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油井宇宙飛行士、タンパク質結晶生成実験試料回収(2015年9月15日)
9月11日、油井宇宙飛行士は、「きぼう」日本実験棟の船内実験室でタンパク質結晶生成装置(PCRF)からタンパク質試料容器を取り外して、地球に持ち帰るため温度記録装置を取り付けゲナディ・パダルカ宇宙飛行士に手渡しました。
タンパク質結晶生成実験(JAXA PCG)では、カウンターディフュージョン法という結晶化技術により、「きぼう」日本実験棟で高品質な結晶を生成し、その結晶を持ち帰って構造を解析することで、地上の実験だけでは解明できなかった病気のメカニズム解明や、薬の候補となる化合物の探索などを行います。
本ミッションはロシア側との協力関係により実施しており、JAXAがISSでの実験リソース(資源)を提供、ロシア側が打上げ・回収機会を提供しています。
ロシア側では独自にタンパク質の実験を実施していますが、JAXAの技術を高く評価しており、共同ミッションとして実施しています。
なお、今回は日本側で32種、ロシア側で15種のタンパク質を打ち上げました。
また、油井宇宙飛行士とアメリカ人クルーは、ソユーズ宇宙船(42S)で地球へ持ち帰るため血液サンプル等を収集しました。油井宇宙飛行士はNASAのSalivary Markers実験の一環でISS滞在90日目の唾液サンプルとNASAのテロメア調査の血液サンプル採取を行いました。
サンプルは梱包されて、ソユーズ宇宙船(42S)の帰還モジュールに収容するためゲナディ・パダルカ宇宙飛行士に手渡されました。
油井宇宙飛行士とスコット・ケリー宇宙飛行士は、NASAのSalivary Markers実験(免疫機能の低下を示すバイオマーカーの測定)とMicrobiome実験(微生物がヒトの免疫システムにどの様な影響を与えるかを調べる実験)のために冷凍・冷蔵庫(Minus Eighty degree Celsius Laboratory Freezer for ISS: MELFI)に保管されていた唾液サンプルを集めました。また油井宇宙飛行士は、Salivary Markers実験のための最後の尿サンプル収集を終えました。
テロメアは、染色体の端にあり染色体を保護しています。そしてテロメラーゼと呼ばれる酵素はテロメアの長さを維持します。
テロメアは時間と共に短くなり、ストレスによっても短くなります。そしてテロメアの縮退は加齢(心血管疾患、癌、免疫系の障害)を促進します。
テロメア調査では、テロメアとテロメアーゼが宇宙滞在中にどのような影響を受けるか明らかにするために、宇宙飛行士の血液サンプルを収集します。
さらに、油井宇宙飛行士は、NASAのCapillary Beverageという実験の一環として、微小重力用に作られた特製の飲用カップにトロピカルパンチを入れて、カップの中の液体が表面張力によってどの様に振る舞うかを調べました。
微少重力下では、ストローを使って密閉容器から飲み物を飲まなくてはなりませんが、Capillary Beverageでは特製の無重力用カップの研究を行っています。
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