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STS-107 NASAステータスレポート #20

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ミッションコントロールセンター
2003年 2月 2日(日) 午後 8時30分(米国中部標準時間)
2003年 2月 3日(月) 午前11時30分(日本時間)

 

連邦及び地方局の助けを受けて、NASAは、スペースシャトル「コロンビア号」とその7人のクルーの喪失に関する調査を進めました。いくつもの調査隊が技術的なデータを詳細に調べ、テキサス上空における2月1日の着陸16分前のオービタの空中分解の原因を明らかにしようと努力しています。

スペースシャトル・プログラムマネージャのロン・ディットモアは、午後の会見で、事故対策チームは調査の早い段階でいくつもの技術チームから技術的なデータを集め、連邦危機管理局(Federal Emergency Management Agency:FEMA)、国立交通安全委員会(National Transportation Safety Board)、アメリカ連邦捜査局(FBI)及び地方の警察、その他から支援を受けていると語りました。

ディットモアは、コマンダーのリック・ハズバンド、パイロットのウィリアム・マッコール、ミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者:MS)のデイビッド・ブラウン、カルパナ・チャウラ、マイケル・アンダーソン、ローレル・クラークとイスラエル人のペイロードスペシャリスト(搭乗科学技術者:PS)のイラン・ラモーンはその死を悼まれており、コロンビア号の破片及び遺体の回収は、ルイジアナ州のバークスデール空軍基地において調整されていると語りました。

ディットモアは、コロンビア号の分裂後に破片が落ちた地域の住民に対して回収作業への協力への感謝を述べ、同時に破片は有毒物質で汚染されている恐れがあるのでさわらないように注意を促しました。

ディットモアは、コロンビア号の通信が途絶える前の最後の数分間を再構築しました。米国中部標準時間2月1日午前7時53分(日本時間2月1日午後10時53分)に、オービタの左主翼の車輪の格納庫付近の接合部と支柱の温度が5分間に華氏20から30度(摂氏約11度から16度)上昇している最中に起こったコロンビア号の機体左側のエレボンに関係した4つの温度センサの故障について繰り返して語りました。その時、コロンビア号はカリフォルニア州上空、高度220,000フィート(約67,000m)をマッハ21で飛行中でした。

1分後、カリフォルニア州東部及びネバダ州西部上空で、コロンビア号の左主翼上の中央胴体の温度は、異常な温度上昇を起こし、5分間に華氏60度(摂氏約33度)上昇しました。このような温度上昇はコロンビア号の右主翼側またはペイロードベイ(貨物室)の中では全く記録されませんでした。コロンビア号は212,000フィート(約65,000m)上空をマッハ20で飛行中でした。

午前7時58分(同午後10時58分)、ニューメキシコ州上空で、テレメトリはコロンビア号の左側に通常より大きな空気抵抗がかかっていること、及び左主翼の主脚タイヤの圧力上昇を示しました。ディットモアは、このデータからは、タイヤは無傷だったと想定できると語りました。この時コロンビア号は、高度209,000フィート(約64,000m)でした。

午前7時59分(同午後10時59分)、テキサス州の西部上空で、データは、コロンビア号が、機体の左側の抵抗が増大しつつあるのに反応して、右側に回転することで正しい姿勢に戻そうとしていたことを示していました。ディットモアは、オービタのこのような対応は、そういったマヌーバ(噴射)を制御する能力の範囲内であればうまくいったと語りました。

午前8時(同午後11時)数秒前に、コロンビア号とのすべての通信は途絶えました。コロンビア号は、高度207,000フィート(約63,000m)をマッハ18で飛行していました。

ディットモアは、コロンビア号の空中分解の解析に新たな情報を提供できるかもしれない、残り32秒のデータが地上のコンピュータにあるかもしれないことを示しました。

ディットモアは、技術的な専門家の行ったビデオ画像の確認結果によれば、打上げ約80秒後に、コロンビア号の外部燃料タンク(ET)の断熱材の一部が剥離し、左翼に衝突したことは、取るに足らないものであったと付け加えました。しかし、事故の原因の可能性としては、どんなものも除外することはでき無いとも語りました。

JSCの宇宙飛行士室長のロバート・カバナは、国中及び世界中から受けた膨大な支援に対して、宇宙飛行士の家族達からの感謝の意を伝えました。

カバナは、国際宇宙ステーション(ISS)上の第6次長期滞在クルー達は、コロンビア号のクルーの喪失に対して「悼んでいる」が、一方で有人宇宙飛行と科学実験を軌道上のISSで引き続き行うことへの強い意欲を持っていると述べました。カバナは、コマンダーのケネス・バウアーソックス、フライト・エンジニアのニコライ・ブダーリン、NASAのISSサイエンスオフィサーのドナルド・ペティットは、2月4日のロシアのプログレス補給船(10P)の到着に向けた準備を行っていると語りました。プログレス補給船(10P)は、今朝、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました。

2月4日にブッシュ大統領夫妻が、NASA長官のショーン・オキーフとともにJSC内の特別な追悼式においてコロンビア号の宇宙飛行士達に哀悼の意を表明する予定です。この追悼式は、コロンビア号の7人の宇宙飛行士を讃えるもので、東部標準時間午後1時(日本時間2月5日午前3時)に開始される予定で、NASAテレビで放映されます。この追悼式は一般には公開されません。

次回のSTS-107ミッションの事故関連報告は、東部標準時間2月3日午前11時30分(同2月4日午前1時30分)にワシントンのNASA本部において行われ、JSCでは、東部標準時間午後4時30分(日本時間2月5日午前6時30分)に行われます。ステータスレポートは、進展があり次第発行される予定です。

NASA TVは、AMC-2衛星、中継器9C、西経85度、垂直偏波3880MHz、音声6.8MHzで見ることができます。

 

出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/sts-107/sts-107-20.html

*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。

 

最終更新日:2003年 2月 5日

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