクルーによって12時間毎に1個ずつ新しいキャニスターと交換されます。

ミッドデッキの床下には、最大30個のキャニスターが収納できます。

最終更新日:2003年3月13日

スペースシャトルの耐熱材にはどんな種類があるのですか

スペースシャトル・オービタの表面には、再突入時の高熱から守るための以下のような各種耐熱タイルなど耐熱材が使用されています。

強化炭素複合材
(Reinforced Carbon Carbon: RCC)
  • ノーズキャップ、主翼前縁部、前脚格納庫ドアとノーズキャップの間、外部タンクとの前方取付部など最も高温に曝される部分に使用。
  • -157度C~1,650度Cの範囲で使用可能。
  • 色は灰色。
  • 使用枚数 44枚
再使用型高温用表面耐熱材
(High-temperature Reusable Surface Insulation: HRSI)
  • RCCについて高温になる箇所に使用。
  • 機体下面、前部胴体側面、垂直尾翼前縁・後縁部、窓の周囲などに使用。
  • 1,260度C以下の部分で使用。
  • 15cmの正方形で厚さは2.5~12.7cm。
  • 色は黒色。
  • 使用枚数 20,548枚
繊維質耐火性コンポジット耐熱材
(Fibrous Refractory Composite Insulation: FRCI)
  • HRSIより後に開発され、HRSIと置き換えて使用。
  • 形状はHRSIと同じ。
  • 色は灰色。
  • 使用枚数 2,945枚
再使用型低温表面耐熱材
(Low Temperature Reusable Surface Insulation: LRSI)
  • 前部胴体、中部胴体、後部胴体、主翼上面、OMS/RCSポッドなどで使用。
  • 650度C以下の部分で使用。
  • 20cmの正方形で厚さは0.6~7cm。
  • 色は白色。
  • 使用枚数 699枚
発展型再使用フレキシブル表面耐熱材
(Advanced Flexible Reusable Surface Insulation: AFRSI)
  • 縫製された複合材のキルト状断熱材2層の織物の間に挟み込んで縫い合わせた物。
  • ディスカバリー以降のオービタではLRSIの代わりに使用。
  • 91cmの正方形で厚さは1.0~2.8cm。
  • 使用枚数 2,277枚
再使用型フレキシブル表面耐熱材
(Flexible Reusable Surface Insulation: FRSI)
  • ノーメックスフェルトをコーティングした物で、ペイロードベイドアの上面や主翼上面の内側に使用。
  • 370度C以下の部分で使用。
  • 91cm×122cmで厚さは0.3~2.7cm。
  • 色は白色。
  • 使用枚数 977枚(オービタにより異なる)
BRI-18
(Boeing Replacement Insulation)
  • コロンビア号事故後に装着が始まった衝突耐性を強化したタイルで、着陸脚のドアや外部燃料タンクドアなど、より強化が必要とされる場所で、置き換えが行われています。
 

※使用枚数は1988年当時のものです。


最終更新日:2009年7月14日

スペースシャトルに接着剤は使われていますか

接着剤は広い面積で固定できるためリベットやボルトなどで固定するのに比べ、はるかに強靱な強度が出せます。

スペースシャトルに限らず、ロケット、航空機など、航空宇宙分野では軽量化のために複合材料の使用が増えています。それらは全て接着剤で貼り合わせていきます。現在航空宇宙の分野では、接着剤はごく普通に使用されています。

スペースシャトルでも構造材で複合材を使用している部分やタイルの接着に接着剤が使われています。

スペースシャトル・オービタ本体は荷重などによってたわみますが、タイルはたわみに耐えることができませんのでオービタからの応力が伝わらないようにしなければなりません。そのためにオービタとタイルの間にSIP(Strain Isolation Pad、歪み伝達絶縁パッド)というノーメックス・フェルト材でできた熱絶縁材を挟みます。これらをRTV(Room Temperature Vulcanization、常温加硫)シリコン接着剤で接着します。

この接着剤は、約0.20mmの厚さに塗布します。このように接着剤を薄く伸ばすのは重量増を減らし、また大気圏突入時や軌道上の温度差における熱膨張や熱収縮を小さくするためです。

最終更新日:2004年10月12日

スペースシャトルはどうやって輸送するのですか

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【動画】スペースシャトル・オービタを載せて飛行するSCA  [31秒]

スペースシャトルがケネディ宇宙センター以外に着陸した場合や工場で定期点検する場合は、専用の航空機に乗せて空輸を行います。

シャトル輸送機(Shuttle Carrier Aircraft: SCA)は、ボーイング747-100と747-100SRをそれぞれ改造したものでNASAには2機あり、主な改造内容は以下の3点です。

  • 強度確保及びシャトル取付のために3つの支柱を装備。
  • 水平尾翼の先端に垂直尾翼取付。
  • 座席等全てのインテリア等を除去。
NASA905(B747-100型)

1機目のSCAで、1974年にアメリカンエアライン(AA)社より購入しました。1990年11月までこの1機で運用し、スペースシャトル滑空試験機エンタープライズ号もイギリスでの展示やパリの航空ショーに参加するために、これで運びました。

NASA911(B747-100SR型)

