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STS-107 NASAステータスレポート #07 | |||
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ミッションコントロールセンター
スペースシャトル「コロンビア号」の7人の宇宙飛行士たちは、本日は無重量環境下での燃焼と細胞培養、そしてオゾン層の観測を主たるテーマとする科学実験を引き続きおこないました。 青チームは米国中部標準時間1月21日午後3時39分(日本時間1月22日午前6時39分)に、ミッションコントロールセンターからパイロットのウィリアム・マッコールに贈られたPaul Stookeyの「The Wedding Song」で起床しました。マッコールと青チームの宇宙飛行士たち(デイビッド・ブラウン、マイケル・アンダーソン)は引継ぎ完了後の午後5時24分(同1月22日午前8時24分)に作業を開始します。赤チーム(コマンダーのリック・ハズバンド、カルパナ・チャウラ、ローレル・クラーク、イラン・ラモーン)は午後7時39分(同1月22日午前10時39分)に就寝する予定です。 イスラエル宇宙庁のペイロードスペシャリスト(搭乗科学技術者:PS)のイラン・ラモーンは雷の観測の合間をぬって、イスラエルのエルサレムとつないでアリエル・シャロン首相および要人たちと対話しました。ラモーンはイスラエルによる地中海上空の砂塵観測実験(Mediterranean Israeli Dust Experiment:MEIDEX)用のカメラを使用して、大気圏の超高層部に発生する「スプライト」や「エルブス」と呼ばれる発光現象の撮影に成功しました。この実験は中東における砂嵐の観測が主たる目的ですが、この地域はこれまでのところ雲で妨げられて観測が遅れています。 すす(煤煙)の性質を研究する、宇宙での燃焼実験も引き続きおこなわれています。ラモーンは層流火炎によるすす生成実験(Laminar Soot Processes:LSP)を、無重量環境下でいろいろな燃料を燃焼させて実施し、すすの生成の様子を調べました。無重量環境下では、重力により引き起こされる対流の影響を受けることなく燃焼の過程を研究することができます。 本日は、バイオテクノロジー実証システム(Bioreactor Demonstration System:BDS)を使用して、前立腺ガン細胞の培養実験も引き続きおこなわれています。この装置は過去何回かのフライトでも使用され、地上よりも高精度で培養実験をおこなうことができるものです。宇宙で培養された細胞を利用しての研究は、骨やその他の体の組織に転移していく、死に至る前立腺ガンの秘密を解き明かす一助となるかも知れません。医師でもあるミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者:MS)のローレル・クラークは、本日はこの培養装置で作業し、稼動状況を点検したり培養した組織の写真撮影をしたりしました。 その他の実験として、コマンダーのリック・ハズバンドはコロンビア号の姿勢を制御して、貨物室に搭載した、大気圏上層部のオゾンを観測する装置や太陽定数を観測する装置の方向を調節しました。スペースシャトルによるオゾン観測実験-2(Shuttle Ozone Limb Sounding Experiment-2:SOLSE-2)は大気圏で散乱される太陽光によりオゾンを観測します。また太陽定数実験装置(Solar Constant Experiment:SOLCON)は大気圏上空の太陽放射照度を観測します。 青チームはMEIDEXカメラでスプライトを観測し、LSP実験装置ですすの研究をし、軌道上での骨粗しょう症実験装置(OSTEO)により微小重力環境下での骨細胞の活動に関する実験を引き続きおこないます。青チームはこの日の後半は、長期間のミッションでリフレッシュするため休みとなります。 スペースハブ研究用ダブルモジュール(宇宙実験室:RDM)の冷却と除湿の調整は、コロンビア号とRDMの装置を多少調節することでおこなわれています。ここ数日間問題が発生していたため、RDMの除湿器は停止されたままとなっています。この冷却システムの不具合は、実施中の実験活動に影響を及ぼすものではありません。フライトコントローラは引き続き不具合を起こしている除湿器を再稼動させる手立てを調査しています。
出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/sts-107/sts-107-07.html *併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。
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最終更新日:2003年 1月22日 | |||
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