| 2002年1月に行なった野口宇宙飛行士へのインタビューに基づき、シリンダーの試作を行なった。インタビューでは特に以下の点に留意するよう指摘があった。
1.船外では分厚い手袋をしているので、シリンダーの栓をひねったり、小さい蓋をするなどの作業は困難。開閉には工夫が必要。
2.船外へ持ち出すので、「宇宙のごみ」とならないよう、また船外活動の邪魔にならないようにしっかりと宇宙服に装着できるような形状であること。
1.に関しては、大阪のバルブ専門企業の協力を得て、栓をひねることなく、ワンタッチで開閉でき、しかも超真空を長期間保つことができるようなバルブを持つシリンダーの製作図面を依頼した。(図1参照)
2.に関しては、設計に宇宙服の形状、宇宙飛行士の動きに関する情報も必要なため、ちょうど8月に実施した NASA 研修および宇宙飛行士へのインタビューにあわせ、外見も含め、シリンダーの具体的なイメージがつかめるようにステンレスによるシリンダーの製作を行ない、インタビューに持ち込むこととした。(図2参照)
|