平成23年度宇宙医学生物学研究ワークショップを開催
最終更新日:2011年4月28日
「きぼう」船内実験室で作業する若田宇宙飛行士
JAXAでは、国際宇宙ステーション(ISS)および「きぼう」日本実験棟を利用した宇宙医学生物学研究に取り組んでいます。日本独自の宇宙実験施設を利用して質の高い宇宙医学生物学研究を進め、そこで得られた研究成果を社会に還元するために、多くの国内研究者の参加のもとにワークショップを開催しています。
ISSおよび「きぼう」で計画する宇宙医学研究を紹介しつつ、研究成果の活用や、将来の宇宙医学生物研究のあり方について討議し、今後の宇宙医学生物学の研究推進に役立てることがワークショップの目的です。
本ワークショップは、一般の方もご聴講頂けます。
開催案内
平成23年度第1回宇宙医学生物学研究ワークショップ
「免疫低下からあなたを救うには?~宇宙飛行士から高齢者まで~」
ISSの医療機器を確認する古川(左)、マイケル・フォッサム(右)両宇宙飛行士
宇宙環境がヒトに与える数あるリスクの中で、免疫低下が知られています。この免疫低下は、軌道上の宇宙飛行士だけでなく地上の高齢者にも共通する課題でもあります。
免疫システムは人体の機能システムが総合的に関わるので、その評価方法が難しいと考えられています。そこで、「きぼう」を利用して質の高い社会に役立つ研究を進めるため、免疫学の専門家の方々にヒトの免疫システムがどこまで明らかにされているか平易に解説していただき、どのような研究課題を進めたらよいか、その方法論を含めて方向性と具体的なアイデアや課題を探ります。
- 開催日時:平成23年5月24日(火) 午後2時00分~午後5時30分
- 開催場所:東京都中央区日本橋3丁目8-3 STANDARD会議室
- 詳細(別窓で開きます) ※参加者募集は終了しました。
平成23年度第2回宇宙医学生物学研究ワークショップ
「宇宙医学と健康増進科学」
「きぼう」船内実験室で血圧を測定する古川宇宙飛行士
宇宙環境がヒトに与える最も重要なリスクとして骨量減少が知られています。宇宙飛行士の骨量は、地上の骨粗鬆症の約10倍の速さで減少するので、宇宙飛行は加齢変化の加速モデルともいえます。
本ワークショップでは、まず、宇宙医学に学ぶ健康長寿として、JAXA宇宙医学研究全体の取り組みと、骨量減少と尿路結石予防に関する研究成果および予防のポイントをわかりやすく紹介します。
次に、健康長寿科学の専門家から、心身を健康に維持する秘訣と支援のあり方を簡明に解説していただきます。最後に、元気長寿社会の実現に向けた予防的取り組みの重要性について、総合討議します。
- 開催日時:2012年2月1日(水) 13:30~16:00
- 開催場所:スタンダード会議室虎ノ門SQUARE4階(東京都港区虎ノ門1-15-10 名和ビル)
- 詳細(別窓で開きます)
平成23年度第3回宇宙医学生物学研究ワークショップ
「宇宙医学と睡眠・生体リズム」
「ハーモニー」(第2結合部)の古川宇宙飛行士個室
ISSは90分で地球を1周しており、地上のような24時間周期の日の出/日の入り、日中の明るい光を経験することがありません。このような特殊な光環境や、仕事のストレス、家族等と直接会えないなどの要因から、宇宙飛行士には不眠や生体リズムが変調する危険性が懸念されています。
本ワークショップでは、まず、宇宙ミッションにおける睡眠の実態を紹介し、ISSでデータ取得が進んでいる宇宙飛行士の心拍の解析から見た生体リズム研究の成果を紹介します。
次に、関連分野の専門家から、現代社会の抱える睡眠および生体リズムの問題をわかりやすく解説していただき、地上と宇宙の研究成果を踏まえた望ましい睡眠・生体リズムのあり方や、そのための工夫の秘訣について総合討議します。
- 開催日時:2012年2月20日(月) 13:30~16:00
- 開催場所:スタンダード会議室新橋8階(東京都港区新橋3-1-9 301新橋ビル)
- 詳細(別窓で開きます)
平成22年度に開催された宇宙医学生物学研究ワークショップについては以下のページをご覧ください。
- 平成22年度宇宙医学生物学研究ワークショップ