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向井宇宙飛行士 インタビュー

向井宇宙飛行士の飛行前インタビュー
プレス記者会見 1998年8月31日(月)米国東部標準時間

向井宇宙飛行士の飛行前インタビュー

打上げの数週間前、STS-95のペイロードスペシャリストの向井千秋さんに訓練の合間にお話を伺いました。


打上げ日当日、打上げ/帰還用
スーツに着替えた向井宇宙飛行士
Q1:心臓外科医という医学のバックグラウンドをお持ちの立場から宇宙飛行士になられたわけですが、宇宙飛行は常にあなたの目標だったのでしょうか、また、どのようにして宇宙に関心を持たれるようになったのでしょうか。
A1:
宇宙へ行くという夢を持ったのは私が32歳のときです。私が子供の頃は日本には宇宙計画はありませんでした。私の最初の夢は医者になることだったのです。32歳のときNASDAが宇宙実験を行うため、科学者としての宇宙飛行士を募集しました。それで宇宙計画こそ私の医学の特技を生かすすばらしい分野だと思って応募したところ、幸運にも選抜されたのです。

Q2: 今度宇宙で担当される実験の主なものについて説明していただけますか、どのようなことをされることになっているのか、そこから何を学び取りたいと思っておられるのかなど。
A2:
STS-95のペイロードスペシャリストとしての私の主な任務は材料科学と、生命科学、バイオテクノロジー的なもの、などの何種類かの実験を行うことです。生命科学はこのミッションで大きく注目されるところで、その実験のひとつは宇宙における睡眠の研究です。これはSTS-90のニューロラブで実施したのと全く同じ実験で、メラトニンの宇宙飛行士への効果を調査するものです。
 宇宙飛行士は本来シフト勤務をするので、宇宙でよく眠れないという事例が報告されています。そこで宇宙での睡眠の質が地上と異なるものなのかという点に関心が持たれるわけです。そしてもし異なるのであれば、睡眠薬としてのメラトニンは大いに役に立つことでしょう。そこのところを見きわめたいのです。もう一つ生命科学の大きな実験があります。これはタンパク質代謝実験で、人体のタンパク質の代謝と筋肉の衰えを調査するものです。
 宇宙飛行中それも特に初めの頃、微小重力やストレスのために、タンパク質の代謝や筋肉の衰えが加速されるだろうという仮説が立てられています。そこで、タンパク質の代謝が微小重力などの通常と異なる環境で、年齢によりどのように変化するのかを調査します。若い人と高齢者では現象が異なるかも知れません。

Q3:高齢者といえば、ジョン・グレン氏に参加してもらって実施する老化に着目した実験から、どのような成果を期待しているのですか。
A3:
宇宙で老化現象を探求することができるのは素晴らしいことです。と言いますのは、宇宙であるいは地球に戻ってから起こる多くの現象が、今日の高齢者を苦しめている現象によく似ているからです。睡眠障害はそのひとつですし、心臓血管の反応例えば高血圧、筋肉の衰えなどもそうです。
 宇宙飛行士を直接の研究対象とすることの利点は、病気と同等のこれらの症状や現象が可逆的つまり後戻りできるということです。これらの現象は宇宙飛行中と地球に戻ってからの短期間にしか出現しません。それで研究者達は病気の原因をより正確に理解することができるのです。宇宙飛行の生理学と老人病学の生理学との違いあるいは類似点が判れば、高齢者や宇宙飛行中の宇宙飛行士の体にこのような奇妙な状況が発生する原因をつかむことができるでしょう。

Q4:STS-65でできなかったことで今回はどのようなことをしてみたいですか。
A4:
そうですね。宇宙では色々なことが一度に実行できるということをお見せしたいですね。あるグループは科学目的の活動をしたいと考え、また別のグループは技術的活動を望むかも知れません。作業環境としての宇宙はこのような複数の目的を同時にこなすことができるということを見ていただきたいです。このSTS-95ミッションは宇宙ステーションへの踏み台になると思いますし、宇宙ステーションは宇宙における半恒久的あるいは恒久的な実験室になると思います。

