Update 2001. 1. 5 



★Q&A


Q1
国際公募ではどのような点が評価されるのですか?

 A
本国際公募にご応募頂いた研究テーマは、国際評価パネルによる科学評価および装置提供機関による技術(搭載性)評価を受けることになります。科学評価を行う国際評価パネルは、参加各機関の推薦を受けた研究者から構成され、応募された研究テーマの背景、目的、検証すべき仮説、研究実績ならびに研究遂行体制などを評価します。技術評価では装置との適合性(機能要求)、リソース要求、安全性が評価の対象となります。

科学評価基準
重要性
  • 研究目的を達成した場合、当該分野の発展、科学的知見および技術の向上に及ぼす効果は何か。
研究手法
  • 論理展開(シミュレーションによる解析を含む)、研究計画及び解析方法に一貫性があり、提案する研究の目的に合致しているか。
  • 提案する研究手法により十分な成果を獲得できそうか。
独創性
  • 研究目的、研究手法に独創性、革新性があるか。
研究能力
  • 研究者は適切な知識と、研究能力を有しているか。
  • チームメンバーの役割、責任が明確に記述されており、かつ、適切か。機能的な協力体制となっているか。
研究環境
  • 成果を獲得するための研究環境が十分に整備されているか。
  • 所属機関などの支援は確実に得られるか。



技術評価基準
機能要求
  • 実験要求を満足する実験装置があるか。
  • 要求しているセル/カートリッジ数は適切な個数か。
  • 要求しているセル/カートリッジの機能は実現が可能か。
  • セル/カートリッジは所定の期間内に開発可能か。
リソース要求
  • 打ち上げ能力(体積、重量)、国際宇宙ステーションリソース(搭乗員の作業時間、電力など)をどの程度必要とするか。
安全性
  • 実験装置や実験操作が搭乗員の健康や安全、環境に影響を及ぼさないか。


さらに、プログラム評価として次の条件を考慮します。

  1. 日本の宇宙開発の基本方針(平和利用目的であること等)に矛盾しないこと。
  2. 宇宙開発事業団の宇宙環境利用研究委員会において制定された「微小重力科学分野の重点研究領域と当面の研究シナリオについて」に沿った提案であること。
  3. 宇宙開発事業団における国際宇宙ステーション関連予算を考慮し、提案された研究テーマを実施する費用が妥当なものであること。


Q2
プログラム評価において「微小重力科学研究の重点研究領域と当面の研究シナリオ」との整合性が問題とされていますが、微小重力科学研究シナリオがどのようなものかよくわかりません。

 A
「微小重力科学研究の重点研究領域と当面の研究シナリオ」(以下研究シナリオと呼ぶ)は、 宇宙環境利用が有効と考えられる研究分野の育成・発展・体系化を目的として、各分野の専門家で構成された「宇宙環境利用研究委員会」において制定された“宇宙環境利用研究の方向性”を示したものです。微小重力科学分野における研究シナリオでは、当面の重点分野として溶液・融液からの結晶成長と過冷凝固と準安定相研究の2つを定義しています。国際公募では本研究シナリオに沿ってテーマ選定が行われるため、重点研究領域の採択比率は高くなります。重点研究領域でないテーマについても、科学評価、技術評価等の一連の評価において優れた提案と認められれば採択されます。
 なお、研究シナリオの詳細は(http://iss.sfo.jaxa.jp/utiliz/mgv_scen.html)をご参照下さい。また、同ホームページより研究シナリオの最新版をダウンロードできます。


Q3
国際研究チームで応募する場合、ISS計画に参加していない国に所在する機関の研究者がチーム員となり、応募することは可能でしょうか?

 A
ISS計画に参加していない国に所在する機関の研究者が、我が国を通じて代表研究者としてテーマを提案することはできません。ただし、共同研究者の場合には種々のケースが想定されますので、微小重力科学国際公募国内事務局(mg-iao@jsforum.or.jp)までお問い合わせください。


Q4
国際的な研究チームが推奨されているというのは本当でしょうか?

