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NASAの地上の管制センターと軌道上のクルーが音声交信する場合は、特殊な交信プロトコル(通信規約)が使われています。
これは、ノイズも混じった聞きとりにくい音声でも誤りがないように伝え合うための技術で、聞き間違いが生じないような用語が選ばれています。
出典で紹介されている、アポロ11号の月面着陸時の交信時のスクリプトからいくつか紹介してみましょう。
(注:DukeはCapsule Communicator(CAPCOM、軌道上クルーとの交信担当)、Collinsは司令船のパイロットです。)
Columbia, Houston! は、(司令船の名前である)「コロンビア号、こちらヒューストン」という意味です。We're standing by. Over. "standing by"は「待機中」。"over"は無線交信の終わりにつけて、「以上」、「応答願います」という意味ですが、"over"は最近では省略されることが多いです。
これに対して、クルーが「ヒューストン、こちらコロンビア」と応え、loud and clearと続けています。これは、ノイズもなくはっきり聞こえるかを確認する時の音声交信時の決まり文句で「こちらはちゃんと聞こえています」という意味です。ここでは聞かれる前に宇宙船側から言っていますが、通常は、地上からHow do you hear me?と尋ねてから、Loud and clearと答える手順となっています。
ここで使っているCopyはI understand(理解しました)の意味です。私はあなたの話した内容を聞き取ってちゃんとcopyしましたというニュアンスです。
このRogerもcopyと似たような意味で、日本語だと「了解」と言えばよいでしょう。Copyは1語1語正確に聞き取ったというニュアンスなのに対して、Rogerは意味を理解したという感じでしょう。
Affirmativeは難しい単語ですが、意味はすごく簡単で、Yesです。affirmativeは、これだけ長ければYesのような聞き間違いはないことから使われます。これに対してNoはNegativeになります。
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