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SRTMの観測原理

NASA/JPL/Caltec
 STS-99の主ミッションであるSRTMは、合成開口レーダー(SAR)を使用して、北緯60度から南緯54度の間の全ての陸域を観測し地球表面の詳しい立体地形図作成のためのデータを取得します。この観測領域は、地球の陸域の約80%をカバーします。

 今回のシャトルミッションでは、合成開口レーダーによる観測だけではなく、インターフェロメトリ(干渉法)技術を組み合わせて、立体的3次元地形図(数値標高データ)を作成します。

 合成開口レーダーを使用した観測は、過去のシャトルミッション(STS-2,41G,59,68)でも行われました。またインターフェロメトリ技術を利用して3次元地形図を作ることも部分的には行われていました。しかし、従来は3次元の地形図を作成するためにはシャトル・フライトを数回行って同一観測地をわずかだけ軌道をずらして観測しデータを取得してきたため、立体の地形図の作成まで数年に及ぶ時間がかかりました。

 現在、地球の陸域を今回のSRTMの観測精度(水平方向で30m、垂直方向(土地の起伏)は16mの分解能:これは、大型のビルやスタジアムなどをはっきりと確認できる精密さです。)で作成した3次元地形図は、全陸域の約4%が作成されているに過ぎないと言われています。

 また、現在利用できる地球全体の3次元地形図は、地図の精度は水平方向で1,000m、垂直方向で100mの精度の粗いものとなっています。これらは、合成開口レーダーを搭載したシャトルや人工衛星、航空機から観測したデータ、さらには地球観測衛星に搭載した光学センサーで取得したデータ等を元にしています。

 今回のSRTMミッションでは、ペイロードベイ(貨物室)に設置した受信アンテナだけでなく、長さ60mのマストの先にも受信専用のアンテナを設置します。この2つの目(受信アンテナ)で見ることによって、わずか11日間の観測で立体地形図を作成するのに必要なデータを、これまで以上の観測精度で、広い範囲について取得することができます。このデータにインターフェロメトリ技術を適用することにより精密な3次元地形図を得ることができるのです。

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最終更新日:1999年 8月 27日

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