このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。
<免責事項> リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
最新情報については、https://humans-in-space.jaxa.jp/ のページをご覧ください。
野口宇宙飛行士は、長期滞在期間中、以下の実験を実施しました。
※「きぼう」船外実験プラットフォームで行われる3つの船外実験、X線天体の常時監視(MAXI)、宇宙環境の計測(SEDA-AP)、オゾン層破壊物質の監視(SMILES)は、地上から運用します。
≫「きぼう」日本実験棟での実験の詳細や、実績・予定についてはこちら
目的 | マランゴニ対流(表面張力により引き起こされる対流)のメカニズム解明に向けた基礎データを取得する。 |
---|---|
概要 | 21年度下期は、ドップラー効果を利用した超音波流速計により、液柱内の流れの時間的変化と空間的な分布を観測し、対流のパターン変化(定常流 -> 振動流 -> 乱流)を詳細にとらえ、流れの体系的遷移シナリオの構築を図る。 |
期待される成果 | マランゴニ対流のメカニズムを明らかにすることで、半導体などの結晶の高品質化、携帯電話やパソコン等の電子機器を冷却するヒートパイプの高効率化、化学分析や医療分析で重要となるマイクロ流体ハンドリング技術の確立などへの貢献が期待できる。 |
詳細情報 |
目的 | 筋肉の中のひとつのタンパク質(Cbl-b)に注目し、新規筋萎縮メカニズムを明らかにする。 |
---|---|
概要 | ラットの細胞を細胞培養装置(CBEF)で37℃で培養し、3日後に筋肉を成長させる成長因子を加える。その翌日に保存液を入れ、冷凍して回収。地上で筋肉を作るために必要な過程の遺伝子と蛋白質の両方を解析し、新しい筋萎縮メカニズムを調べる。 |
期待される成果 | 筋萎縮メカニズムを解明することで、筋萎縮疾患、老化や寝たきりによる筋萎縮への対処法の開発として、地上での医療に貢献できる。 |
詳細情報 |
目的 | 神経細胞への宇宙放射線の影響を遺伝子レベルで網羅的に調べるとともに、ミトコンドリアを介した細胞死(アポトーシス)に関わっている遺伝子を詳細に調べる。 |
---|---|
概要 | 神経細胞を軌道上で37℃で培養する。打ち上げ17日目と27日目の細胞を薬剤処理し、凍結回収。回収後にDNAマイクロアレイを用いて遺伝子発現を解析するとともに、特にミトコンドリア関連の遺伝子の発現量とタンパク質量の解析を行う。 |
期待される成果 | 神経細胞が宇宙放射線の長期被曝によって受ける影響を理解し、放射線防護方法の開発につながる。 |
詳細情報 |
目的 | 微小重力環境を利用して高機能多孔質骨格構造体(ナノスケルトン)を実現し、産業界の製品開発へ貢献する。 |
---|---|
概要 | 酸化硫酸チタン、界面活性剤、油を反応させ、ナノスケルトンを生成して地上に回収する。実験結果と地上の計算化学シミュレーションの活用により、ナノスケルトンの地上での最適生産条件を解析する。 |
期待される成果 | 現行の光触媒に置換わりうる性能を有する触媒製品につながることによって、低コストで高効率な太陽電池材料の創製や有害物質除去など、環境・エネルギー問題の解決に貢献できる。 |
詳細情報 |
目的 | 地上よりも高品質な結晶を得られる宇宙で、有用なタンパク質の詳細な立体構造を解明する。 |
---|---|
概要 | 「きぼう」船内実験室内に設置されている流体実験ラックの結晶生成装置(PCRF)を使用して、JAXA PCGキャニスタでタンパク質結晶を生成する。 |
期待される成果 | 医薬品の開発、環境・エネルギー問題の解決に貢献できる。 |
詳細情報 |
目的 | キンギョのウロコをもちいて骨芽細胞と破骨細胞の両方の働きに焦点を当て、宇宙での骨量減少メカニズムを解明する。 |
---|---|
概要 | 細胞培養装置(CBEF)で培養した再生ウロコを地上に回収し、細胞活性、遺伝子発現、骨代謝にかかわるホルモンなどの解析を行う。 |
期待される成果 | 宇宙での骨量減少メカニズムの解明はもちろん、寝たきりの方の骨量減少や骨粗鬆症の研究や治療にも貢献が期待できる。 |
詳細情報 |
目的 | 単子葉イネ科植物の細胞壁の「補強材」であるフェルラ酸とジフェルラ酸に着目し、これらの物質の代謝に関わる酵素の働きや遺伝子の働きについて調査する。 |
