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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #05-21
第10次長期滞在クルー 今週、国際宇宙ステーション(ISS)ではひと組のクルーが宇宙滞在を終え、24日に地球へ帰還するまでのカウントダウン段階に入り、もうひと組は6ヶ月間の軌道上滞在を開始しました。 ISSに滞在している5人のクルーは、新クルーのための説明や旧クルーの帰還準備、来月に飛行再開を予定しているスペースシャトル「ディスカバリー号」の到着に向けての準備で忙しい1週間をすごしました。 第11次長期滞在クルーのコマンダーであるセルゲイ・クリカレフとNASAのISSサイエンス・オフィサーであるジョン・フィリップスは、米国中部夏時間4月16日午後9時20分(日本時間4月17日午前11時20分)にISSにドッキングしました。欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士で、イタリア出身のロベルト・ビットーリがこのふたりと共に搭乗していました。ビットーリは約8日間、ISS上で22の科学実験と作業を行いながら滞在します。 ビットーリは4月24日に第10次長期滞在クルー(コマンダーのリロイ・チャオとフライト・エンジニアのサリザン・シャリポフ)のふたりと共に地球に帰還します。米国中部夏時間4月24日午後1時41分(同4月25日午前3時41分)にISSを出発し、同日午後5時8分(同午前7時8分)にカザフスタン共和国に着陸する予定です。チャオとシャリポフは、カザフスタンのクスタナイへ移動した後、地球に帰還してから8時間ほどでロシアの星の街に行き、家族と再会する予定です。 着陸は現地の日の出時間の約2時間前になる予定です。現地の天気予報によると、気温は0度近く、雨の可能性もあるとのことです。 万が一に備えてエネルギーを節約するために、シャリポフは手動操縦でソユーズ宇宙船(9S)を切り離します。ソユーズ宇宙船(9S)の予備バッテリー残量は、切り離しに必要な量はあると考えられますが、2004年11月にソユーズ宇宙船(9S)がISSとのドッキング場所を変更して以来、バッテリー残量の低下がみられています。主バッテリーには問題はありません。 手動での切り離しはソユーズ宇宙船の運用においてのバックアップ手順であり、軌道離脱や着陸時に必要な場合に備えて、十分な予備バッテリー残量が残るようにするため行われます。手動手順により、シャリポフはソユーズ宇宙船(9S)が切り離される前に内部電源を使用する時間を減らすことができます。通常、切り離しは搭載コンピューターにより自動で行われます。着陸は、通常通り、地球を2周回して行われます。 チャオとシャリポフによる詳細な引き継ぎは、クリカレフ(2000年に打ち上げられた第1次長期滞在クルーのひとり)と、フィリップス(2001年4月にスペースシャトルクルーとしてISSを訪問)が新しい住居に落ち着くのを助けました。「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)の訓練も行い、科学実験や機材と補給品の保管場所の引き継ぎも行われました。 4月17日に、フィリップスは発展型超音波診断(Advanced Diagnostic Ultrasound in Microgravity: ADUM)実験の訓練を行いました。21日に初めてこの装置を利用した実験を行いました。 19日にはクルーは微小重力研究グローブボックス(Microgravity Science Glovebox: MSG)を起動させ、今週後半にはMSGの使用準備が整っていることが認証されました。20日は米国の「クエスト」(エアロック)での作業に集中しました。クルーは、冷却システムを洗浄し、補給と冷却用のアンビリカルを交換し、このエアロックを使用可能な状態に戻しました。21日にもチャオとフィリップスはエアロックに戻り、次のミッションでディスカバリー号がISSから離れた後に、正しい機材(宇宙服)がISSに残るように、宇宙服のサイズ変更を行いました。 22日にはチャオ、シャリポフ、ビットーリの3人はソユーズ宇宙船の3時間にわたる降下訓練で忙しくしていました。5人のクルー全員が、指揮権の譲渡式に出席し、クリカレフはチャオからISSの指揮権を正式に引き継ぎました。 ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについては http://spaceflight.nasa.gov/をご覧ください。 次回の ISS ステータスレポートは、第10次長期滞在クルー着陸後の4月24日か、または何かイベントがあれば発行する予定です。 出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2005/iss05-21.html *併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2005年4月25日
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