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油井宇宙飛行士の活動状況(2015年12月 8日)
12月4日、油井宇宙飛行士は、NASAのMicrobiomeと呼ばれる実験の地球帰還約14日前の作業として、自身の体から微生物サンプルを採取しました。2日前にはこの実験の一環であるアンケートに答えました。
この実験は、宇宙環境において、微生物がヒトの免疫システムにどの様な影響を与えるかを調べる実験です。クルーは、免疫システムの状態の確認や、クルーの身体とISS船内から微生物を採取する作業を定期的に行います。
JAXAの実験関連作業としては、「高プラントル数流体のマランゴニ振動流遷移における液柱界面の動的変形効果の実験的評価(Dynamic Surf)」の3回目の実験のために、「きぼう」船内実験室の流体実験ラックに設置されている画像取得処理装置(IPU)からビデオ・レコーディング・ユニット(VRU)のハードディスクを交換しました。実験データを記録するハードディスクは、いっぱいになるたびに交換します
Dynamic Surf実験は、マランゴニ対流の原理を探るため熱対流の影響を受けない微小重力環境でマランゴニ対流を発生させ3台のカメラで3次元観察する実験で、JAXAが行っている一連のマランゴニ対流実験の一部です。
観察は、流体物理実験装置(FPEF)の中で2枚の円盤の間にシリコーンオイルの液柱を作り、円盤に温度差を与えることでマランゴニ対流を起こします。
液柱両端の温度差を大きくしていくと液柱に発生する対流は、定常流から振動流、カオス状態、最後には乱流という完全に乱れた状態に変化します。
この実験は、ヒートパイプなど流体の流れを利用する機器のより効率的な開発に役立ちます。
また、油井宇宙飛行士は、週に1度の頭痛に関するアンケートに答えました。 宇宙滞在中に頭痛は一般的にみられることであり、状況を調査することによって頭痛の兆候を軽減する方法の開発や、軌道上クルーの健康状態及び能力向上に役立ちます。
油井宇宙飛行士は帰還に向けて私物の梱包作業を継続しました。それらの物資は自身とともにソユーズ宇宙船(43S)に搭載して地上に回収するほか、今後打上げ予定のドラゴン補給船運用8号機、9号機で回収されます。
油井宇宙飛行士ら43Sクルーの地上への着陸は12月11日午後10時12分(日本時間)を予定しています。
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