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宇宙ステーション補給機(HTV)

最終更新日:2011年2月10日

補給キャリア与圧部搭載品

画像

物資が積み込まれた補給キャリア与圧部の内部

勾配炉実験ラック

勾配炉実験ラック

勾配炉実験ラック

勾配炉実験ラックは、「きぼう」日本実験棟船内実験室に設置されるJAXAの実験ラックです。勾配炉実験ラックには、実験装置として温度勾配炉(Gradient Heating Furnace: GHF)が搭載されています。

GHFは、半導体材料の結晶成長などを行うための実験装置です。GHFの中に材料を入れ、ヒーターで加熱して溶かし、再び結晶化させます。宇宙の微小重力環境で結晶化させることで、良質な半導体材料を生成することができ、半導体材料の結晶成長メカニズムの解明などへの貢献が期待されます。

GHFは、最大で鉄まで溶かしてしまう1600℃まで加熱することができます。また、温度の制御範囲は500~1600℃、温度勾配は1cmあたり150℃、温度の安定性は±0.2℃と、高温・精密な温度制御が可能です。

多目的実験ラック

多目的実験ラック

多目的実験ラック

多目的実験ラック(Multi-purpose Small Payload Rack: MSPR)は、「きぼう」船内実験室に設置されるJAXAの実験ラックです。

MSPRは、ユーザーが持ち込む小型・汎用的な実験装置を組み込んで、簡単に宇宙実験をできるようにするための実験環境を提供するラックです。ラック内の実験空間に実験装置を組み込み、電力・通信・映像の機能を提供することで、「きぼう」での実験を可能とします。

MSPRは、燃焼実験チャンバを備えており、これまで「きぼう」では実施できなかった気体や固体材料などの燃焼実験が可能となります。そのほか、電力・通信・映像機能のみを利用した教育、文化、芸術などのイベントにも活用できます。

多目的実験ラック(MSPR)

HTV補給ラック

補給物資を格納したCTB

補給物資を収納したCTB

飲料水を充填した水バッグ

飲料水を充填した水バッグ

HTV補給ラック(HTV Re-supply Rack: HRR)6台に、食料、衣類などの日常品、実験用品などの補給物資を格納した物資輸送用バッグ(Cargo Transfer Bag: CTB)と、飲料水を充填した水バッグを格納した飲料水コンテナが搭載されます。

今回使用されるHRRは、HTV1ミッションで使用されたHRRの改良型で、HRRの前面に搭載できるCTBの数が増加しています。また、補給キャリア与圧部自体の改良点として、CTBコンテナをHRRとHRRの隙間に取り付けることで更に搭載可能なCTBの数が増え、補給キャリア与圧部全体の物資の搭載能力が向上しています。

実験関連の打上げ物資

JAXAが「きぼう」日本実験棟や国際宇宙ステーション(ISS)で行う実験に関わる物資が搭載されます。

半導体単結晶製造技術の開発に役立つ結晶成長実験用の実験試料カートリッジ

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実験試料カートリッジ

「微小重力下におけるTLZ法による均一組成SiGe結晶育成の研究(Hicari)」で使用する実験試料カートリッジを運びます。この実験は、JAXAが開発した結晶成長方法であるTLZ法(温度勾配で溶液濃度を制御する方法)を宇宙実験に適用し、 規則正しい分子配列の結晶を作り、高性能半導体開発の基礎データを取得することを目的としています。SiGe(シリコンゲルマニウム)で得られたデータを種々の結晶育成に適用し、高速・低電力のトランジスタや計算機製造、更に光通信機器の低電力・低価格化など、半導体産業や光通信技術への貢献が期待されます。この実験は、GHFを使用して行う初めての実験となります。

微小重力下におけるTLZ法による均一組成SiGe結晶育成の研究(Hicari)
(代表研究者:木下恭一(JAXA宇宙科学研究所))

マランゴニ対流実験用の供試体カセット

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供試体カセット

「マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程(Marangoni Exp/MEIS)」実験で使用する供試体カセットを運びます。この実験では、「きぼう」船内実験室の流体物理実験装置(Fluid Physics Experiment Facility: FPEF)を使用して、シリコーンオイルという液体で大きな柱(液柱)を作り、マランゴニ対流を発生させて液柱の表面の流速や温度の分布、内部の流れの変化を調べます。供試体カセットには実験で使用するシリコーンオイルが搭載されています。

マランゴニ対流におけるカオス・乱流とその遷移過程(Marangoni Exp/MEIS)
(代表研究者:西野耕一(横浜国立大学大学院))

「Hair」実験で使用する実験用品

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サンプル収集キット

「長期宇宙滞在宇宙飛行士の毛髪分析による医学生物学的影響に関する研究(Hair)」実験で使用する実験用品を運びます。この実験では、宇宙環境(微小重力環境、宇宙放射線環境、精神的ストレス等)による人体への影響を毛髪分析から評価し、長期宇宙滞在飛行士の健康管理に役立てます。

医学データ取得機材

軌道上で宇宙飛行士の医学データを取得するための各種機材を運びます。

保全関連の打上げ物資

流体実験ラック、勾配炉実験ラックで使用する保全品が搭載されます。

アジア諸国の植物の種子

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植物の種子

「きぼう」利用に対するアジア諸国の関心の高まりに応えて、以下の植物の種子の打上げを計画しています。ミッション名は”Space Seeds for Asian Future: SSAF 2010-2011”です。打ち上げられた種子はスペースシャトル「エンデバー号」(STS-134ミッション)で回収し、各国の宇宙機関に引き渡されます。これらの種子は、アジア諸国のそれぞれの宇宙機関にて、各国での教育プログラムや研究活動に利用される予定です。

  • インドネシア
    種子:トマト
    担当機関:インドネシア国立航空宇宙研究所(LAPAN)
  • マレーシア
    種子:トウガラシ
    担当機関:マレーシア宇宙庁(ANGKASA)
  • タイ
    種子:トウガラシ
    担当機関:タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)
  • ベトナム
    種子:サルビア、キンギョソウ
    担当機関:ベトナム科学技術アカデミー宇宙技術研究所(STI)
 
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