国際宇宙ステーション(ISS)の第54次/第55次長期滞在クルーである金井宇宙飛行士は、2月初旬にロシアにて冬期サバイバル訓練を行いました。
冬期サバイバル訓練は、ソユーズ宇宙船が予定外の地域の雪原に着陸し救援チームの到着が遅れるような場合を想定して、クルーが協力しあって無事に生還するための技術を実地で身につけるための訓練です。金井宇宙飛行士は、米露の宇宙飛行士とともに、気温が氷点下の屋外で野営生活を送りました。ソユーズ宇宙船が不時着した場合に、救助が来るまでに2、3日かかる可能性があることから、訓練は2泊3日の日程で行われました。
訓練は、ソユーズ宇宙船着地直後を想定して、ソコル宇宙服から防寒着に着替えることから始まりました。その後は、キャンプ地を選定し、ソユーズ宇宙船のパラシュートと切り出した木を利用して、寝泊まりするためのシェルタを設営しました。暖を取るために集めた木を燃やして火を起こし、夜間は火が消えないように、火の番を交代しながら睡眠を取りました。
クルーが怪我をしたケースも想定され、添え木を当て体温が低下しないようにサバイバルシートで覆うなど怪我をしたクルーの手当も実習しました。その他、発煙筒を焚いて救助隊へサインを送る手順も訓練の中で実際に行いました。
2004年4月から連載してきました「JAXA宇宙飛行士活動レポート」は、今回で最後となります。これまでご愛読いただきありがとうございました。次回からはISS・「きぼう」マンスリーニュースにてJAXA宇宙飛行士の活動を紹介していきます。
引き続き宇宙飛行士ならびに日本の有人宇宙活動について応援よろしくお願いいたします。