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第1回 航空機による学生無重力実験コンテスト 結果報告
開催時期:2002年12月19日~27日(コンテストは終了しております)
<サイエンスキャンプ結果報告>
航空機実験の結果についての報告が、筑波宇宙センターで行われたサイエンスキャンプ(宇宙環境利用ミッション)の一環として、2003年3月24日に行われました。
サイエンスキャンプに参加した約30名の高校生に対して、実験を行ったお茶の水女子大学、青山学院大学、東京大学の代表者の方が実験の結果報告、実験を行った感想や苦労話、今後の抱負などを話し、また活発な質疑応答が行われました。
お茶の水女子大のメンバーは、重力が無くなることでより明瞭になるものとして、“磁場”を想定し、“磁場効果を明瞭にするためには、無重力環境が適しているのではないか。”との仮説を立証するために、今回の航空機実験に参加しました。
約20秒間ずつ、延べ15回のパラボリックフライト実験を通じて得られた画像や、大学の研究室にあった廃材等を利用した手作り実験装置を紹介しながら、“化学波動に対する磁場効果をより明確に観察することができた。”という成果を発表しました。
青山学院大学のメンバーは、“wicking現象による液滴の挙動観察・データ取得”を目的に今回の航空機実験に参加しました。
はんだを使った実験装置、シリコンオイルを実験試料に航空機実験に挑んだ青学チームですが、この航空機実験に至るまでにも、地上で何度も地上準備実験を繰り返し、本番に臨んだそうです。限られた時間の中での実験装置製作、実験手順作成、また東京(大学)と名古屋(飛行地)という遠距離ゆえの苦労話を紹介しながら、“液体の表面張力による温度依存を確証できた。”という成果を述べ、また、今後さらに、資料液滴の挙動の特性を研究したい、という展望を語りました。
東京大学のメンバーからも、手作り実験装置、航空機実験によって取得できた映像を交えながらのユニークな発表がなされました。
東大チームが製作した実験装置は、木箱の中にメダカの入った水槽を入れ、回転させることによってメダカの動きを観察するものです。本来、光の影響を受けない暗闇状態で回転させたかったところ、メダカの撮影が不可になってしまうため、やむを得ず、照明をつけざるを得ませんでしたが、その照度の当て方には細心の注意を払ったそうです。また、今回の実験には、“HO5系統”という前庭器官への依存が高く、重力変化に敏感である品種のメダカが使われました。
実験により取得された映像からは、“ルーピング”という微小重力状態において暴れ始め、グルグルと回転するメダカの様子が観察できました。その後、実験装置をいろいろな回転速度で回すことによって疑似重力である遠心力をかけていくと、メダカが中心方向(内側)に集まり、腹を水槽側(外側)に向けて安定する様子が紹介されました。メダカは0.15Gくらいから重力を感じ始めたようです。
東大チームは、“もっと広い水槽で同じ実験を行ったらどうなるか”、“20秒以上のフライトでメダカを慣れさせた場合、どうなるのか”などまだまだ実験への興味は尽きない様子でした。
3チームとも、初の無重力体験は“楽しかった”、“チャンスがあればまたやってみたい”と今回の実験を振り返りました。彼らにとって、今回の航空機実験は貴重な体験になったことは間違いなく、今後ますます科学への興味が膨らんだことでしょう。
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