Q5:STS-95のクルーは多国籍の要員から構成されていますし、ミッションは複数の科学分野から構成されているわけですが、今回のフライトと、将来の宇宙ステーションとの係わりについてどのようにお考えでしょうか。
A5:
このミッションは宇宙ステーションのミニチュア版としての、あるいはその活動状況のモデルケースになると思います。宇宙ステーションの建設やその利用について私も大変関心を持っています。

Q6:ジョングレンさんと飛行することが判ったときあなたはどうされましたか。
A6:
大変嬉しく思いましたし、感謝しています。なにしろ、グレンさんは有人宇宙計画の大変な先駆者ですからね。グレンさんや仲間の人達のパイオニアとしての活躍がなかったら、有人宇宙計画の今日はなかったと思いますよ。訓練中にグレン上院議員さんからは大変多くのことを学びました、宇宙計画の昔と今との違いなどですね。有人宇宙計画の歴史全体について学ぶことができましたし、グレンさんの新しいことをまなぶ姿勢にいつも感銘を受けています。グレンさんがSTS-95でなさることは多くの人々を勇気づけてくれるでしょう、宇宙計画に携わっている人々だけでなく、新しいことに挑戦しようとしている多くの人々も含めてですね。

Q7:上院議員がクルーの一員であるということで、このミッションはずっと世界の注目を浴びることになるでしょう。このことは向井さんや仲間のクルーにどのようなプレッシャーとなったでしょうか。例えば気が散って訓練がうまくいかないなどということがないようにするとか、難しいこともあったでしょうね。
A7:
私はペイロードスペシャリストとして宇宙でしなければならないことに十分集中して来ました。訓練は訓練です。グレン上院議員から有人宇宙計画について学ぶことができるのは大変有り難いことですし、またグレンさんの訓練に対する姿勢からも感化されています。全く問題はありません。

Q8:グレンさんは77歳ですが、訓練にとけ込んでこれまで全ての課題をこなしてこられたことについての感想は?
A8:
年齢そのものは問題ではありません。44歳でも77歳より老けて見えることだってあります。グレン上院議員は、全てうまくこなしてこられました。朝早くから深夜まで、他のクルーと同じ様に働きます。それを見て、自分が77歳になったときグレンさんのようでありたいと励みになるのです。年齢や性別あるいは国籍に係わらず、計画実行のために必要なことであれば、私たちはそれを実行するわけです。

Q9:飛行中のグレンさんについてなにか心配なことはありませんか?
A9:
別にありません。NASAはグレンさんの健康対策のために優秀な飛行医学クリニックを完備していまして、グレンさんは全ての医学検査をパスしています。健康状態は良好で何も心配することはありません。

Q10:このミッションでは全ての関心がグレンさんに集中してしまっていることについてどのようにお考えですか?
A10:
結構なことだと思います。それに、そうですね、グレンさんに対するこういったメディアの注目はこちらの仕事をやりやすくしてくれます。公衆に対して話す必要もありませんし、きっと一歩下がってにこにこして手を振っていれば十分でしょうから。ですから、この状況を楽しんでいるんです。

Q11:日本における有人宇宙飛行についてお尋ねします。将来運用が盛んに行われるようになる国際宇宙ステーション計画で、日本は対等なパートナーとなっていますが、どのようにしてここまで日本の宇宙計画は発展してきたのでしょうか。
A11:
現在5人の日本人宇宙飛行士がいて米国の宇宙計画に参加し、宇宙飛行をする機会が与えられていますので、多くの日本人特に子供達が、将来は宇宙計画に参加することができると思っています。こういう人達が将来の宇宙計画を支援してくれるのです。ですから、今回は将来の宇宙ステーション計画を拡大推進していくために良い機会だと思っています。

