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「レオナルド」(多目的モジュール1)は、イタリア宇宙機関(ASI)が、スペースシャトルによる輸送用に設計・開発した3基の多目的補給モジュール(Multi-Purpose Logistics Modules: MPLM)のうちのひとつです。
MPLMは、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運搬するための再利用型与圧モジュールで、「レオナルド」の他に、「ラファエロ」、「ドナテロ」があります。
レオナルドは、打上げ時はスペースシャトルのペイロードベイ(貨物室)に搭載され、スペースシャトルがISSにドッキングした後は、ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)により、「ハーモニー」(第2結合部)の下側(地球側)に取り付けられます。
取付け後、レオナルドに搭載された物資の移送が、ISS船内で行われます。物資の移送が終了すると、レオナルドはSSRMSでISSから取り外され、再びペイロードベイ(貨物室)に搭載されて、スペースシャトルと共に地上に帰還します。
レオナルドのISSへの打上げは5回目、MPLMとしては8回目の打上げとなります。
項目 | 値 |
---|---|
寸法 | 約4.57m(直径)×約6.4m(長さ) |
搭載可能ラック総数 | 16ラック |
質量 | 4.5トン(貨物なし) |
搭載可能重量 | 12.65トン |
ISS長期滞在クルーの人数を、3人から6人へ増やすために重要な設備や、実験ラックが搭載されます。その他に、交換機器や部品、補給品など、1,000品目以上の物資がレオナルドに搭載されます。
MPLMに16ラック全てを搭載するのは今回が初めてであり、合計約6,539kgもの物資を運搬することになります。
水再生システム(Water Recovery System: WRS)は、STS-126ミッションで一緒に運搬する2台目のISSトイレ(Waste and Hygiene Compartment: WHC)で回収した尿を蒸留して水に換え、空気中の湿度を除湿して回収した水や使用済みの水と一緒にろ過/浄化処理して、飲料水などに使用するシステムです。
再生された水は、飲料、食事の用意、実験に使用されるほか、酸素生成装置(Oxygen Generation System: OGS)にも使用されます。
WRSは、「デスティニー」(米国実験棟)に設置されます。設置後、試験運用に成功すると、ISS長期滞在クルーを6人体制に移行することになります。
現在ISSで使用する水は、スペースシャトルやプログレス補給船による運搬に依存していますが、WRSの運用により、これまでISSに運搬していた水を年間約6,800kgも削減することができるようになります。
2台目となるISSトイレ(WHC)は、「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)でこれまで8年間使用されているISSトイレと本体の設計は同様ですが、WHCには、尿を水再生システム(WRS)ラックに送って再生する機能が追加されています。
WHCは、ノード3(第3結合部)が到着するまでの間、デスティニーに設置されます。
現在ISSには、ズヴェズダにロシアのギャレーがありますが、6人体制に向けて、米国のギャレーを追加します。米国のギャレーは、水供給装置(Potable Water Distributor: PWD)、冷蔵庫(MERLIN)およびオーブン(Food Warmers)で構成されます。
PWDには、水再生システム(WRS)で再生された水が送られてきます。また、これまでISSでは冷たい飲み物を飲むことができませんでしたが、冷蔵庫が利用できるようになるため、冷たい飲み物が飲めるようになります。ギャレーは、デスティニーの天井側に設置されます。
クルーの個室が2台運ばれ、ハーモニーに設置されます。また、「きぼう」にも簡易個室が運ばれて設置されます。簡易個室は、17Aフライトで新たな個室が運ばれるまで暫定的に使われます。
クルーの個室は、主にクルーの寝室として使用されます。これまでは、ズヴェズダに2台と、デスティニーに1台設置されていました。
個室は、ISSの各モジュールにある共通ラックと同じサイズで、内部は、クルーが衣服を着脱できるほどのスペースがあります。個室内には空気循環、温度調節、照明、身体を固定する器具、作業台、パソコン・オーディオなどを使用するための電源、パソコン用のネットワーク、ISS船内と個室とをつなぐ通話システム、警報システム、緊急避難灯、火災探知器などが装備されています。
改良型エクササイズ装置(Advanced Resistive Exercise Device: ARED)は、現在「ユニティ」(第1結合部)の天井側ハッチに設置されているエクササイズ装置(Resistive Exercise Device: RED)と交換で設置します。
AREDは、スクワットやウェイトリフティングなどの動きで筋力トレーニングを行うための装置です。ISSに滞在するクルーの1日のスケジュールには、筋力の低下を防止するために、運動機器を使用したエクササイズが組み込まれています。
燃焼実験ラック(Combustion Integrated Rack: CIR)は、これまで火気を使用した実験が制限されていたISSで、唯一の燃焼専用の実験装置となります。主に可燃性ガスの物理解析などの実験が行われます。
CIRは、光学ベンチ、小窓付き燃焼チャンバ、燃料・酸化剤管理ユニット(ガス供給ユニット一式・排気システム・ガスクロマトグラフ)、科学診断装置、画像処理/記録ユニットなどから構成されており、実験ラックの燃焼チャンバ内の実験装置は交換可能となっています。CIRはデスティニーに設置されます。
(写真、画像は全てNASA提供)
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