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国際宇宙ステーションNASAステータスレポート
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国際宇宙ステーション・ ステータスレポート#02-50
第5次長期滞在クルー
2002年11月8日(金) 午後4時00分(米国中部標準時間)
2002年11月9日(土) 午前7時00分(日本時間)

 

国際宇宙ステーション(ISS)に搭乗している6人のクルーは、地球への帰還に向けた荷造りを始めました。ISSを訪れているタクシー・クルーは、新しいソユーズ宇宙船を運び、多数の実験を行った後、明日地球へ帰還する予定です。5ヶ月近く軌道上に滞在している第5次長期滞在クルーは、今月終わりにスペースシャトルで帰還する予定です。

今週は、第5次長期滞在クルーのコマンダーのワレリー・コルズンと、NASAのISSサイエンスオフィサーのペギー・ウィットソン、フライトエンジニアのセルゲイ・トレシェフが、ISSのトラス構造物の次の部品であるP1トラスの取り付けを支援するシステムの準備ができているか確認する作業で始まりました。彼らは、モービルトランスポータ(台車:MT)や「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)、「クエスト」(エアロック)、そしてすでに軌道上にある船外活動のための道具や備品の最終確認を行いました。これらの作業が完了した後、スペースシャトル「エンデバー号」で地球に持ち帰る荷物の荷造りを始めました。エンデバー号は、第5次長期滞在クルーと交代する第6次長期滞在クルーと共に、米国中部標準時間11月10日午後11時~11月11日午前3時(日本時間11月11日午後2時~6時)に打上げが予定されています。

P1トラスが取り付けられると、第5次長期滞在クルーはISSの指揮権を第6次長期滞在クルーのコマンダーのケネス・バウアーソックス、フライトエンジニアのニコライ・ブダーリン、ドナルド・ペティットに渡し、エンデバー号のクルー(コマンダーのジェームス・ウェザビー、パイロットのポール・ロックハート、ミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者:MS)のマイケル・ロペズ-アレグリア、ジョン・ヘリントン)と共に地球に帰還する予定です。

ISSを訪れているソユーズ・タクシー・クルー(コマンダーのセルゲイ・ザリョーティン、ベルギー人で欧州宇宙機関(ESA)のフランク・ディベナ(フライトエンジニア)、ロシア人のユーリ・ロンチャコフ(フライトエンジニア))は、11月9日午後2時41分(同11月10日午前5時41分)にISSから分離する予定です。ザリョーチンは、ソユーズ宇宙船の軌道離脱噴射を11月9日午後5時10分(同11月10日午前8時10分)に行い、11月9日午後6時4分(同11月10日午前9時4分)にカザフスタンの草原に着陸する予定です。

より広く、より近代的なコックピットコントローラ、ディスプレイ、コンピュータを備えた新しいソユーズTMA-1宇宙船(TMA初号機)に搭乗して打ち上げられたタクシー・クルーは、ISSに4月以降ドッキングしている古いソユーズTM-34宇宙船に乗って地球に帰還する予定です。新しいソユーズ宇宙船は、ISSの滞在クルーが早く帰還しなければならないような不測の事態に備えて、帰還能力を保証するため、6ヵ月毎にISSに運ばれます。

タクシー・クルーの8日間の滞在中、彼らは医学実験、たんぱく質結晶成長実験、材料処理実験を彼らが中心となって行います。ディベナを中心として、クルーは微小重力環境下での人間の生理現象や、デスティニー(米国実験棟)の微小重力研究グローブボックス(Microgravity Science Glovebox:MSG)の中での結晶の成長の仕方、合金の形成の様子を観察しました。

ヒューストンのフライトコントローラは、デスティニーの二酸化炭素除去装置(Carbon Dioxide Removal Assembly:CDRA)のトラブルシューティングを行っています。CDRAは、人間の呼吸によって空気中に増えていく余分な二酸化炭素を取り除く、二酸化炭素の吸着部(反応層)、チューブ、バルブからなる装置で、船外に二酸化炭素を排出します。6個のバルブのうちふたつに不具合が見られ、起動してから数時間後にシステムがシャットダウンしてしまいました。この装置は、軌道上のクルーが3人以上となった時に、ロシアの二酸化炭素除去装置(Vozdukh)を補います。

トラブルシューティングの結果、最近のデスティニーのソフトウェアのアップデートが原因となったのではないことが確認されたため、ISSを訪れる予定のエンデバー号のクルーと第6次長期滞在クルーをCDRAで支援するために、地上からのコマンドを追加する新たな起動手順を作成しています。化学反応で二酸化炭素を吸収する水酸化リチウム缶も、主システムを補う目的で使用される可能性があります。水酸化リチウム缶のひとつは、CDRAのトラブルシューティング中に使用されました。

水分子から酸素原子と水素原子を分離し酸素を生成する装置「Elektron」もまた正常に機能していません。コルズンとトレシェフは今週トラブルシューティングを行い、11月10日にElektronの電気分解装置を交換することになりました。酸素は、ズヴェズダ後部にドッキングしているプログレス補給船から利用可能です。酸素と窒素は「クエスト」(エアロック)に取り付けられているタンクからも利用可能です。さらに、酸素はロシアの酸素生成用の"キャンドル(ろうそく)"からも利用可能です。

11月9日に予定されているソユーズ・タクシー・クルーの出発によりエンデバー号の打上げの準備が整います。エンデバー号のクルーは昨晩NASAケネディ宇宙センター(KSC)に到着し、本日、打上げまでのカウントダウンが始まりました。エンデバー号は、P1トラスと、CDRAのふたつの交換バルブなどの追加された補給品をISSに運びます。この3ポンド(約1.4kg)のアルミニウム製の交換バルブは、約5×9×6インチ(13×23×15 cm)の大きさで、家庭のエアコンのバルブのような物です。

ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日時、また地上のある地点からのISSの可視状況などについてはhttp://spaceflight.nasa.govをご覧ください。

ISSでの科学実験の模様については、アラバマ州ハンツビルのNASAマーシャル宇宙飛行センターのペイロード運用センターのサイトhttp://www.scipoc.msfc.nasa.govをご覧ください。

次回のISSステータスレポートは、11月9日のソユーズ宇宙船の分離後に発行する予定です。

 

出典: http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2002/iss02-50.html

*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。

最終更新日:2002年11月11日

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