骨芽細胞における微小重力下での細胞内シグナル伝達と増殖関連遺伝子の発現の研究を行います。
微小重力環境での影響が認められている骨組織の重要な構成要素である骨芽細胞について、微小重力環境下での増殖因子などの刺激に対する
遺伝子発現及び遺伝子発現に至る信号伝達経路に関わる蛋白質を解析することにより、細胞内信号伝達機構の重力感受性を評価し、そのメカニズムの解明に資することを目的としています。
微小重力環境下では上皮増殖因子(
EGF)刺激に対する細胞の増殖関連遺伝子(c-fos)の発現が抑制されるとの結果がオランダの
de Groot らの小型ロケット実験(1990)によって報告されており、本実験では重力の標的細胞と想定される骨芽細胞、そして複数の増殖因子等を用いて研究を実施します。
本実験の成果は、宇宙滞在での骨密度の低下等、有人宇宙活動にとって重要な問題の解明とその防止に寄与することが期待されます。