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国際宇宙ステーションの組立フライト 17A(STS-128)

第3回船外活動

最終更新日:2009年08月25日
ジョン・オリーバスクリスター・フューゲルサング

実施日:飛行9日目
担当:ジョン・オリーバス、クリスター・フューゲルサング両宇宙飛行士

S3トラス上部のペイロード取付システム(PAS)の展開

PASの展開作業のイメージ

PASの展開作業のメージ

STS-129ミッションで曝露機器輸送キャリアをS3トラス上部外側のペイロード取付システム(Payload Attach System: PAS)に設置する準備として、S3トラスのPASを展開します。

※STS-127(2J/A)ミッションで本作業が予定されていましたが、実施が見送られたため、本ミッションでの作業となりました。

レートジャイロ・アセンブリ(RGA)の交換

RGAの交換作業のイメージ

RGAの交換作業のイメージ

S0(エスゼロ)トラス内部に設置されているレートジャイロ・アセンブリ(Rate Gyro Assembly: RGA)を取り外して新しいRGAと交換し、古いRGAを「クエスト」(エアロック)に収容します。

RGAは、1台に3基のリングレーザジャイロを組み込んだもので、2台がS0トラス内部に設置されていますが、機能が劣化しているため交換することになりました。

※RGAは、時計回りと反時計回りにレーザ光線を発射し、ドップラー効果により位相のずれを検出することで姿勢の変化を読みとり、3軸方向の姿勢変化を検出することができます。RGAは、GPSデータを受信できない期間やGPSデータ更新の間の姿勢決定に必要な姿勢変動情報を提供します。

「トランクウィリティー」(第3結合部)結合の準備

STS-130ミッションで、国際宇宙ステーション(ISS)に運ばれて来る「トランクウィリティー」(第3結合部)を「ユニティ」(第1結合部)に結合しますが、その結合に備えて以下の3つの準備作業を実施します。

与圧結合アダプタ3(PMA-3)のヒータケーブル接続

与圧結合アダプタ3(Pressurized Mating Adapter: PMA-3)に、ユニティ側からヒータケーブルを接続します。

トランクウィリティーは、ユニティ左舷側の共通結合機構(Common Berthing Mechanism: CBM)に結合する予定ですが、この結合に備えて、ユニティ左舷側のCBMを事前に改造・準備しておく必要があります。その作業はISSクルーが内部から行いますが、そのためには、CBMを結合時のコンフィギュレーションにして与圧しなければなりません。

その準備として、2009年8月7日に、ISS長期滞在クルーがISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)を操作して、PMA-3を一時的にユニティの地球側のCMBから左舷側のCMBに移設する作業を行いました。

本ミッションで、船外活動クルーがPMA-3にユニティ側からヒータケーブルを接続することで、PMA-3の温度を制御し与圧できるようになるため、その後はISSクルーがPMA-3内部に入ってCBMの改造および結合準備を実施できます。

ヒータケーブルの接続前(左)と接続後(右)のイメージ(青い部分)

ヒータケーブルの接続前(左)と接続後(右)のイメージ(青い部分)

「トランクウィリティー」(第3結合部)用の配線の敷設

アビオニクスケーブルの接続イメージ(青い部分)

アビオニクスケーブルの接続イメージ(青い部分)

トランクウィリティー用のアビオニクスケーブル(電力・データ供給配線)を、S0トラスとユニティに敷設します。

「ユニティ」(第1結合部)のスライドワイヤの取外し

ユニティのスライドワイヤを取り外します。

このユニティのスライドワイヤは、STS-88(2A)ミッションで取り付けられましたが、トランクウィリティーをユニティに結合する際に干渉してしまうため、取り外しておきます。

S0トラスの遠隔電力制御モジュール(RPCM)の交換

S0トラスに設置されている故障した遠隔電力制御モジュール(Remote Power Controller Module: RPCM)を交換します。

ISSのロボットアーム(SSRMS)カメラへのレンズカバーの取付け

SSRMSカメラへのレンズカバー取付けイメージ(青い部分)

SSRMSカメラへのレンズカバー取付けイメージ(青い部分)

HTV-1ミッションで打ち上げられる宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)初号機のISSへの到着に備えて、SSRMSカメラにレンズカバーを取り付けます。

HTVは、ISSに接近したところをSSRMSで把持され、ISSに結合されます。このHTVの接近運用時に、万が一不測の事態が発生し、HTVのアボート運用(HTVをISS軌道から離脱させる運用)が必要となった場合に、HTVのスラスタ噴射によってSSRMSのカメラレンズを汚してしまうことがないように、レンズカバーを取り付けておきます。

(特に断りの無い限り、写真、画像はNASA提供)

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