大西宇宙飛行士、CAVES訓練に参加
訓練概要
大西宇宙飛行士は、9月中旬から下旬にかけて、スロベニア、ディヴァーチャ近郊で欧州宇宙機関(ESA)が実施したCAVES "ケイブス"(Cooperative Adventure for Valuing and Exercising human behavior and performance Skills)訓練に参加しました。
訓練には、大西宇宙飛行士の他、国際宇宙ステーション(ISS)計画に参加するESA、NASA、カナダ宇宙庁(CSA)、ロシア全パートナーの宇宙飛行士で構成される6名のチームで臨みました。
CAVES訓練とは、洞窟という閉鎖隔離環境下において、宇宙での長期滞在に必要な異文化適応、自己管理、リーダーシップ、コミュニケーション等について更なる能力向上を目的とした訓練です。また、CAVES各回においてサイエンステーマが設定されており、今回は"Searching for water"でした。
訓練の前半は、事前準備として、訓練の目的や概要を確認するとともに、洞窟の地形的な特徴や、洞窟内の地図の作成方法、科学サンプルの採取方法、人工の光しかない洞窟内での写真の撮影方法、移動する際に必要となるロッククライミング技術や水泳技術など、洞窟内での探索期間中に必要となる知識や技術を、様々な特徴を持った洞窟群での実習を通して学びました。加えて、安全に訓練を実施するために遵守する事項や、緊急事態が発生した際の対応などについても事前に確認を行いました。
訓練後半は、洞窟内を探索し、キャンプ設営や洞窟内の測量、地図作成、水質調査、微生物・生物サンプル採取、写真撮影などのミッションをこなしながら、6日間を洞窟内で過ごしました。
地上に帰還後は、洞窟で収集したデータとサンプルを整理する作業や、チームディスカッション、活動報告、メディアイベントなどを行い、訓練を締めくくりました。
崖を上り、岩を渡り、水場をはい、泥まみれになり太陽の光の届かない洞窟内で過ごすCAVES訓練は、肉体的にも精神的にも負荷の高い訓練です。やり遂げた大西宇宙飛行士、お疲れ様でした。
実施期間 | 2019年9月12日(木)から26日(水)の15日間 |
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実施場所 | スロベニア、ディヴァーチャ近郊、イタリア側洞窟 |
訓練参加者 | 大西卓哉(JAXA宇宙飛行士) Alexander Gerst(ESA宇宙飛行士) Joseph Acaba(NASA宇宙飛行士) Jeanette Epps(NASA宇宙飛行士) Joshua Kutryk(CSA宇宙飛行士候補者) Nikolay Chub(ロシア宇宙飛行士) |
日の光が届かない洞窟内での訓練は、体力的にも精神的にも過酷な訓練でした。内部の気温は10℃前後、湿度は100%近く、動いている間はすぐに暑くなって汗をかき、止まるとすぐに身体が冷えてきます。危険な箇所では安全手順を遵守して、チームメイトと協力しあいながら洞窟内を探索しました!