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STS-107 事故調査ステータスレポート #09

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NASAジョンソン宇宙センター(JSC)
2003年 2月25日(火) 午後 6時30分(米国中部標準時間)
2003年 2月26日(水) 午前 9時30分(日本時間)

 

コロンビア号事故調査委員会(Columbia Accident Investigation Board:CAIB)の委員長で退役海軍大将のハロルド・ゲーマンは、本日午後、スペースシャトル「コロンビア号」の事故調査は、調査範囲が広がるのと同様に解明も進んでいると語りました。「事故の真相を得ようとする私達の責任と決意は弱まっていない。」

ゲーマン委員長とCAIBの他の3人のメンバー(デュアン・ディール空軍准将、ケネス・ヘス空軍少将、スコット・ハバードNASA エイムズリサーチセンター長)は、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)において記者会見を行いました。

ゲーマン委員長は、ダラス南西部のテキサス州パウエル近郊で見つかったコロンビア号の耐熱タイルの一部の写真を見せました。タイルには下面の端に溝があり、外側を向いていた面にはオレンジ色の付着物がありました。ゲーマン委員長は、このタイルは非常に高温の熱による損傷を受けていると語りました。「これは再突入時の熱による損傷ではない。」と彼は語りました。どのようにタイルが損害を受けたか、またいつ、どのようにオレンジ色の物質が付着したのかはまだ不明である、と彼は加えました。

彼はまた、現在までにコロンビア号の破片が最も多く見つかっている米西部の、テキサス州ルボックの北西約40マイル(約64km)の場所で見つかった耐熱タイルの一部について語りました。彼は、このタイルは左翼の上面で機体との接合部に近い場所からのものであると思う、と語りました。

CAIBの材質、保守作業、マネージメント作業の調査を担当しているグループのひとりであるディールは、CAIBは、消去法を使って原因を探っていると語りました。「私たちの義務は、全てを事実に基づいて調査することだ」と彼は語りました。

CAIBのメンバーは、1月17日に軌道上のコロンビア号から離れ、3日後に南太平洋上空で大気圏へ再突入したことがレーダにより観測された物体について質問されました。CAIBのメンバーは、その物体は軽い材料で、約1フィート×1フィート(約30cm×30cm)の大きさのものであると述べました。コロンビア号の事故の後に始まったレーダデータの広範囲にわたる解析により、2月6日にこの物体が発見されました。この解析は、物体を特定するため引き続き行われています。

ヘスは、CAIBはSTS-107ミッションでの再突入と他のミッションでのコロンビア号の再突入とを比較する予定であると語りました。彼は、気が付かなかったコマンダーもいたが、何人かのコマンダーは翼の荒れについて報告している、と述べました。ゲーマン委員長は、CAIBは2月1日の再突入時の天候を注意深く調査していると語り、「普通は非常に穏やかで優しい環境である」と述べました。

ゲーマン委員長は質問への回答として、外部燃料タンクから落下した断熱フォームにより耐熱タイルが損傷を受けた可能性があるとするボーイング社の3つの解析報告について、"多くの視点から"CAIBは非常に注意深く調査している、と語りました。まだまとまってはいない、とも彼は語りました。「データとねじれた金属片は私たちに語りかけている。」とハバードは言いました。「私たちはその声を聞こうと耳を大きくしている。」

ゲーマン委員長は、破片は引き続き回収され、調査にとってとても重要であることに変わりはないと述べました。重量でみるとオービタの約10%が回収されたと彼は述べました。

2月25日のテキサス州の天候は、雨と寒さが破片の捜索地域に急に広がり、これにより捜索活動は妨げられました。ナカドチェスとヘムフィルに拠点を置くチームは、1日を通して捜索活動を行いました。コーシカナに拠点を置くチームは、2月25日は凍てつくような寒さのためにキャンプにとどまり、一方パレスティンからのチームは半日をかけて捜索活動を行いました。

日中は雲が低かったため、捜索を行う航空機は地上に足止めとなりました。トレド・ベンド貯水池では、米海軍のダイバーチームは、正午頃に捜索を開始しました。2月25日には38州からの4,000人以上の捜索隊と支援隊が捜索地域におり、ダラス南部からトレド・ベンドまでの10×240マイル(約16km×390km)の地域に焦点を絞って捜索しています。コロンビア号のものと確認された破片は、テキサス州リトルフィールドより西では見つかっていません。

多数のコロンビア号の耐熱タイルや、右翼の下面からのパネルと思われる物、コロンビア号の機体前部の下側の破片などが見つかったと過去2日間で報告されました。

3つの捜索調整現地事務所(ルイジアナ州のバークスデール空軍基地(BAFB)、テキサス州の統合予備基地(カーズウェル基地)、テキサス州ヘムフィル)を、テキサス州ラフキンにある中心施設に統一しようとする取組みは、今週中には完了します。

CAIBの活動についてのより詳しい情報は、CAIBの新しいウェブサイトwww.caib.usをご覧ください。

 

出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/nmrs/nmrs-09.html

*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。

 

最終更新日:2003年 2月26日

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