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国際宇宙ステーションと日本の実験モジュール「きぼう」

国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #07-13

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第14次長期滞在クルー
2007年3月9日(金) 午後3時00分(米国中部標準時間)
2007年3月10日(土) 午前6時00分(日本時間)

今週、国際宇宙ステーション(ISS)では、科学実験および今後の組立てに向けた準備が主に行われました。ISSに滞在している第14次長期滞在クルーは、宇宙環境への人体の順応に関する実験や、今後ISSへ追加される構成要素のための準備を行いました。

コマンダーのマイケル・ロペズ-アレグリアとフライトエンジニアのサニータ・ウィリアムズは、「デスティニー」(米国実験棟)で、本年中に予定されている酸素生成システム(Oxygen Generating System: OGS)の稼動開始に向け、船内での最後の組立て作業を完了させました。ふたりは防音用の部品と電力ケーブルを取り付け、排水ホースの再接続を行いました。OGSは昨年夏のSTS-112ミッションでスペースシャトルによりISSに運ばれました。OGSはクルーの人数が6人まで増える段階で必要となりますが、第15次長期滞在クルーの滞在中に起動される予定です。当面はロシアのエレクトロン(酸素発生装置)の予備装置として機能する予定です。

フライトエンジニアのミハイル・チューリンは今週、欧州補給機(Automated Transfer Vehicles: ATV)初号機の到着に向けて、長期にわたり続けられている準備作業を行いました。チューリンは、衛星航法システムの地上からの運用試験のために、「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)内に機材を設置しました。このシステムは、ATVが自動でズヴェズダの後方ドッキングポートにドッキングする際に使用されます。チューリンはまた、ISS内に酸素を供給しているエレクトロンの予備の液体ユニットを加圧して収納し、プログレス補給船の手動ドッキングシステムであるTORUに新しい液晶ディスプレイを取り付けました。

今週、第14次長期滞在クルーは、脳に関わる科学実験を行いました。ロペズ-アレグリアとウィリアムズは、宇宙飛行士の中枢神経系へ長期間の飛行が与える影響(Anomalous Long Term Effects in Astronauts' Central Nervous System: ALTEA)実験を行いました。この実験では、宇宙線の被曝量を計測します。

ふたりは計測機器を装備したヘルメットを着用して90分過ごしました。このヘルメットには被曝量を測定するための6種類の粒子を検知する機器、脳の電気的活動、および視覚の認知を計測する機器が取り付けられています。ALTEAは、宇宙線がヒトの中枢神経や視覚系に及ぼす影響、特に軌道上の宇宙飛行士が閃光を目撃する現象について理解を深めると考えられています。

クルーは、宇宙飛行による反応・順応能力の変化の実験(Test of Reaction and Adaptation Capabilities: TRAC)により、手と眼の動きの協調性を調べる実験も行いました。TRACは、脳が宇宙に順応している間は、手と眼の動きの協調のような通常の運動神経をつかさどるのに必要となる能力は利用できないという理論を研究するものです。

クルーはラップトップ・コンピュータとジョイスティックを使用して、カーソルの位置をコントロールし、視覚・聴覚的な合図に反応するまでの時間を反応時間測定器で測定しました。脳が微小重力環境にどのように順応するかを理解することにより、精密な運動神経能力を必要とする作業の手順改善に繋がると考えられています。

米国とロシアのISS担当官らは今週、現在「ザーリャ」(基本機能モジュール)の地球側のドッキングポートにドッキングさせているソユーズ宇宙船(13S)を、3月29日に第14次長期滞在クルーがズヴェズダの後方のドッキングポートへ移動させる計画で合意しました。ソユーズ宇宙船(13S)が移動することで、次の長期滞在クルーは第15次長期滞在開始に向けて最終到着地となるザーリャに直接向かうことが出来るようになります。

現在ズヴェズダにドッキングしているプログレス補給船(23P)は、ソユーズ宇宙船(13S)のドッキング場所を空けるため、3月27日に投棄される予定です。

同じく今週、米国とロシアは3月15日にプログレス補給船(23P)のエンジンを利用したリブースト(軌道上昇)を実施することでも合意しました。このリブーストにより、ISSは4月7日に予定されている第15次長期滞在クルーを乗せたソユーズ宇宙船(14S)の打上げに最適な高度になります。ソユーズ宇宙船(14S)は4月9日にザーリャにドッキングする予定です。現在の計画では、第14次長期滞在クルーは4月20日に地上に帰還する予定です。

次回のISSステータスレポートは3月16日、または新規イベントがあれば発行する予定です。ISSクルーの活動状況、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://www.nasa.gov/stationをご覧ください。

出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2007/iss07-13.html

*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。

最終更新日:2007年3月12日

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