1989年に日本航空(JAL)から購入したもので、1973年(昭和48年)から日本の国内線を飛んでいたものです。ボーイング社で改造後1990年11月20日にNASAに引き渡されました。

SCA主要諸元

翼幅: 59.6m(195フィート8インチ)

全長: 70.7m(231フィート10インチ)

高さ: 垂直尾翼頂点まで19.3m(63フィート5インチ)

コックピット頂点まで9.8m(32フィート1インチ)


最終更新日:2006年3月29日

白い外部燃料タンクを写真で見たことがあるのですが、現在のオレンジ色の外部燃料タンクと違いはあるのですか

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STS-1ミッションでのスペースシャトル「コロンビア号」の打上げ

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STS-3ミッションでのスペースシャトル「コロンビア号」の打上げ

1981年に打ち上げられたスペースシャトルの最初の2ミッション(STS-1、STS-2)では、外部燃料タンク(ET)のオレンジ色の断熱材の上に白い塗料が塗られていました。これは射点において太陽光によるETの温度上昇をできるだけ防ぐためです。

2ミッションの打上げ時に大量の断熱材が剥離したこと、またその後の試験で白い塗料がなくても問題のないことが分かったため、3回目のSTS-3ミッション(1982年)からは塗られなくなりました。これにより、約270kgの塗料重量を削減することができ、その分重いペイロードを搭載できるようになりました。

最終更新日:2006年5月18日

スペースシャトルの名称の由来を教えて下さい

スペースシャトルの名称の由来は以下のとおりです。


写真:スペースシャトル「エンタープライズ号」。より大きな写真へ。
エンタープライズ号
(Enterprise, NASA型名:OV-101)

エンタープライズ号は当初アメリカ合衆国憲法発布200年を記念し、「コンスティテューション(Constitution:憲法)」と名付けられる予定でしたが、米国で放映されていたSFテレビドラマ『スタートレック』に登場するエンタープライズ号の名前をつけてほしいという投書が多数寄せられたため、この名称になりました。

※エンタープライズ号は滑空着陸試験用として開発され、実際に飛行はしていません。


写真:スペースシャトル「コロンビア号」。より大きな写真へ。
コロンビア号
(Columbia, NASA型名:OV-102)

コロンビア号は初めて世界一周を行った米国の船から名付けられました。また、コロンビア号はアポロ11号の月面着陸船の名称でもあり、その偉大な業績を受け継ぐ意味も込めて名付けられました。


写真:スペースシャトル「チャレンジャー号」。より大きな写真へ。
チャレンジャー号
(Challenger, NASA型名:OV-099)

チャレンジャー号は1870年台に太平洋と大西洋の研究航海を行った英国海軍の調査船HMS チャレンジャー号から名付けられました。


写真:スペースシャトル「ディスカバリー号」。より大きな写真へ。
ディスカバリー号
(Discovery, NASA型名:OV-103)

ディスカバリー号は過去の歴史的な探検船から名付けられました。ディスカバリー号という名称の探検船は複数ありますが、そのひとつは1600年代前半にハドソン湾を探検し、大西洋から太平洋までの北西の航路を発見したヘンリー・ハドソンが使用した探検船です。


写真:スペースシャトル「アトランティス号」。より大きな写真へ。
アトランティス号
(Atlantis, NASA型名:OV-104)

アトランティス号は、1930年から1966年の間、マサチューセッツ州のウッズ・ホール海洋研究所で主要な調査船として使用されていた2本マストの船から名付けられました。


写真:スペースシャトル「エンンデバー号」。より大きな写真へ。
エンデバー号
(Endeavour, NASA型名:OV-105)

エンデバー号は、過去の有名な探検船や海洋調査船の中から、米国の初等及び中等学校の学生たちにより選ばれました。最終的に18世紀の英国人の探検家ジェームス・クックの南太平洋探検に使用されたエンデバー号から名付けられました。


最終更新日:2008年5月 9日

スペースシャトルは最後のフライトを終えましたが、もう飛行することはできないのですか?

3機のスペースシャトルは以下のフライトを最後に飛行を終えました。(いずれも米国時間)

STS-133(ULF5) ディスカバリー号 2011年3月9日帰還
STS-134(ULF6) エンデバー号 2011年6月1日帰還
STS-135(ULF7) アトランティス号 2011年7月21日帰還

また、スペースシャトルプログラムは、2011年8月31日をもって正式に終了しました。
各オービタは帰還後、予算さえあれば再飛行は可能な状態でしたが、外部燃料タンク(External Tank: ET)と固体ロケットブースタ(Solid Rocket Booster: SRB)の在庫を持たず、新規製造はできない状態のため、追加の飛行は不可能でした。

そして、これらのオービタは博物館に展示するために、メインエンジンなどの推進系の取り外しなどの改造が行なわれているため、今後の飛行は不可能です。

各オービタは、それぞれ以下の博物館で展示されることになっています。

・ディスカバリー号  スミソニアン博物館航空宇宙博物館(Steven F. Udvar-Hazy Center)(バージニア州)
・エンデバー号 カリフォルニアサイエンスセンター(カリフォルニア州)
・アトランティス号 ケネディ宇宙センターの見学施設(フロリダ州)

最終更新日:2011年9月 6日
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