こんにちは。月曜日(7月7日)にお話ししたように、サンアントニオのサウスウェスト研究所で行った衝突試験に関する最新情報を示したパッケージには詳細な最新情報を加えた。話を進めながら、それらに触れるように努めるつもりだ。
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これは試験設備であり、我々はテキサス州サンアントニオ、サウスウェスト研究所の施設を使った。ご存じのように、過去数ヶ月にわたって、サウスウェストの人たちやNASAの様々な部門とともに設備セッティングの可能性を見い出してきた。この装置を使って断熱材ブロックを時速500マイルで発射し、我々はさらに約200個のセンサーを備えた機器をセットし、この最後のテストでは16個の高速度カメラを使った。
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これは断熱材を発射する前のテスト設備のスライドで、月曜の1:30頃である。翼の前縁部設備が見える。パネルNo.5、6、7はファイバーグラス製、TシールのついたパネルNo.8、9、10は、すべて実際のRCCパネルである。下部の右側の角、拡大図の中にターゲットポイントを見ることができる。
次のスライドでその重要性について話す。 |
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以前話したとおり、最初のテストがひとつの単独パネルだけではなく、全てのパネルがシステムとして反応していることを示唆した事実を考慮し、我々は全ての実際のRCCパネルとT-シールを使って実験の対象であったパネル8、9、10の実験を行った。また、砲身を30度傾けて11.5インチのブロックの先端が、パネル8の曲面に沿って衝突するようにセットした。
ターゲットポイントにおける衝突の角度は、22度である。19度は翼面から計測され、さらに加えて3度は回転運動のエネルギーとしてカウントされた。すなわち回転して前縁部に衝突したことになる。
前回のテストと分析を基に、ターゲットを今までより6インチ下部に設定し、局所的にエネルギーを集中させるようにした。強化カーボンパネル全体への衝突エネルギーは、以前のテストの時よりも実際には同じかそれより小さい値であった。これはどうやってエネルギーに集中させるかという問題である。
私たちは毎秒775フィートをターゲットにしていたが、実際には毎秒777フィートを観測した。1.68ポンドのブロックだったが、1.67ポンドを目標としていた。大きさ(dimension)は、それぞれの辺でちょうど同じか少し違っていた。それらは製造の段階での密度に左右されていた。
高速カメラの映像をお見せする前に、次のチャートに行きたいと思う。 |
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質問は絶えずあがってくる。多くの一般人やメディア、専門家やアマチュアのエンジニアからの質問は、例えば、どうして断熱材は500mphの速さで進むのに60フィートしか落ちないのか、といったものだ。
私がすべきことはふたつあり、ひとつは今ここで手早く答えること。もうひとつはウェブサイトでもっと詳しく解答し、エンジニアの方々の興味を満足させるよう物理的に説明する、ということだ。
まず優先されることは、測定を注意深く行うことである。カメラのセットを使い、カメラは特定のフレーム数によって動いているので、ある物体がここからここまで(ジェスチャー)毎秒30フレームで動いたとすれば、簡単に速さが求められるわけだ。
回答は、断熱材は、紙片のように小さい弾道係数でひらひらと落下し、シャトルの翼がそれに比較して500mphのスピードで当たりにいっているということである。
それでは、次の説明に移ろう。 |
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(デブリがパネルを直撃する模様をシミュレートしたもの)
これは高速カメラ3が捉えた映像である。
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多くの破片が見える。大きな破片がパネルにあたった後、そのまま外に向かっている。断熱材の激突に伴い、小さな破片がスプレー状に生じている。これは、実際に起こったと考えられる事態に限りなく近いシミュレーションである。
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いくつか、新しい情報をご紹介する。穴の大きさについてである。
一番大きな部分で16~17インチであるが、端の部分は8~10インチ前後となっている。実際に破片が直撃する速度やその他の要素を計算し、これに基づく実験の結果、この大きさの穴が、実際に事故を起こしたシャトルのパネルにもあいた、と考えることができる。断熱材の衝突と亀裂が、とても明確に繋がったというのが、我々の見解である。
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次は初めてお見せする映像(ムービー)で、毎秒7,000フレームの最も高速のビデオだ。左下を見ると、RCCパネルが圧迫され折れていく様子が分かる。とても壊れやすいので、1インチでも曲げると、左側に裂け目ができていくのが分かるだろうか。この実験から、断熱材ブロック衝突がかなりの衝撃であることが分かる。
