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基礎物理研究


(1) 実験テーマ名
 液体金属の自己拡散係数における同位体効果の研究

(2) 代表研究者
 伊丹 俊夫(北海道大学)

(3) 実験目的
 原子量の異なるリチウム融液が熱運動により相互に混合する挙動の研究を行います。
 融液の拡散機構を解明する上で重要な同位体効果について、リチウムを用いた拡散実験を微小重力環境下で行い、対流の影響を排除した高精度な拡散係数およびその温度依存性を測定し、同位体効果の検証と同位体効果を加味した拡散モデルの構築を図ります。同位体効果とは、同一元素の拡散において原子量の差が拡散の進行に及ぼす影響の事ですが、リチウムは原子量が小さく、同位体同士の原子量の比も大きいので、同位体効果が大きいと考えられております。
 拡散機構を知ることは、結晶成長や溶融金属や半導体の凝固等、材料技術に結びつく現象の解明に役立ちます。本実験の成果は、高品質金属材料製造条件の設定にも寄与することが期待されます。
(1)初期状態

 拡散前の状態を右図上に示します。
この状態での濃度分布を右図下に示します。
(2)一定時間経過後

 少し拡散が進んだ状態を右図に示します。
この状態での濃度分布を右図下に示します。
(3)さらに時間が経過した後

 いっそう拡散が進み、濃度は初期界面
からさらに遠い位置までなだらかに変化
しています。このまま無限時間放置する
と、均一に混じり合い、濃度はあらゆる位
置で一定になります。
拡散実験の原理図


(4) 実験方法
 実験はロングキャピラリー法を用いて行われます。図のようなリチウムの安定同位体を組み合わせ、試料(拡散対)とします。この試料を微小重力環境下で融解し、リチウムの同位体が他の同位体や天然リチウムに拡散する様子を試料回収後取得する濃度プロファイルから調べます。この解析から、拡散の速さが元素の質量にどのように関係しているかを調べることができます。  

試料の組み合わせ


拡散実験の試料部



 拡散による移動の時間的度合い(拡散係数)は温度により変化しますが、その温度依存性を調べるため、試料保持温度300℃、370℃、430℃の3条件で実験を行います。
 実験を行った試料は回収後、2次イオン質量分析計で安定同位体の分布の計測を行い、拡散係数を算出します。


実験温度プロファイル
(5) 実験試料
 リチウム試料(Li、Li、50%Li+50%Li)×3本(1炉体あたり)×4炉体(3実験温度)
(6) 実験装置
 多目的均熱炉
 高い均熱性を要する様々な実験に対応できるように、各炉体が独立に温度制御できる6式の電気炉を有する実験装置で、本実験に対応して低温実験用電気炉を新たに開発しました。本実験では4炉体を使用します。

 
多目的均熱炉
(参考)
拡散実験とは
 拡散とは、気体や液体、固体の物質中を物質が移動し、散らばっていく機構です。気体や液体中の拡散は無秩序な分子運動によって生じます。分子運動は物質の温度と密接に関係しているため、拡散の様子も温度とともに変化し、高温であるほど拡散による移動(混合)の度合いも大きくなります。
 拡散実験には、以下の2つの種類があります。
 (1) 自己拡散実験
 自己拡散とは、純物質が拡散により混ざり合う機構を示すものです。純物質内での拡散を調べるため、トレーサには安定同位体が用いられます。宇宙実験ではこれまでに、TR-IA-5号機でのゲルマニウム試料を用いた実験、およびMSL-1スペースシャトルミッションでスズ試料を用いた実験が行われました。
 (2) 相互拡散実験
 相互拡散とは、互いに異なる物質が相互に拡散していく機構を示すもので、化合物半導体の製造に深く関連します。TR-IA-4号機、およびMSL-1スペースシャトルミッション等で鉛スズテルル化合物半導体の拡散実験が行われました。

ロングキャピラリー法とは
 拡散実験では、正確な拡散係数を測定するため熱対流による物質移動を極力抑制する必要があります。極めて細長い試料を拡散実験に用いると、試料内に発生する熱対流を抑制することができます。この効果を用いた拡散実験の手法をロングキャピラリー法といい、拡散実験に広く利用されています。

安定同位体とは
 自然界には同じ元素でありながら重さの違う原子が存在し、これらを同位体と呼んでいます。同位体は重量の違い以外は化学的に同じ挙動を示すため、物質のトレーサとして重要な役割を担っています。
 同位体には安定同位体と放射性同位体があり、前者は元素として変化することはありませんが、後者は時間が経過するにつれ、放射線を発生しながら徐々に他の元素へと変化していきます。放射線を発生する同位体はトレーサとして有用ですが、反面安全上取扱いが難しいため、本実験では安定同位体をトレーサとしています。

2次イオン質量分析(SIMS)とは
 物質の組成分析法には様々な方法がありますが、2次イオン質量分析はその分析方法の一つです。特徴としては、不純物のような微量の物質を検出することに優れ、また、僅かな原子の質量数の違いも感知できるため、自己拡散実験のような安定同位体の分布を調べるためには極めて有用な手段です。

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