国際宇宙ステーション(ISS)の第48次/第49次長期滞在クルーである大西宇宙飛行士は、8月中旬までロシアで訓練を行い、8月下旬はNASAジョンソン宇宙センター(JSC)で訓練を行いました。
ロシアでは、ガガーリン宇宙飛行士訓練センター(GCTC)で、ソユーズ宇宙船の飛行中の運用を想定したシミュレーション訓練を中心に行いました。
大西宇宙飛行士は、一緒にソユーズ宇宙船で飛行するクルーとともに、打上げから国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングするまでの間と、ISSから分離して帰還するまでの間にクルーが実施するソユーズ宇宙船の操縦技術を訓練しました。
シミュレーション訓練を繰り返す中で、飛行中に発生する可能性がある不具合にクルーで協力して対処しながら安全に飛行する技術に磨きをかけました。大西宇宙飛行士は、機器の故障、空気漏れといった不具合への対処の仕方や、手動での操縦技術をシミュレーションで実践しました。
GCTCでは、模擬重力を人工的に発生させる大型のセントリフュージを使用して、ソユーズ宇宙船の打上げ時と帰還時に受ける可能性がある加速度を体験する訓練も行いました。大西宇宙飛行士は、4Gから8Gの加速度を体験するとともに、意識を失うことを防ぐための正しい呼吸方法を学びました。
ロシアでは、GCTCでの訓練の他に、ソユーズ宇宙船を開発するエネルギア社を訪れて自身が搭乗する予定のソユーズ宇宙船の実機を確認したり、ズヴェズダ社では、自身専用に作られたソコル宇宙服の機能を確認する試験を行いました。
GCTC近郊にある減圧施設を利用した訓練では、ISSのロシア区画で急減圧が発生した場合に、減圧の発生箇所を特定するために実施するハッチの開閉操作などを、実際に減圧が起こる環境の中で実習しました。
JSCでは、ISSの船外機器の保守作業を想定した船外活動訓練を行いました。また、ISS滞在中に被験者として携わる医学実験のデータ取得方法や、実験に使用する機器の操作などを訓練しました。
大西宇宙飛行士は、日々の訓練の様子をGoogle+で紹介していますので、是非こちらもご覧になってください。