---|---|
概要 | 細胞培養装置(CBEF)でコシヒカリの種子を発芽させ、6日間成長させた後に凍結状態にして地上に回収する。 地上では、細胞壁の強度や化学成分などについてさまざまな分析を行う。 |
期待される成果 | 単子葉イネ科植物の抗重力メカニズムを知ることで、地上での品種改良のほか、宇宙での植物栽培にも役立つことが期待できる。 |
詳細情報 |
目的 | 長期宇宙滞在する飛行士の24時間心電図記録を行い、生物学的リズムの変動と、睡眠中における心臓の休息度等を評価し、宇宙飛行士の健康管理技術の向上に役立てる。 |
---|---|
概要 | 長期宇宙滞在する飛行士を対象に、飛行前1回、飛行中3回(前・中・後期各1回)、および飛行後1回、24時間心電波形を記録し、データをダウンリンク後、心臓自律神経活動の解析・評価を行う。 |
期待される成果 | 不整脈や虚血性変化が起こった時の循環機能評価や、自律神経機能診断などの遠隔医療に活用する。 長期宇宙滞在が心臓自律神経機能の概日リズムに及ぼす影響を解析する。 |
参考情報 |
|
目的 | 毛髪を分析することによって宇宙環境が人体に与える影響を評価し、宇宙飛行士の健康管理に役立てる。 |
---|---|
概要 | 飛行前、飛行中、飛行後に毛髪を採取する。毛幹の微量元含有量、および毛根部の細胞に含まれる遺伝子やタンパク質などの変化を調べる。 |
期待される成果 | 毛髪は環境から受けるストレスに敏感に反応している。毛髪の遺伝子発現や微量元含有量を調べれば、宇宙に滞在する宇宙飛行士の健康状態を知ることができるようになると期待される。 |
目的 | 骨粗鬆症の治療薬(ビスフォスフォネート)を用いて、長期宇宙飛行の骨量減少と尿路結石リスクを軽減させる。本実験は、宇宙飛行の骨量減少に対する初の薬剤投与実験(日米共同研究)である。 |
---|---|
概要 | ISS滞在中に毎週経口薬を服用する。飛行前後に骨密度、骨代謝マーカ、および、尿路結石の検査を行い、骨量減少と尿路結石リスクの予防効果を検討する。 |
期待される成果 | 不動(宇宙飛行、寝たきり)や加齢に伴う骨量減少リスクを予防する。地上より短期間で薬剤効果を確かめられる。 |
詳細情報 |
|
目的 | 「きぼう」船内の宇宙放射線環境の計測、及び宇宙飛行士搭乗時の被ばく線量を計測する。 |
---|---|
概要 | 受動型線量計を「きぼう」船内12箇所に6ヶ月程度設置して宇宙放射線環境を計測し、データベースとして整備する。また、宇宙飛行士のスペースシャトルやソユーズ打上げ、ISS滞在、地上へ帰還時に受動型線量計を携行し、被ばく線量を測定する。 |
期待される成果 | 「きぼう」での実験に必要な宇宙放射線情報を利用者に提供する。将来の有人探査に必要な基礎情報を蓄積する。長期滞在宇宙飛行士のリスク評価や健康管理に活用する。 |
詳細情報 |
目的 | 宇宙空間における人体内の宇宙放射線被ばく影響を評価する。本実験は、JAXA、欧州宇宙機関(ESA)、ロシア連邦宇宙局(FSA)の3機関が合同で実施する初めての実験運用である。 |
---|---|
概要 | 線量計を埋め込んだファントム(平均的な成人男性の体格を模擬した人体模型)を「きぼう」船内に長期間設置して臓器被曝量を実測し、人体内の宇宙放射線被ばく影響を正確に評価する。 |
期待される成果 | 将来の有人探査において、事前に被ばく線量予測をする宇宙放射線シミュレーションコードの開発のための基礎データとして蓄積する。 |
詳細情報 |
目的 | 宇宙飛行士がISS滞在中に呼吸によって取り込む、あるいは環境中の空気に曝露されることで皮膚に付着する微生物叢の変化を評価する。 |
---|---|
概要 | 長期滞在・短期滞在クルーから飛行前、飛行中、飛行後に皮膚、鼻腔粘膜、咽頭粘膜、喀痰試料を採取し、微生物叢の変化を解析する。 |
期待される成果 | 長期宇宙滞在において、微生物による健康被害を未然に防ぐための技術開発を目指す。宇宙飛行士の効果的な除菌等を含めた菌叢管理法開発に繋がる基盤データを得ることは、有人宇宙開発における医学管理技術の向上につながるものと期待される。 |
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency | SNS運用方針 | サイトポリシー・利用規約 |