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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #05-03
第10次長期滞在クルー 国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗している第10次長期滞在クルーは、1月21日に宇宙滞在100日目を記録しました。今週は主に、1月26日に予定されている彼らにとって1回目となる船外活動に向けた準備を行いました。 第10次長期滞在クルー(NASAのサイエンスオフィサーのリロイ・チャオとフライトエンジニアのサリザン・シャリポフ)は、米国中部標準時間1月26日午前1時25分(日本時間1月26日午後4時25分)に、「ピアース」(ロシアのドッキング室)から船外に出る予定です。今回の船外活動は、主に「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)の外側に装置を取り付ける作業です。 ふたりは、作業用プラットフォームを取り付け、そこに小型のロボット実験装置を設置するとともに、ISS内の大気制御に使用されているシステムの排気口を検査し、さらに科学実験機器を取り付ける予定です。 ズヴェズダの外側での作業を完了した後、ふたりはピアースに戻ります。ピアースの外側で、ふたりは宇宙飛行が微生物に与える影響を調べる実験装置を設置します。そして、1月26日午前7時(同1月26日午後10時)頃、ピアースのハッチを閉めてISS内に戻る予定です。 シャリポフとチャオは、1月21日の午前中に、船外活動前の検査をひとつ完了しました。ふたりは、ISSにある自転車エルゴメータを使って心臓血管系の評価を行いました。また、オーラン宇宙服とピアースにあるオーラン・インターフェイス・ユニットの気密性や弁、気圧のチェック、そしてオーラン宇宙服の通信チェックを行い、モスクワのフライトコントローラと船外活動計画の再確認を行いました。 船外活動に関連した作業として、今週前半の18日から、宇宙服のバッテリー充電と船外活動用工具の準備を開始しました。19日には3時間かけて機材と工具を準備し、20日には宇宙服を起動させて検査を行いました。 ふたりが着る宇宙服には赤い線が入っています。チャオは米国国旗を肩につけることで区別されます。 船外活動は、1月26日午前0時(同1月26日午後3時)より、NASAテレビで生中継されます。中継は船外活動が終了するまで行います。 今週はその他に、1月15日にフライトコントローラが「ザーリャ」(基本機能モジュール)後部にドッキングしているプログレス補給船(16P)のスラスタを使って、20分間の軌道上昇(リブースト)を行い、ISSの高度を約5.5マイル(約8.9km)上昇させました。これは2月28日に打ち上げられ、3月2日にISSにドッキング予定であるプログレス補給船(17P)の到着に備えて、ISSを適切な軌道に乗せるために行われました。 フライトコントローラは、ISSの姿勢を制御しているコントロール・モーメント・ジャイロ(Control Moment Gyroscopes: CMG)のうち1基(重さ600ポンド(約270kg))の振動検査と電流値の検査を、週の大半をかけて行いました。CMGは、通常6,600rpmで稼働していますが、それ以外にも15通りの回転数で稼働させることができます。今回の検査では、CMG2をそれぞれの回転数で4時間ずつ稼働させました。 CMGは太陽電池からの電力を使っています。現在、ISSにある4基のCMGのうち3基が稼働していますが、ISSの姿勢は2基でも制御することができます。2002年の中頃に故障したCMGは、次のスペースシャトルミッションで交換することになっています。 NASA、ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはwww.nasa.govをご覧ください。 次回のISSステータスレポートは、1月26日の船外活動後、または新規イベントがあれば発行する予定です。 出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2005/iss05-3.html *併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。 最終更新日:2005年1月24日
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