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ミッションステータス
(実験についての研究者からのコメント)
シャトル/ミールミッション宇宙放射線環境計測計画 スペースハブ利用蛋白質結晶実験




スペースハブ利用蛋白質結晶実験

研究者研究テーマ名コメント
相原 茂夫
蛋白質結晶化に及ぼす微小重力の影響と利用に関する研究 タンパク質結晶化に及ぼす微小重力の影響と利用に関する研究

 本実験ではタンパク質結晶成長メカニズムに関わる微小重力の影響を結晶内の分子間相互作用に基づいて解析するため、ニワトリ卵白リゾチームの空間群の異なる単斜晶、斜方晶、正方晶の3種類について結晶化実験を行った。また、ヒト尿から採取、精製したトリプシンインヒビターは医薬品開発研究の一助とすると共に、宇宙の微小重力場の実験成果を通じて糖タンパク質の結晶化法に一つの指針を与えることを目的としている。

 宇宙実験実施にあたって、日本からのサンプル輸送、結晶化装置へのローディングなど全て順調に終えた。スペースシャトル帰還後、直ちに現地(アラバマ大学)で結晶評価とX線回折実験を実施する。

 今は、宇宙で良質の結晶が成長してくれることを願っている。スペースシャトルの夜間発射は壮大で感動的なスペクタクルだった。

裏出 良博
プロスタグランジンD合成酵素の結晶構造解析  今回の宇宙実験に採用されたプロスタグランジンD合成酵素は、一年余り前、我々が世界で初めて結晶化に成功した記念すべき酵素です。この半年間、スペースシャトルでの結晶化にむけて「一週間以内」の時間制限をクリアーするための試行錯誤を繰り返し万全を期したつもりですが、いざ、宇宙実験用のシリンジにサンプルが充填され、装置が組み立てられていく現場に立つと「この沈殿剤組成で、本当に無重量条件下での結晶化がおこるのかな?」という不安が心をよぎります。しかし、スペースシャトル打ち上げの際の衝撃波を体に感じながら、あの巨大な物体が炎の糸をひき天空に舞い上がっていく光景を目にすると、そんな不安はどこへやら。その迫力に酔い「わからんことは悩んでも無駄や。とにかくチャレンジや」と気分が高揚してくるのは、実に快感です。「これやから学問はやめられん」というのが偽らざる私たちの今の気持ちです。
梶山 直樹
ゲンジボタルルシフェラーゼの結晶化  ホタルルシフェラーゼは、アデノシン3リン酸(ATP)と共存すると発光する性質を持つため、ATPの定量や微生物の有無の確認等に多用される有用な酵素です。私たちは微小重力環境下で本酵素の結晶を作成し、高分解能での構造解析に供したいと考え、今回のスペースシャトル実験に臨みました。

 1966年、アメリカが打ち上げた月ロケットに、ホタルルシフェラーゼが積み込まれたという報告があります。月に生物が存在するかどうかを確かめるためです。30年の歳月を経た今日、目的は異なりますが、再びルシフェラーゼは宇宙へ飛び立ちました。本実験により、良質の結晶が得られ、ルシフェラーゼの詳細な構造が解析できることを期待しております。

高妻 孝光
プラストシアニンの電子移動反応機構に関する分子科学的研究 STS−84

 プラストシアニンは光合成で電子を伝達する役割になう、非常に美しいブルー色をしたタンパク質です。今回のSTS−84の結晶化実験では、大きくて透明度の高い結晶を得ようとしています。大きくて透明度の高い結晶を使うとタンパク質分子の構造やその性質について詳しく調べることができるようになります。分子のレベルで調べられた構造を基にプラストシアニンがどのようにして光合成系で電子の受け渡しをするのかなどの仕組みを知ろうとしています。