Q12:向井さんから見て今回のタイムライン(作業計画表)はどの程度込み合っているのでしょうか、飛行はどの程度複雑なのでしょうか。向井さんとペドロデュークさんは主としてスペースハブ内で作業されるわけですが、シャトルでの1日の活動がどのようなものになるのか、その一端をお話し下さい。
A12:
私たちは大変忙しくなると思います。ペドロと私だけではなく、みんなです。このミッションには色々なペイロードが積まれます。スパルタンの放出回収や、スペースハブなどです。スペースハブの実験については、たくさんの興味深い実験があり、楽しみにしています。材料科学、流体物理、魚の行動実験などです。ですから私たちの日常は大変忙しくなるでしょうが、私にとっては全てのことがら、特に実験は、宇宙で起こるのですし、クルーが現象を観察しなければなりませんので、これは素敵な体験になるでしょう。1回目の飛行のときもそうでしたので、スペースハブの中で働くのをとても楽しみにしています。

Q13:初めての飛行のときと今回とを比較してみてどうですか、違いがありますか。1回目のときは全てが目新しくて、初めての宇宙飛行の状況に慣れるのに精一杯だったのが、今回は研究者としてもっと良い仕事ができるといったようなことがありますか?
A13:
そうですね、宇宙でどのようなことが起こるのか判っていますので、きっともっと効率的に働けるでしょう。2回目の飛行では実験や作業をするために、時間的にも、環境に適応するということでも、あるいは準備をするという点でも、もっとよい条件で臨めるものと期待しています。

Q14:老人病学と今回のミッションで向井さんや仲間のクルーが実験する生物医学分野との違いについて教えて下さい。
A14:
生命科学の分野では、スペースハブには人間を対象として使用するたくさんの実験装置があります。主な実験は睡眠実験で、睡眠剤としてのメラトニンの効果を調べます。また、タンパク質代謝実験も行います。この2つが生命科学分野で大きく注目されるところです。またバイオテクノロジーの実験もありまして、骨の細胞を培養します。この実験は何故宇宙環境で骨がもろくなるのか、骨が吸収されるのを回避する方法があるのかを研究するのが目的です。
 タンパク質結晶成長実験は結晶を手に入れることを目的とし、酵素或いはガンマグロブリン実験は炎症に関する実験です。マイクロカプセル製造実験も大変興味深く、人類に大きな利益をもたらすものです。この実験は抗ガン剤を小さなカプセルに入れるというものですが、これを患者に投与すると、カプセルは腫瘍を選択して侵入し、そこでゆっくりと抗ガン剤を放出します。この他半導体や流体物理などに関する物質科学の研究も行います。今回使用するスペースハブはシングルモジュールで私の前回の飛行のときのスペースラブよりかなり小さなものですが、それでもかなり多くの作業をすることができますので、スペースハブで仕事をするのを大変楽しみにしています。

Q15:この飛行が向井さんの最後の飛行になるかも知れませんが、最初の飛行で時間がなくてできなかったことで、やりたいと思っていることがありますか。
A15:
私たちの故郷である地球をよく見たいです、これは素晴らしいです。地球は壮大で、そこに住む人々の一員であることを誇りに思いました。地球は大変壊れやすそうに見え、また大変美しいものです。ですからもう一度良く眺めたいと思います。楽しみにしているもう一つは、前回の飛行では16日間宇宙にいたのですっかり微小重力に慣れてしまい、地球に戻ったときその重力に大変驚きました。自分の体重を再び感じること、紙1枚でも重さがあること、これは地球が本当に特別なのだということに気付かせてくれます。全てのものが重力と呼ばれる現象に支配される。これは感動です。もう一度味わってみたいですね。

Q16:もし向井さんがジャーナリストか作家でコンピュータに向かってあなたのミッションの歴史的意義について書くとしたら、どのように表現されますか。
A16:
このミッションは宇宙ステーションへの踏み石のひとつであり、多国籍の組み合わせのクルーと幅広い分野のペイロード、そしてもちろんジョン・グレンという伝説的人物を交えたもので、素晴らしい物語になるでしょう。私はSTS-95のことを正にこのようなミッションだったと記憶していただきたいと願っています。


最終更新日:2003年5月26日


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