|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ISSが飛行する高度約400km上空の宇宙は地上とはまったく違った過酷な環境です。主な特徴は、微小重力、高真空、豊富な太陽エネルギー、広大な視野、宇宙放射線などがあげられます。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
一般的には「無重力」と言われています。ISSの中は重力が地上の1万分の1の微小重力状態になっています。正確には、ISSにも地上の9割くらいの大きな重力がかかっています。ISSの中の微小重力とよく似た現象は遊園地のフリーフォールで体験することができます。フリーフォールでは、イスや床など、まわりの物が全部重力に引かれて一緒に落ちるため、乗っている人は浮き上がり、あたかも重さがなくなったかのように感じます。これを無重量状態といいます。同じようにISSの中でも、人も物もすべて同じ方向に同じ速度で飛んでいるので、まるで地球の重力が働いていないような状態になっているのです。写真は、軌道上のSTS-72エンデバー号内の若田光一宇宙飛行士です。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
地球は空気の層でつつまれています。普段は気づきませんが、空気にも重さがあり、地球の重力によって引き止められているのです。一般的に宇宙は高度100kmから先とされていますが、ISSが飛んでいる地上400km上空になると、空気はほとんど無く、地上の1億分の1程度しかありません。このような空気のない状態を真空といいます。真空状態では、水は常温のままでも沸騰し、音は聞こえなくなります。もちろん人間は宇宙服を着ないと生きることができません。写真は2004年8月3日に撮影されたロシアのオーラン宇宙服を着用して船外活動を行う第9次長期滞在クルー、フライトエンジニアのマイケル・フィンク宇宙飛行士です。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
地球も国際宇宙ステーション(ISS)も、太陽からの熱をうけていますが、地上と宇宙では、熱の伝わり方がまったく違います。宇宙には空気がないため地上のように熱の伝導や対流が起こりません。宇宙では放射だけで熱は移動するのです。空気のある地上では、放射によって届いた太陽の光は、空気の層で調節されて、私たちが生きていくのにちょうどよい温度になっているのです。しかし、真空の宇宙では伝導や対流によって熱が移動し、暖められたり冷やされたりすることがないので、太陽の光が当たると、どんどん熱くなり、逆に太陽の光が当たらないと、熱を外に出し続けて、どんどん冷たくなってしまいます。ISSはこの豊富な太陽エネルギーを巨大な太陽電池パネルによって電力にしてさまざまなシステムを動かしています。写真は、STS-113クルーによって撮影されたオーストラリア北西部上空の国際宇宙ステーションです。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
空気の層は普段私たちを守ってくれていますが、宇宙からやってきた星の光を観測しようとするときには、空気は邪魔になってしまうのです。それは星の光が地上にいる私たちに届くまでに空気中のほこりや水滴にぶつかり、進路を曲げられたりはねかえされたりしてしまうからです。星がキラキラとまたたいて見えるのも、空気の層を通ってくるからなのです。また、都会のように夜も明るいと、弱い星の光は見ることはできません。逆に宇宙では空気がほとんどないので、宇宙や天体の観測をするのにとても適しているのです。こうして宇宙に作られた画期的な望遠鏡がアメリカのハッブル宇宙望遠鏡です。ハッブル宇宙望遠鏡と同じように、ISSからも宇宙の観測が行われています。写真は、NASAのハッブル宇宙望遠鏡に搭載されたWFPC2カメラがとらえた、地球から約1700万光年離れているかみのけ座、銀河M64の中心核周辺にある暗黒帯などのようすです。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
気象など大気の活動や飛行機が行けないところにあるオゾン層の状態なども、宇宙から見るととてもよく観測できます。地球温暖化などの環境問題から地表や海面、地質の違い、海流の温度まで、地球規模の変化や構造を調査することができます。ISSは赤道に対して51.6度の角度で地球を回っており、地球の陸地の約85%を観測することができます。写真は、2002年の10月に国際宇宙ステーション(ISS)から撮影された噴煙を上げるエトナ山の様子です。火山灰は500キロ以上離れたリビアでも発見されました。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
真空といっても宇宙は完全にからっぽな空間ではありません。宇宙には、物質の粒子や電磁波とよばれる波などいろいろなものが飛びかっていることが解りました。これらの粒子、電磁波には、太陽系の外から来るものと太陽から来るものがあります。太陽系の外のはるか遠くから来るものは銀河宇宙線と呼ばれます。太陽からは放射線や「太陽風」と呼ばれる粒が宇宙に放出されています。こうした宇宙を飛びかう粒子や波の一部は、私たち生物にとってはとても有害なものもあり、実は地球を包む大気や磁場が、私たちを守るバリアーとなってくれているのです。
写真は、2001年12月にSTS108エンデバー号クルーによって撮影された大気光学現象です。
|
|
|
|
|
|
|