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うちゅうすてーしょんほきゅうき「こうのとり」

宇宙ステーション補給機「こうのとり」

H-II Transfer Vehicle: HTV

宇宙ステーション補給機「こうのとり」(H-II Transfer Vehicle: HTV)は、日本が開発した、国際宇宙ステーション(ISS)へ補給物資を運ぶための無人の輸送機です。

HTVは、H-IIBロケットにより種子島宇宙センターから打ち上げられ、ISSに接近後、ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)を用いてISSに結合されます。そして、食糧や衣類、各種実験装置など最大6トンの補給物資をISSに送り届け、補給を終えた後は、用途を終えた実験機器や使用後の衣類など不要品を積み込み、大気圏へ再突入します。ISSに結合中は、ISSの搭乗員が中に入って船内用物資を移送することができます。

宇宙ステーション補給機(HTV)

ISSへの補給手段は、スペースシャトルやHTV以外に、ロシアのプログレス補給船と欧州宇宙機関(ESA)の欧州補給機(ATV:2015年2月退役)、米国の商業補給船「ドラゴン」と「シグナス」がありますが、プログレス補給船やATV、シグナスが船内用物資のみを輸送するのに対し、船内用・船外用のどちらの物資も大量に輸送できることがHTVの特長のひとつです。

技術実証機(HTV1)から、9号機(HTV9)まで、すべてのミッションを100%の成功率で完遂し、2020年に運用を終了しました。その技術は、新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」に受け継がれています。

HTVの全体構成

HTVの主要諸元

項目 仕様
全長 約10m(スラスタ含む)
直径 約4.4m
質量 約10.5トン(補給品除く)
補給能力 約6トン(船内用物資:約4.5トン、船外用物資:約1.5トン)
廃棄品搭載能力 約6トン
目標軌道(ISS軌道) 高度:350km~460km
軌道傾斜角:約51.6度
ミッション時間 単独飛行能力:約100時間
軌道上待機能力:1週間以上
ISS滞在可能期間:最大30日間

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※特に断りのない限り、画像クレジットは©JAXA