高品質タンパク質結晶生成プロジェクト第2回
2003年10月28日に帰還したソユーズ宇宙船(6S)により、タンパク質結晶成長装置(Granada Crystallization
Facility: GCF)の第2回回収を行いました。
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第2回宇宙実験の運用状況 |
軌道上
- 実験実施場所: 国際宇宙ステーション(米国実験棟)
- 実験実施期間: 約2ヶ月間
- 実験装置:
- GCF*1 3式 (69個のGCB*2を搭載)
- 恒温槽(CGBA*3)
*1:GCF(Granada Crystallization Facility、タンパク質結晶生成装置)
*2 :GCB(Granada Crystallization Box、タンパク質の結晶生成用のセル)
*3 :CGBA(Commercial Generic Bioprocessing Apparatus)
打上げ
- 打上日時: 2003年8月29日 10時47分(日本時間)
- 打上手段: プログレス補給船(12P)
帰還
- 帰還日時: 2003年10月28日 11時41分(日本時間)
- 帰還手段: ソユーズ宇宙船(6S)
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第2回宇宙実験の特徴 |
- 高品質タンパク質結晶生成技術の確立のため、第1回宇宙実験で発生した不具合を改良して実施([第1回宇宙実験で発生した不具合と処置対策]参照)
- STS-107ミッションで成果を喪失したテーマのうち、先導的応用化研究テーマの再実施
- 新たな利用機関の参加(下表の色塗りの4機関)
利用機関と搭載タンパク質 |
利用機関 |
搭載タンパク質数 |
理化学研究所
横浜研究所ゲノム科学総合研究センター
播磨研究所ハイスループットファクトリー
播磨研究所ストラクチュローム研究グループ |
34種類
13種類
11種類
10種類 |
農業生物資源研究所 |
4種類 |
蛋白質構造解析コンソーシアム*4(3社) |
4種類 |
先導的応用化研究(6テーマ) |
10種類 |
JAXA(リファレンス用標準タンパク質(各GCFに搭載)) |
1種類 |
合計 |
53種類(69個のGCBに搭載) |
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*4 【蛋白質構造解析コンソーシアム参加企業】
エーザイ、 大塚製薬、 キッセイ薬品工業、 協和発酵工業、 三共、 塩野義製薬、 大正製薬、 大鵬薬品工業、 武田薬品工業、 田辺製薬、
第一製薬、 大日本製薬、 中外製薬、 日本新薬、 日本たばこ産業、 帝人、 万有製薬、 藤沢薬品工業、 三菱ウェルファーマ、 明治製菓、
持田製薬、 山之内製薬(五十音順)
(以上、日本製薬工業協会加盟22社) |
- 米国実験棟内の恒温槽(CGBA)の利用(NASAより無償借用)
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第2回宇宙実験結果 |
顕微鏡観察による結晶生成結果の概要
地上では結晶生成に至らない、または結晶は生成するが、回折データ取得に至らないタンパク質37種類(GCB42個)(下図A)のうち約3割にあたる11種類(GCB13個)のタンパク質(下図B)において、回折データ取得に供することができる単結晶が生成した。
11種類のタンパク質:タンパク3000プロジェクト、イネゲノムプロジェクト、創薬に関連するタンパク質 取得した結晶の写真
地上で回折データ取得に至らなかったが、宇宙でX線回折に供することが可能な結晶が得られた例
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取得した結晶の写真及び運用上の課題
宇宙で結晶は得られたが
回折データ取得に至らない例
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宇宙で結晶生成に至らなかった例
(沈殿・アモルファス・オイル)
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○運用上の課題
約3割のGCBにおいて、GCB内のタンパク質溶液を保持するキャピラリ(細管)からタンパク質溶液の減少が認められた。原因については、現在調査中であり、調査出来次第対応策を検討する。
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今後の予定 |
- 第2回宇宙実験で得られた結晶については、利用機関において3ヶ月程度(2004年1月末頃)を目処に、放射光施設などによるデータ取得及び結晶品質の評価を行った後、構造解析を実施し、6ヶ月~1年後を目処に結果をとりまとめる予定。
- 現在、2004年1月下旬の打上げに向け、第3回の宇宙実験の準備作業を進めている。(搭載するタンパク質の最終決定は打上げの約1ヶ月前(2003年12月下旬)を想定)
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第1回宇宙実験で発生した不具合と処置対策 |
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(参考)バックアップチャート |
プロジェクトの特徴と概要
- プロジェクトの特徴
- ロシアとの商業利用契約とESAとの技術協力
- 継続的、安定的な宇宙実験機会の確保
- ポストゲノム時代への対応
- プロジェクトの概要
- 実験実施場所: 国際宇宙ステーション サービスモジュール/米国実験棟
- 打上げロケット: プログレス無人貨物船
- 回収宇宙船: ソユーズ宇宙船
- 実験実施回数: 2003年2月以降3年間、年2回(計6回)を予定
- 実験実施期間: 2~4ヶ月
- 実験装置: GCF(Granada Crystallization Facility)(ESAより借用) 4回(2004年)以降は、高密度化した結晶生成ユニットの利用を予定
利用機関とJAXAとの作業分担と成果の帰属
相互の実施事項及び役割分担を明確にした共同研究体制を組み、成果は相互に分担する事項について単独で所有する。
<作業分担>
利用機関 |
- タンパク質試料の準備
- タンパク質結晶の構造解析による結晶特性の評価
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JAXA |
- 結晶化条件の検討
- 微小重力環境での実験装置の整備及び打ち上げ、軌道上運用、回収作業
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<成果>
利用機関 |
- タンパク質の発現・精製法
- タンパク質結晶の構造及び座標データ
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JAXA |
- 結晶化条件の検討システム技術
- 軌道上結晶生成システム技術
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実施体制及び国内利用機関との利用の枠組み(第2回宇宙実験)
最終更新日:2003年11月19日
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