このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
 
JAXAトップページへ
 JAXAトップページへ宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターサイトマップ
 

国際宇宙ステーションと日本の実験モジュール「きぼう」

国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #06-43

<< #06-42 | #06-44 >> homeindexback

第14次長期滞在クルー
2006年10月6日(金) 午後3時00分(米国中部夏時間)
2006年10月7日(土) 午前5時00分(日本時間)

第14次長期滞在クルーは、3人だけで国際宇宙ステーション(ISS)で過ごす初めての1週間を終えました。3人は、ミッション初期の点検や避難訓練、機材のトラブルシューティングを行いました。

コマンダーのマイケル・ロペズ-アレグリアと、フライトエンジニアのミハイル・チューリンは、本レポート発行時点まででISSに19日間滞在しており、フライトエンジニアで欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士であるトーマス・ライターは、宇宙滞在3ヶ月目に入りました。他の作業に加え、クルーは来週予定されているISSからの短い移動に向けた準備を進めました。クルーは来週、ソユーズ宇宙船を現在ドッキングしているポートから別のドッキングポートへ移動させることになっています。

今週の初め、クルーはISSからの緊急脱出の手順を点検し、すべての必要な機材が所定の位置にあることも確認しました。1週間を通して、ロペズ-アレグリアとチューリンには、ISSと、そこでの活動に慣れるための時間が与えられました。また、いくつかの新しい実験や医学検査も開始しました。

ロペズ-アレグリアは、栄養学実験の第1回目を開始しました。彼は、血液と尿のサンプルを採取し、口にした飲食物すべての記録を始めました。この実験は、健康の維持に不可欠なさまざまなビタミンやミネラルを追跡するもので、長期に及ぶ宇宙飛行中の人体の医学的変化を調べるものとしては史上もっとも包括的な実験です。集められた情報は、将来の月や火星へのミッションにおける、栄養学的要求や宇宙食のシステムを決定するために役立つとされています。

またロペズ-アレグリアは、MELFI(Minus Eighty degree Celsius Laboratory Freezer for ISS)と呼ばれる冷凍・冷凍庫の中に新しいサンプルを収納する事により、実験用微生物システムの受動的観察(Passive Observatories for Experimental Microbial Systems in Micro-G: POEMS)の作業支援をしました。MELFIは実験用サンプルを、マイナス80℃、マイナス26℃、または4℃に保ったままミッション中を通して保存することができる冷凍・冷蔵庫です。POEMSでは、宇宙環境におけるストレスが微生物のモデル細胞の世代における遺伝的変異に与える影響を調べるものです。アラバマ州ハンツビルにあるNASAマーシャル宇宙飛行センター(MSFC)のペイロード運用チームが、ISS上での米国の科学実験活動の調整をしています。

10月6日、定期的に行っている健康評価をクルー全員が行いました。この評価はISSに設置されているエアロバイクで運動して心拍数と血圧を測定することで行われます。この一環として、ライターは新しい科学的調査も始めました。ESAが提供する酸素摂取測定器を用いてライターの消費酸素量が測定されました。酸素摂取量は、運動効率を測るための重要な要素です。健康評価は一ヶ月に一度行われます。ロペズ-アレグリアとチューリンは、緊急用の医療機器と補給品の点検を行いました。これは各クルーのミッション初期に行われるものです。チューリンは週の中旬は、ロシア製のエレクトロン酸素生成装置のトラブルシューティングに時間を費やしました。この装置は水から酸素を生成し、ISS内に供給しています。エレクトロンは、第14次長期滞在クルーが到着する直前にオーバーヒートして以来、うまく機能していません。クルーは今週、エレクトロンの制御盤の部品を交換しましたが、問題は解決しませんでした。ロシアのエンジニアがシステムの評価をしていますが、これ以上の修理は、予備部品を載せた次の補給船の到着を待たなければならないかもしれません。次のプログレス補給船(23P)は、今月後半に打ち上げられる予定です。ISSには十分な量の酸素が保管されています。現在ISS内には、「クエスト」(エアロック)にあるタンクから酸素が供給されています。

米国の飛行管制官たちは、ISSのコントロール・モーメント・ジャイロ(CMG)のうちの1基に確認された振動の評価を行っています。電気的に駆動されるCMGは、ISSの姿勢制御に使われており、スラスタや量の限られた燃料を姿勢制御のために使用する必要はありません。振動が最初に確認されたのは9月28日にスラスタを使ったISSの姿勢変更が行われたときのことでした。更なる検査を行うため、問題のジャイロスコープCMG-3は制御ループから外されています。その後、飛行管制官たちはCMG-3で断続的に起きている振動の性質を明らかにするためにさまざまな試験を行い、エンジニアたちは必要な場合には動作させることができるという結論を出しました。CMGは3基あれば充分にISSの姿勢を適正に保つことができます。

ISSのクルーは、10月10日に現在「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)の後方にドッキングされているソユーズ宇宙船(13S )に乗り込み、短距離の移動を行います。NASA TVではこの活動を米国中部夏時間10月10日午後1時45分(日本時間10月11日午前3時45分)から生中継します。ソユーズのコマンダーであるチューリンが操縦し、10月10日午後2時14分(同10月11日午前4時14分)にズヴェズダのドッキングポートから分離し、10月10日午後2時39分(同10月11日午前4時39分)に「ザーリャ」(基本機能モジュール)の地球に面したドッキングポートに再ドッキングする予定です。

次回のISSステータスレポートは、10月13日(金)または新規イベントがあれば発行する予定です。ISSクルーの活動状況、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://www.nasa.gov/stationをご覧ください。

出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2006/iss06-43.html

*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。

最終更新日:2006年10月10日


<< #06-42 | #06-44 >> homeindexback
JAXAトップページへサイトポリシー