補給キャリア与圧部搭載品
補給キャリア与圧部には約3.9トンの物資が搭載されます。それぞれの物資は物資輸送用バッグ(Cargo Transfer Bag: CTB)に入れられ、CTBはHTV補給ラック(HTV Re-supply Rack: HRR)に収納されます。主な搭載品は以下です。
- 「きぼう」日本実験棟で実施される実験サンプル
- 実験装置、システム補給品
- 「きぼう」搭載用ポータブル冷凍・冷蔵庫(FROST)
- 「きぼう」輸送用ポータブル保冷ボックス(ICE Box)
- 超小型衛星4基
- 再突入データ収集装置i-Ball
- 超高感度4Kカメラ
- 「きぼう」およびNASAの保全用品
スターリング冷却器で、-70°C以上まで冷却可能。停電時でも保冷できるよう国産の新たな保冷剤を開発しました。
「こうのとり」で打ち上げ、国際宇宙ステーション(ISS)到着まで使用する電源がなくても長期間の保冷が可能な保冷ボックスです。
このICE Boxの実証結果についてはこちら(ICE Box実証結果概要)です。
「きぼう」のエアロックとロボットアームを利用して宇宙空間に放出する超小型衛星を運びます。
参考:宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機(HTV4)に搭載し「きぼう」より放出する超小型衛星の選定及び搭載準備状況について(JAXA産業連携センター)
i-Ball は宇宙船などが宇宙から戻ってきて大気圏へ再突入する時の各種データ(位置、速度、加速度、温度、画像データなど)の取得を目的とした装置であり、「こうのとり」3 号機が再突入時の熱で燃
え尽きるときのデータを取得しました。
参考:i-Ball による宇宙機再突入データ取得 [PDF]
参考:世界初!超高感度4Kカメラ宇宙へ!! ~巨大彗星アイソン撮影に挑戦 8月4日打ち上げ、12月放送予定~(プレスリリース)
- 食料品(レトルト品、乾燥食品、菓子類、飲料など)、飲料水
「こうのとり」による飲料水の輸送は「こうのとり」2号機で初めて行われました。今回は2回目の運搬となりますが、前回と比べて水バッグ(Contingency Water Container-Iodine: CWC-I)の 搭載量が増え、480Lの飲料水を運搬する予定です。
- 宇宙飛行士が使用する衣類、日用品等
補給キャリア非与圧部搭載品
補給キャリア非与圧部には約1.5トンのISS船外のシステム補用品や船外実験装置が搭載されます。
- 電力系統切替装置(Main Bus Switchnig Unit: MBSU)
- 電力・通信インターフェース機器(Utility Transfer Assembly: UTA)
- 複数の実験装置を混載した米国の実験ペイロードSTP-H4 (Space Test Program - Houston 4)
MBSUは、S0トラス上に4基が設置されており、ISSの各システムへ供給する電力の分配を行っている重要な装置です。2012年8月から9月にかけて星出宇宙飛行士らが船外活動(Extravehicular Activity: EVA)を行ってMBSUを交換しました。
P3/P4およびS3/S4トラスで使われる軌道上交換ユニット(Orbital Replacement Unit: ORU)で、トラス間で回転する太陽電池パドル回転機構(Solar Array Rotary Joint: SARJ)に設置され、P3-P4トラス間及びS3-S4トラス間に電力、通信を供給する機構です。
廃棄品の搭載
ISSのゴミや不要となった物資に加え、「こうのとり」としては初めて非与圧部に米国の実験装置STP-H3(廃棄品)を搭載して大気圏に再突入します。