 スペースハブ社の巨大なモジュール運搬用トラックの横で、サンプルを凍結保存してあるコンテナーに液体窒素を補充。液体窒素がノズルから勢いよくジュワー瓶に注がれはじめると、スペースハブ社の以前に使われていたシングルモジュールが氷の粒の中に横たわっているのが見え隠れしている。いよいよ、スペースシャトルでの実験が始まる。サンプルのシャトルへの搭載打ち合わせを行い。午前4時30分に凍結サンプルを解凍し始めた。プラスチックのチューブの中に深藍色のプラストシアニンが徐々に解け始める。プラストシアニンがCVDA装置にローディングされると、直径1mmのシリンジの中が青く色づいてきた。36時間前のレートアクセス。もうすぐ、このプラストシアニンは宇宙へ飛び立っていく。どのような結晶ができるだろうか。そんな思いを巡らしながら、今、発射55分前。遠くの方にサーチライトに照らし出されて発射台が暗闇に浮かんでいる。雑踏の中、20分前のホールディングから再びカウントダウン、蛍火のように浮かび上がるディジタル時計の数字が9で止まった。

 9分前・ホールディングそしてファイナルカウントダウン!!

 集まった人々の視線がスペースシャトルに注がれる。それぞれの気持ちが凝集されながらカウントダウンは淡々と進むのとは対照的に胸は高鳴る鼓動を告げる。太陽の光が地平線とランデブする前のひととき、まばゆい閃光がきらめきながらゆっくりと漆黒の闇を切り裂いて上昇していく。眼下の水面にはSRBの炎がダイヤモンドのように煌めいている。日本では個人で準備をしてきた、しかし、ここでは個人の出来事がチームの出来事になろうとしている。スペースシャトルの轟音が耳の奥にこだまし、不思議な充実感を感じている。あとは結晶ができるのを待つのみ・・・。そして、ミールの修理も無事終わってほしい。

田中 勲
微小重力下で作製した結晶を使った多波長異常分散法 セレンの輝きを期待して

 「蛋白質の結晶を宇宙で成長させると、重力の影響がないので、より良質の結晶ができる。」

 良質の結晶ができれば、蛋白質分子の構造をそれだけ詳細に調べることができるようになります。

 宇宙での結晶化の試みの多くは、これを期待して行なわれています。今回の私達の実験も、その一つですが、ちょっとだけ他と違うところがあります。私達の蛋白質には、遺伝子工学を使って、セレン(Se)が組み込まれています。もし、すべてがうまくいけば、Seを組み込んだ宇宙育ちの結晶にX線をあてたとき、そのSeが輝くはずです。そして、それは構造解析にとって大変よいマーカーとして働いてくれることになります。

 Seを持った宇宙育ちのはじめての蛋白質は、果たしてどんな輝きをみせてくれるでしょうか?

田之倉 優
プロテアーゼとプロテアーゼインヒビターの微小重力条件下の結晶化とX線構造解析 蛋白質結晶化実験の前半を終えて

 私たちは、2種類の蛋白質、クロコウジカビ酸性プロテアーゼA (PA)とオリザシスタチン(OC)について、地上で作成したものより良質な結晶を微小重力環境で得て、高分解能の構造解析を行うことを目指して実験を進めています。PAは、既に1.4 A分解能の立体構造が得られていますが、さらに分解能を向上(1.1 A以上)させることにより詳細な反応機構の解析を行えると期待しています。一方OCは、これまで3.0Aまでの反射しか得られていませんが、阻害機構を詳しく解析するために2 A以上のデータを与える結晶を微小重力下で得たいと考えています。微小重力環境での蛋白質結晶化実験の前半、スペースシャトルでの結晶化の開始までは、NASDAを中心とする実験支援チームの献身的努力によりきわめて順調に運びました。スペースシャトルの帰還後のデータ収集と構造解析もこのまま順調に進むと期待しています。

新村 信雄
ニワトリ卵白リゾチームの微小重力下での結晶溶解速度 微小重力実験事始め

 丁度、一年前の今頃だったと思います。宇宙環境利用フロンティア共同研究の中のタンパク質準備研究をコア化しようとしていた頃、降ってわいたように、STS−84でタンパク質結晶化の実験の話が出てきました。しかし、微小重力下でのタンパク質実験の意義を初心に帰り検討していた丁度矢先でありましたし、今回の実験は蒸気拡散ハンギングドロップ法による結晶化でもあったし、私は今回の実験は、タンパク質結晶成長メカニズムを解明することを目的にするには適当な手法ではないと思われたので見合わせようかと考えておりました。とは言えフライト機会はそれ程あるとは思えないので、何とかこの装置で微小重力下でのタンパク質結晶成長メカニズム研究に貢献できる工夫はないものかと思案に思案を重ねたのが今回のテーマです。

