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ミッション内容

 STS-108ミッションは、第3次長期滞在クルーと第4次長期滞在クルーを交替させることを第一の目的としています。また、多目的補給モジュール(MPLM)の2号機「ラファエロ」内に輸送用のラック12台に収容した実験装置や補給品を搭載して打ち上げます。MPLMは、軌道上でユニティの下側の共通結合機構(CBM)に結合し、クルーがラックから補給品を取り外して国際宇宙ステーション(ISS)内へ搬入します。空になったMPLMには不要品や回収される物品が詰め込まれ、再びスペースシャトルに搭載して帰還します。 その他、スペースシャトルの貨物室にはMACH-1LMCなど各種実験機器が搭載されます。さらに、ISSの巨大な太陽電池パドルの回転機構(BGA)に見られる不具合に対処する船外活動が1回行われます。船外活動の内容はこちらをご覧ください。

 このフライトにより、ISSは次のように変化します。
  • ISS滞在クルーが交替し、第4次長期滞在クルーが活動(インクリメント4)を開始します。
  • ISS内の実験装置が入れ替わります。
  • 障害が多発していたC&C MDMのハードディスクが半導体メモリ(SSMMU)に置き換えられます。
  • 太陽電池の回転機構(BGA)の障害に対応するEVAがおこなわれ、うまくいけばISSの姿勢や発生電力が安定して通常運用にもどることができるようになる予定です。

 このフライト後のISSの形状は下図のとおりですが、フライト前との外観上の変化はありません。

UF-1フライト終了時のISS

UF-1フライト終了時のISS


作業実績
 軌道上での毎日の作業はおよそ次のとおり実施されました。
シャトルMMTより(2001/12/11)
飛行日主な実施ミッション
1日目打上げ/軌道投入、Kuバンドアンテナ展開、ランデブー用軌道制御
2日目シャトル・マニュピレータ(SRMS)、ペイロードベイ(貨物室)状態、宇宙服(EMU)、エアロックなどの点検作業、ランデブー用軌道制御、MACH-1ペイロード起動
3日目ISSとのランデブー、ISS(PMA-2)とのドッキング、ISSとシャトル間の物資移送の為の入室(ISS滞在クルーと合流)
4日目MPLMのISSへの取付・起動、ソユーズ宇宙船の緊急帰還用シート(IELK)の搬入/ソユーズへの取付け・点検、ISS滞在クルーの交代
5日目船外活動(EVA)の準備、宇宙服などの点検、MPLM入室、ISSへの物資の搬入
6日目EVA実施、MPLMからISSへの物資の搬入、滞在クルー間の引継作業
7日目MPLMからISSへの物資の搬入、滞在クルー間の引継作業
8日目MPLMからISSへの物資の搬入、ISSからMPLMへの実験装置/不要物品の搬出、滞在クルー間の引継作業、TVIS(ランニングマシン)の修理
9日目ISSからMPLMへの不要物品の搬出、滞在クルー間の引継作業
10日目MPLM停止・シャトルへの回収
11日目ISSからの退出、アンドッキングおよびフライアラウンド運用
12日目船内の後片づけ、軌道離脱準備、Starshine-2の放出、Kuバンドアンテナ収納
13日目軌道離脱、着陸


滞在クルーの交替
 滞在クルーの交替は、形式的には、緊急帰還用のソユーズ(TM-33)宇宙船内に設置された、第3次長期滞在クルーの各メンバー専用のシート(IELK:Individual Equipment Liner Kits)を、第4次長期滞在クルーのものと交換することにより終了します。これは上の表に示す飛行4日目の作業です。交替した第3次長期滞在クルーは、帰還時にはエンデバー号のミッドデッキに設置した横倒し式の特別シート(Recumbent seat)に横たわって重力に耐えます。
 なお、第3次長期滞在クルーには、約45日間のリハビリテーション期間が設定されています。
 (ロシア人クルーは着陸の数週間後にはロシアに戻り、リハビリテーションを続けます。)リハビリテーション期間には、ウォーキング、水泳、ジョギング、筋力トレーニングなどがおこなわれます。


エンデバー号到着までのISSの形状の変化
 エンデバー号の到着する前には、ISSに結合していた宇宙機の分離、新しい宇宙機の結合などがおこなわれます。その状況は次のとおりです。
  • 10月31日(日本時間)、古くなった緊急帰還用ソユーズTM-32(2Sで打上げ)を分離
    (新しいソユーズTM-33(3Sで打上げ)をISSに送り届けたクルーが搭乗して地球に帰還した)
  • 11月23日(日本時間)、補給船プログレス5(5P)を分離/廃棄
  • 11月29日(日本時間)、補給船プログレス6(6P)がドッキング
    (補給船プログレス6とISS結合部に異物が挟まったため、船外活動による異物除去を行い、12月3日午後11時54分(日本時間)にドッキング完了)
  • 12月8日午前5時03分(日本時間)、エンデバー号がドッキング

ISSの形状の変化のアニメーション
Real Video[47sec] 28K 56K


ランデブー・ドッキングから分離まで
 

エンデバー号がISSにランデブー・ドッキングし、
最後に分離する模様
Real Video[1min23sec] 28K 56K


最終更新日:2001年 12月18日

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