 A
国際的な研究チームが推奨されるということはありません。宇宙実験そのものが非常に多くの役割を必要とするためチーム研究が推奨されておりますが、国際的であるかについては問題となりません。


Q5
提案書の記載にあたって、何に気をつければよいですか?

 A


Q6
代表研究者と共同研究者の所属機関の所在国が異なる場合、書類はそれぞれの機関に提出するのでしょうか?

 A
代表研究者は、予算書類も含めた応募書類一式を、自分の所属機関が所在する国の宇宙機関へ提出して下さい。また、共同研究者は、自分の活動に必要な予算を記入した書類のみ、自分の所属機関が所在する国の宇宙機関へ提出して下さい。なお、予算書類も含めた応募書類の書き方、出し方については宇宙機関ごとに異なる場合がありますので、国際的な研究チームの場合、代表研究者、共同研究者とも各々が所属する機関のある国の事務局にご確認ください。詳細は、「2000年度 国際公募案内」および「応募書類作成の手引き」を参照してください。


Q7
実験装置の改修は全くできないのでしょうか?

 A
実験装置本体に手を加えるような改修はできません。ただし、供試体内部であれば、開発及び改修が可能な場合もあります。


Q8
供試体に関して、どの程度記述すれば良いのでしょうか?

 A
「きぼう」実験装置については、実験要求入力票に従い、記入していただければ十分です。他国の装置を利用する場合、実験要求(試料の種類、数、サイズ、温度、圧力、具体的な観察内容や取得データ、必要な電力リソースや装置とのインターフェース、実験運用に関する温度プロファイルなど)をなるべく具体的に記述してください。また、実験要求や実験装置のインターフェースに沿って、供試体の構成・構造に関する内部設計(概念設計レベルでよい)が十分練られていることも重要です。


Q9
装置の仕様についてはホームページに詳細な情報も記載されているのでしょうか?

 A
各国の装置については、IMSPG装置のHP(http://www.science.sp-agency.ca:8003)をご覧下さい。また、不明な点や必要な情報については、微小重力科学国際公募国内事務局(mg-iao@jsforum.or.jp)までお問い合わせください。


Q10
IAOに採択されると、研究費がもらえるのですか?

 A
基本的に、フライト実験を遂行するための実験準備費用のみ対象となります。今回の公募は、地上において十分に実験計画が詰まっていることが前提にあるためです。したがって、例えばフライト実験に向けた研究計画を作成するフェーズでは、人件費(本作業のためのポスドク、アルバイトなどの雇用費)、アンプル等の試料部試作費用、実験パラメータの見直し/最適化の作業に要する消耗品費、分析費等や本作業に要する打ち合わせ等に要する旅費のみが考慮されます。このフライト実験を遂行するための実験準備費用は、選定後、代表研究者の所属機関と宇宙開発事業団、または(財)日本宇宙フォーラムとの間で調整させていただいたのちにファンドされます。


Q11
第2回以降の国際公募はどういう予定ですか?

 A
微小重力科学分野については、現在、2年に1回程度の公募を想定しています。第2回以降の国際公募については国際宇宙ステーションの開発状況、利用計画などを考慮して決定されます。


Q12
近々、職場が変わる予定なのですが、問題ありませんか?

 A
フライト実験の成果報告終了までの期間を通して研究の支援を受けられる日本国内の研究機関に在籍していることが原則となります。この条件を満たしていれば、職場が変わっても問題ありません。


Q13
別の制度に先導的応用化研究がありますが、切り分けはどのようになっているのでしょうか?

 A
先導的応用化研究は宇宙実験の産業利用、商業利用を目指すプログラムで、産業利用、商業利用の可能性が問われるかわりに守秘性が担保されます。一方、国際公募においては科学的重要性が問われます。また、宇宙実験終了後、一定期間を経て成果はすべて公表されることになります。産業利用、商業利用を目指す研究であっても国際公募の評価基準を満たし、かつ、守秘性を要求しないのであれば国際公募への応募は可能ですので、ご応募ください。なお、先導的応用化研究は随時テーマを募集しています。


Q14
宇宙で何ができそうか、これから勉強していきたいのですが?

 A
まずは、宇宙航空研究開発機構の宇宙ステーションホームページをご覧下さい。また、以下が参考になります。



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