樹枝状結晶の成長過程のその場観察による結晶の形態形成に対する微小重力の効果
微小重力下において過冷却水から異方性の強い氷の樹枝状結晶を成長させ結晶形態に及ぼす因子を解明することを目的とする。成長セルに封入した純水を0~-1℃の温度範囲で過冷却させる。この過冷却水の中で氷結晶を成長させる。成長中の氷結晶は干渉顕微鏡装置によりその場観察される。結晶の表面には、結晶の厚みに応じた等厚干渉縞が観察されるので、これを可能な限り高解像度の映像として記録し、解析する。
固液界面安定性に対する重力の影響
機能性材料の開発においては、凝固界面形態を制御し、形成される微細組織を制御する必要がある。しかし、地上では界面安定性機構は温度差による対流・溶質濃度差による対流の影響下にあり解明が困難である。有機物模擬合金により界面形成過程を可視化観察することにより界面安定化機構を解明し、機能性材料開発のための制御法の開発に資することを目的とする。 冷却に従って移動する固液界面の移動速度に変化を与えることにより発生する界面形状変化を振幅変調顕微鏡で観察し、セル間隔の測定及び成長速度の算出を行う。同時に固液界面前方の濃度場をマッハツェンダー2波長干渉顕微鏡で観察する。
ファセット的セル状結晶成長機構の研究
固液界面に生じた複雑な結晶挙動については熱収縮に起因するゆらぎが大きく影響していると考えられる。本実験は亜粒界を生じない結晶成長を行うことにより結晶界面形態の形成機構(固液界面における逆温度勾配発生機構等)の解明を行い、ファセット的凝固過程を明らかにする。 溶液結晶成長装置内で一定温度勾配のもとに成長するファセット周辺の温度場・濃度場を2波長干渉計により観察・計測する。
最終更新日:2006年4月26日