JAXA/NASA Joint WorkShopを開催しました
最終更新日:2019年10月 8日
昨年度に引き続き「ISS R&D カンファレンス 2019」において、国際宇宙ステーション(ISS)利用に関する「JAXA/NASA共同ワークショップ」を開催しました。このワークショップは、日米両国政府による「日米オープン・プラットフォーム・パートナーシップ・プログラム(JP-US OP3)」の下、ISSや「きぼう」日本実験棟を最大限に活用して成果最大化を図るとともに、新たな成果創出に繋げるため、2016年からNASAと共同で実施しており、今回が6回目になります。JAXAとNASAの協力により出された優れた利用成果、今後さらに成果を最大化するための協力のアイデア、計画などを広く紹介する場となっています。
JAXA/NASA共同ワークショップの開催結果
日程 |
2019年7月29日(月) |
会場 |
米国アトランタ Hyatt Regency Atlanta Convention Center |
傍聴者数 |
約100名 |
登壇者 |
- Koichi Wakata, Vice President and Director General for Human Spaceflight Technology, JAXA
- Sam Scimemi, Director for International Space Station (ISS), NASA Headquarters within the Human Exploration and Operations Mission Directorate
- Masatoshi Nagasaki, Co-Founder & CEO, Space BD Inc. (Japan)
- Kazutomi Shigeeda, Aerospace Systems & Rail Leasing Div., Mitsui & Co. LTD. (Japan)
- Mike Lewis, Chief Innovation Officer, NanoRacks (U.S.A.)
Private entities developing facility and promoting its utilization on ISS
- Fumiko Matsunaga, Deputy Manager, Global Business Development Space Systems Integrated Defense & Space Systems, Mitsubishi Heavy Industries, LTD. (Japan)
- Rich Boling, Vice President of Corporate Advancement, Techshot, Inc. (U.S.A.)
- Takafumi Sakai, Manager of Research Planning Section, Research Management Center, Yakult Central Institute, Yakult Honsha Co., Ltd. (Japan)
- Ken Shields, Chief Operating Officer, National LAB (U.S.A.)
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概要
- 本ワークショップは、NASA Marybeth Edeen部長の司会による2部構成とし、第1部では若田理事およびScimemi部長のトークセッション、第2部では、日米双方の民間企業・法人より、ISSでのサービス提供や利用状況についてプレゼンテーションを実施しました。LEOにおける民間利用の拡大を受け、日米双方のISS民間利用、民間連携の取組みにフォーカスし、JAXA/NASAによる民間利用拡大への取組みに関するディスカッション、民間企業(サービスプロバイダ、エンドユーザ)によるISS利用など、タイムリーな話題を提供しました。
- 特に、前半での若田理事とScimemi部長のトークセッションでは、双方のISS利用における長期的な視点が、民間主体によるLEO利用サービス提供であることを共有しました。また、OP3の枠組みによるISS利用の発展の可能性、特にPartial G環境を用いたマウスの共同ミッションについての期待感について米国より言及がありました。
第1部:トークセッション
- 冒頭、2016年より共同開催してきている本WSを通じ、OP3に基づく日米協力として、双方の研究成果の最大化やISS民間利用の取組み、今後の連携可能性などについて、潜在ユーザに対して継続的に紹介・議論する場が定着してきていることについて言及がありました。
- 次に、日米双方におけるLEO利用拡大に向けた具体的な取組み、長期ビジョンやNASAの新たな商業活動の枠組み、OP3の重要性について発信されました。
- LEOの商業利用を拡大するための中長期ビジョンおよび実現に向けての取組みの方向性が一致していることを確認し、日米双方が同調してISS利用の拡大に向けて取り組んでいることがアピールされました。
- LEOにおける商業利用の拡大に向けた日米の取組みを参加者に周知し、「きぼう」の利用サービスへの関心喚起につなげ、日米双方が同調してISS利用の拡大や成果最大化に向けて取り組んでいること、および、日本のプレゼンスを示すことができました。
第2部:日米双方の企業等による民間利用・サービス提供に関するプレゼン
(日本)
- 船外利用サービス提供(小型衛星放出サービス、中型実験サービス)として、Space BDおよび三井物産よりサービス事業や各社の理念について発信。非宇宙の新たなユーザと対話をしており、市場に取り込むには時間を要するため、2024年以降のISS運用継続についての期待が述べられました。
- 三菱重工業より、小動物実験装置の紹介、機能拡張、今後の戦略として米国Leidos社と連携し米国商業利用におけるRodent Mission実施を検討していることについて発信されました。
- ヤクルト本社より、閉鎖微小重力環境下におけるプロバイオティクスの腸内環境に及ぼす効果に係る研究内容について発表されました。
(米国)
- NR社より、衛星放出事業の他、ISS船内実験装置(Micro-G Research H/W)、Suborbitalミッション、NR社エアロック開発、地上検証・ミッションマネジメントなど、様々な事業展開をしていることについて紹介されました。
- Techshot 社より、Tissue Chips, Bone Densitometry、Rodent Research、Cell Researchなどに対するSolutions提供として様々なH/Wの開発を実施していることについて紹介されました。
- National Labより、2015~2019年におけるNational Lab枠での軌道上ミッション実績や外部資金の内訳、クルータイム利用実績、打ち上げペイロード数、商業ペイロード実績などについて紹介されました。