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STS-107 NASAステータスレポート #06 |
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ミッションコントロールセンター
スペースシャトル「コロンビア号」のクルーは、飛行5日目となる科学研究ミッションで、粒状物質の無重量環境下での振舞いから菌類に対する重力の影響に至るまでの科学実験を行い、また、雷に伴って起こるスプライトと呼ばれる発光現象を画像として捉えました。 赤チーム(コマンダーのリック・ハズバンド、ミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者:MS)のカルパナ・チャウラ、ローレル・クラーク、イスラエル人でペイロードスペシャリスト(搭乗科学技術者:PS)のイラン・ラモーン)は、コロンビア号のペイロードベイ(貨物室)に搭載されているスペースハブ研究用ダブルモジュール(宇宙実験室:RDM)において、粒状物質のメカニズム研究(Mechanics of Granular Materials:MGM)実験のデータをさらに取得しました。MGMは、飽和状態の砂が微小重力環境下で圧力をかけて閉じこめられた状態で、どのように振る舞うのか実験します。この実験では、技術者達にとって、ビルの耐震性強化に対する有効なデータが得られました。 赤チームは、軌道上における昼間のシフト勤務で作業しており、一方青チーム(パイロットのウィリアム・マッコール、MSのデイビッド・ブラウン、ペイロードコマンダーのマイケル・アンダーソン)は、夜中のシフト勤務で作業しています。12時間交代の2チームに分けたのは、科学研究を24時間体制で確実に行うためです。 クラークは、RDM内の多数の実験装置のうちのひとつ、細菌生理学飛行実験(Microbial Physiology Flight Experiment:MPFE)の装置をモニタしました。彼女は、長時間、重力が無視できる環境下で、菌類がどのように反応するのか研究しました。 アンダーソンとラモーンにより、RDMの燃焼実験モジュールの実験のひとつである、層流火炎による煤生成実験(Laminar Soot Processes:LSP)のデータがさらに取得されました。LSPは、炎の中でのすすの形成、酸化、放射特性についてより理解を深めることを目的として設計されています。この大型の炉で行われる、宇宙における炎の特性を研究する他のふたつの実験も飛行中に行われる予定です。 無重量環境に対する人体の反応について研究する一連の生物医学実験も行われました。特に、重力のない状態でのたんぱく質の生成、また骨やカルシウムの生成、化学物質と関係した腎臓結石の形成、ウイルスに曝された状態で唾液や尿が宇宙でどのように変化するのか詳細に実験されました。クルーはまた、定期的な採血も行いました。これは、彼らの体が微小重力環境にどのように適応しているか研究するためです。 ペイロードベイに搭載されたイスラエルによる地中海上空の砂塵観測実験(Mediterranean Israeli Dust Experiment:MEIDEX)装置のカメラによる雷観測が引き続き行われました。この観測は、雷雲上部から地球の上層大気への放電に伴うスプライトと呼ばれる発光現象を画像として捉えることを目的としています。また、スペースシャトルによるオゾン観測実験(Shuttle Ozone Limb Sounding Experiment:SOLSE)も引き続き行われています。SOLSEは、予定された軌道周回中に、ペイロードベイに搭載された特別な2次元分光計を用いて地球のリム(へり)を観測し、地球大気中のオゾン量について調べる実験です。 マッコール、ブラウン、アンダーソンの青チームは、米国中部標準時間1月20日午後4時(日本時間1月21日午前7時)過ぎに起きて、コロンビア号に搭載されている80以上の実験を引き続き行う計画を立てました。赤チームは午後8時(同1月21日午前11時)過ぎに8時間の睡眠に就く予定です。 本日午後、フライトコントローラは、ペイロードベイに搭載されたRDM内の冷却システムを運用することで生じる凝縮水を回収・分配するふたつのシステムのうちの片方で、小さな電流値の上昇を確認しました。 もう一方の同一のシステムは、昨晩RDMの床下で水漏れを生じており、シャットダウンされました。その後動作していたもう一方のシステムは、電流値の上昇が確認された午後1時15分(同1月21日午前4時15分)頃まで問題なく機能していました。コロンビア号のバルブを再設定する計画が実施され、コロンビア号からRDMへ冷却用の空気を送るようにした結果、モジュール内の温度をRDMの冷却システムを使用する必要のないレベルに保つことができるようになりました。これにより、凝縮水の生成を抑えることができるようになりました。その後、科学実験装置への冷却空気の量を増加させるため、コロンビア号からRDMへの送風管が設置されました。 フライトコントローラは、科学実験へ影響が及ばないような形でこの冷却システムの問題の分析を夜通し行う予定です。 国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗している第6次長期滞在クルー(コマンダーのケネス・バウアーソックス、フライトエンジニアのニコライ・ブダーリン、NASAのISSサイエンスオフィサーのドナルド・ペティット)は、本日、軌道上に滞在して3ヶ月目を迎え、科学実験や運動、ISSの保守作業を終えました。 ISSのクルー3人は、心臓血管系の試験を行いました。また、第6次長期滞在クルーで予定されていた実験を終えた、「デスティニー」(米国実験棟)のゼオライト結晶成長炉(Zeolite Crystal Growth:ZCG)から実験試料を取り出しました。「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)にあるロシアの二酸化炭素除去装置(Vozdukh)は、先週シャットダウンされましたが、週末のバルブの交換後、現在は正常に動作しています。Vozdukhの代わりに運転していた米国モジュールの二酸化炭素除去装置は、Vozdukhが正常に動作したため停止されました。 他のISSのシステムは正常に動作しており、ISSと同様に、90分で地球周回を1周しているコロンビア号のシステムも全て正常に機能しています。 次回のSTS-107ステータスレポートは1月21日午後(同1月22日午前)、あるいは何かイベントが起きた時点で発行する予定です。
出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/sts-107/sts-107-06.html *併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。
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最終更新日:2003年 1月21日 | |||
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