実験内容
地上で滅菌したシロイヌナズナの種を使って、3つの異なる実験を行います。
最初の実験では、種子に水を与えて4日間冷蔵保存し、発芽の準備をさせた後に、細胞培養装置(CBEF)内で3日間生育させます。それを蛍光顕微鏡を使って観察します(図1)。2番目も生育させるまでは同じですが、地上で細胞内のようすをより詳しく調べるために、その後冷蔵して地上に持ち帰ります(図2)。3番目の実験では、微小重力下での突然変異体の成長の変化を調べるために、発芽したシロイヌナズナを30日間生育させ、茎などの成長を観察・撮影した後に、遺伝子保存剤で処理・冷凍して地上に持ち帰ります(図3)。
微小重力下でリアルタイムに観察するとともに、地上でより詳しく調べることで、植物の重力に対する反応メカニズムが明らかになるでしょう。
ココがポイント!
この研究では、植物の重力に対するこうした反応を「抗重力反応」と名付けて、生理学、生化学、分子生物学、形態学、流動力学など、様々な手法を柔軟に組み合わせて解析しています。
植物が重力に応じて、どのように信号を受け取り、全体に伝え、反応するか。このしくみが分かってくれば、地球上で植物の効率的な生産が可能になるでしょう。さらに微小重力下の宇宙空間で植物を育てる際にも大いに役立つと思われます。
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