 微小重力下では 結晶成長速度が地上実験に較べて遅くなります。そのため、宇宙実験では地上実験での成長速度にある時間を上乗せした時間がかかると想定して実験計画が立てられていますが、一体どのくらい遅くなるのでしょうか。

 微小重力下と地上とで結晶成長速度に差が出る第一原因は微小重力下では対流がないので、結晶への分子の補給は拡散を通してのみであります。

 微小重力下での結晶成長速度を定量的に測定するのは困難ですが、微小重力下と地上とで結晶溶解速度の差ならば定量的な実験ができます。

 未飽和液に結晶を一個入れ、ある一定の時間経過後の溶液濃度を測定すれば良いのです。簡単な拡散律則での溶解速度計算をしてみた所、今回用いる装置で溶解による濃度変化は充分検出可能であることが判明しました。

 さて、いかにこれを実現させるかであります。種々の検討の結果、シリンジの一方の下部内側で溶液に接触しない位置に結晶を一個表面張力で付けて置き、微小重力下でシリンジピストンを押し下げることで、溶液中に結晶を入れることにしました。地上帰還前にシリンジピストンを引き上げることで溶解により濃度の増した液をシリンジに戻します。

 以上が実験のシナリオです。

 ここまででお解りと思いますが、現象のプロセスが他のテーマと逆です。これは勿論実験手順による実験条件にも影響します。

 打ち上げ前に必要なのが結晶で、帰還後得られるのは溶液です。微小重力下での結晶化起動のため、2種類の水溶液が充分混ざり合うよに3回シリンジを上下することをクルーにお願いすることに変更しましたが、我々の実験では、どちらかと言うと好ましくない変更なのです。 むしろ地上帰還直前の実験終結の時に、上下3回をやって欲しい位です。シャトル帰還が1日延びるとなれば、結晶化実験にとっては好ましいのですが、我々にとっては困りものです。 私自身はそれ程ヘソ曲がりではないのですが、何ともヘソ曲がりなテーマを選んでしまったことであります。

  スペース・ハブ社でのサンプルローディングで困ったことが起きました。宇宙実験に用いるシリンジが地上で練習を積むのに使ったものと、肝腎なシリンジ底の構造が違うではありませんか。宇宙実験用シリンジの底の穴径が半分以下なのです。これでは、我々の用意した結晶は入りません。頭を抱えてしまいました。

 ここで、大きな力を発揮してくれたのがNASDAの藤本、吉崎、泉各氏でありました。彼等はムーア氏及びNASAとかけあって(私には想像もできない位のやりとりがあったと思います。)地上で練習したものと同じタイプのシリンジが使えるようになりました。

 さて難関はこれだけではありません。結晶セットはムーア氏のチームがやることになっていました。我々は結晶セットするための専用の治具を作り、何度も練習し、結晶セットの腕を磨いておきましたが、ムーア氏のチームが本当にうまくやってくれるのだろうか。ところが、何と我々の試料ローディングの直前にムーア氏が結晶セットは私に任せると言ってきたのです。将に願ったりでありました。

 こうして無事試料ローディングも完了し、打ち上げを待つことになりました。

 打ち上げに立ち会えた感動は、将に筆舌尽くし難しであります。今思うとただ感動に浸って眺めていただけで、我々の試料が宇宙に上がって行くなどということは、脳裏をかすめさえしませんでした。今になり、我々の試料はどうなっているのかなと思うことしきりです。

 最後になりましたが、NASDAの関係者始め多くの方々のお世話で無事ここまでたどりつけましたことを深く感謝いたします。多くの方のご苦労に応えるためにも、実験が成功することをひたすら願うのみです。

藤田 省三
リボヌクレアーゼSの結晶多形における微小重力環境の影響の解析 いよいよ待望の日が来た

 5月15日の早朝 4時 7分、サンプルを抱いたアトランティスが轟音と共に暗闇を裂いて上り星のように輝くまでのわずか 4分間を、私は食い入るように見つめていました。