もう一つ面白いのは、断熱材が接触の瞬間に破砕しないことだ。断熱材はパネルに力を加えていき、T-シール端にあるギザギザの孔に接触した時に破砕しはじめる。RCCパネルの破片は前縁部の内部に押し込まれる。ご覧のように、かなり広範囲にわたって力が加わる。 |
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次は以前に見せた映像(ムービー)だ。同じ事象を内部から見ている。まず大きな破片が飛んできて、その後に残りのデブリが飛んでくる。大きな破片の左下の湾曲に注目を(あとで静止画をお見せする)。
これは、2日目に目撃された浮遊物体の可能性が高い。レーダー断面積(RCS)のデータとよく合致する。もちろん、実際のコロンビア号と違って内部に機器がたくさん入っている。白い小さな点(カメラ)などだ。
パネル内部にはいくつもの大きな破片が残った。スライドの左側の写真は、衝撃によって生じたRCCパネルの破壊が、パネル・リブ(panel
rib)の縁(lip)にも及んでいることを示したものである。
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(模型を使って説明)
実際に、RCCパネルの下の部分が損傷したのではないか。つまり、T-シールの「ロックサイド(向かって左側)」に近い縁の部分と、それにつながる破片部分が、前縁部内側に残ったのが最も疑わしいのではないだろうか。実際、いくつかの(レーダーによる)特徴を挙げてみる。いろいろと他の可能性についても調べてみた結果、90平方インチ以上の大きさで1/3インチの厚さである等、最も疑わしいのは、スライドに示すふたつの破片であると考えることが出来る。
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手に入れたばかりの情報をお伝えしよう。
この部分を取り除いたとき、技術者やエンジニアは、T-シールのラグ(Lug)が壊れていることに気づいた。いくつかの理由で興味深い。
ここにT-シールがある。こちら側がいわゆる「ロック面lock side」、こちら側が「スリップ面slip side」。この「ラグ」はかなり厚みがあり、多くの層があり、パネル表面にあるものの2倍の層でできている。ご覧のように、これが壊れた。このことは、KSCに運ばれてきたいくつかのデブリを説明できるように思える。
飛行中、パネルNo.8とNo.9の間の壊れたT-シールが上下にはためいたと思われる。リブの中への高温ガスの流入が長時間にわたる流入ではなく、断続的な流入を必要としたと思われるナイフの刃状の変形が、どのようにして起きたのかが問題になっていた。
今、我々は理にかなった説明ができる。ラグが壊れ、それがT-シールを緩くし、リブが上下にはためき、T-シールが大気圏を通過するときに熱を持ったプラズマがぶつかり、底面に隙間が断続的に露出したのである。他に我々が知り得たことと併せて、このテストによって我々は、点をさらにつなぎ合わせて、証拠と証拠との間に線を描くことができる。 |
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次にご紹介するのは、3インチ、4インチから11インチにわたるひび割れのサンプルである。重要なのは、これらは、実際に現場でひび割れたものだということだ。よって、「再突入の際、裂け目が小さいと、さらにひび割れが起こる」という現象を「まゆつば」ものとしてしまう人はいないだろう。つまり、動圧や温度が上昇した後も、これらの破片はとにかく持ちこたえ、そのうち、耐えきれなくなり、ばらばらに散っていったと考えられる。
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次に、センサーの計測についてご説明する。(スライドを見ながら)ここに紹介するのは、ここ3~4日間かけて行った分析の結果である。
パネルAについて、白い点の隣にある数字は、1,000psi(KSI)の応力の大きさを示したものである。ご覧のとおり、パネルの内側下部は少な目に、割れ目近くは26,000KSI以上にもなっている。予測では、最高30,000KSIであったと考えられる。
割れ目近くでは、このパネルのもともとの素材(マテリアル)の設計限界の力を50%以上上回ることが分かった。そのような状況は、穴を形成するのに十分すぎるほどである。そして、これも検証の結果分かったことだが、この衝撃は、たとえRCCが新品であったとしても、同じように穴を作るだろう。
全般的に、機体の老朽化が問題となってはいるが、この特殊なケースだけに関しては、材質の古い、新しいに関係なく損傷が起こることが分かっている。
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最後のチャートはサマリーになる。断熱材衝突が前縁亀裂を誘発する事象であったという明白かつ説得力のある証拠がある。サイズも合うし、断熱材が2日目の目撃浮遊物だった可能性も高い。私たちの実験した多数の割れ目は材料が残っている状態だったが、これは再突入時のデブリ剥離の元かもしれない。また、T-シールが跳ねていたのも、その下部の熱流入の状況を物語っている。
CAIBは実験作業を終え、これに関するレポートを作成する。現在私がお伝えしているサマリー・コメントは、レポートの1巻になる。将来エンジニアの参考になるように、付録もたくさんつける。NASAは、このデータを完全に理解した上で新たな実験計画を作成しようと、JSC(ジョンソン宇宙センター)スタッフと話し合っている。新たな実験は、オービタに損傷を生じる敷居条件(断熱材の大きさ、速さ、衝突角度)を査定するためのものだ。 |