 いよいよ待望の実験の始まりです。

 今回の実験では異なる形の結晶を作り分けるため、種にする結晶3種類を使います。そのため、特製の保温コンテナの中に結晶が浮かぶ液滴をガラス板の下にぶら下げた容器を宙づりにして、温度を19.2〜20.3℃にコントロールして温度に敏感な結晶をフロリダに持ち込んだのです。日本へ帰る飛行機の中でこれを書いている今現在は、実験が開始されて39時間。期待した通りなら、核が効果を現してそろそろ結晶が現れはじめるころです。さて、結果は如何に。

三木 邦夫
生物学上重要な蛋白質の結晶分解能・結晶性向上のための微小重力利用  シャトルの打ち上げも無事成功し、いよいよ実験が本格的にスタートしました。

 我々の対象としているタンパク質は、シャペロンタンパク質など生物学上極めて重要な意味を持つタンパク質です。微小重力下での結晶化によって、地上ではできなかった良質の結晶が得ることができれば、その結晶構造の決定によって生命現象の新たな仕組みが解き明かされ、宇宙空間の利用が生命科学の謎の解明に大きな貢献をすることになります。

 本研究の実現を支援して下さったNASDAの皆さま、ほんとうにご苦労さまでした。今回の実験が成功して、今後もわれわれの宇宙実験の機会が増えることを期待しています。

森山 英明
蛋白質の物性と生物の進化の関連を研究するための基礎的結晶化実験 1.先生の実験について簡単に教えてください。

 私達の研究室では、巨大なタンパク質や有用な酵素を、X線回折の手法を用いて1億倍に拡大して構造の解析を行なっています。

 X線回折のためには質のよい結晶が必要ですが、地上で質のよいものが得られない場合もあり、今回はスペースシャトルで得られる微小重力環境で、質のよい結晶を作製できることを期待しています。
2.用いるサンプルについて教えてください。

 2種類のサンプルを用います。

 1つは、牛の副腎から抽出したアドレノドキシン酸化還元酵素で、人や動物が外来の有害な物質を分解するための酵素です。地上では回折強度を十分に与えない結晶しか得られていません。

 もう1つは、伊豆の温泉(90°C程度)から採取された古細菌から分離したイソプロピルリンゴ酸脱水素酵素です。こちらは地上で結晶は得られていますが、揺らぎが大きいため分解能が低く、よりよい結晶を得たいと考えています。
3.去年の7月にテーマ選定されてから行ってきた作業について教えてください。

 アラバマ大学の開発した蒸気拡散型タンパク質結晶実験装置の地上モデルを借りて、今までの結晶化条件を最適化してきました。

 この作業には卒業研究の学生や、企業の方にも行なってもらいました。

 また、1カ月前にはフライト用のタンパク質試料の準備を始めました。
4.打ち上げを15日に控えての今のお気持ちを。

 やはり結晶が出来るかどうかかが心配です。実験条件等は決定してしまいましたので、人事を尽くして天命を待つといった心境です。打ち上げや装置の稼働などが順調にいくことを願っています。
5.今回のミッションに参加された感想をお聞かせください。

 スペースハブの施設等を見学させてもらいましたが、非常に大掛かりなシステムであるということに驚きました。わたしもSPring-8などの巨大科学に関与していますが、宇宙実験に関わっている方々は活気があるというか、エネルギーを感じました。将来的には日本でもこのような宇宙実験手段をもてるといいと思います。
<1997.5.12>


打ち上げにあたっての所感

 閉塞した前線に南北を挟まれたスペースコーストは、雲が追い出されて晴れていた。風は、それほど感じられなかった。月が沈み、夜が明ける2時間と20分程前に、静寂を破って山吹色の炎と遅れた爆音を轟かせて、アトランティスが地球周回軌道へ放り出された。正確に計量された320μg(100万分の1グラム)の私のサンプルと、残りの2,000トン余りが、重力を振り切るために強引に加速された。生体の恒常性のために我が儘に挙動するマシンとしての蛋白質が、物理と化学の法則を拒否しているように見えるための根拠のひとつを失うときが来た。乾燥した世界の産物が感動を呼んだ。



Last Updated : 1997.12.11


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