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JAXA宇宙飛行士活動レポート

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JAXA宇宙飛行士活動レポート 2015年8月

最終更新日:2015年9月30日

JAXA宇宙飛行士の2015年8月の活動状況についてご紹介します。

ISSに長期滞在している油井宇宙飛行士の活動については、JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在ページをご覧ください。

「こうのとり」5号機(HTV5)ミッションを支えたJAXA宇宙飛行士の活動

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「こうのとり」5号機/H-IIBロケット5号機の打上げ(出典:JAXA)

日本時間8月19日午後8時50分、国際宇宙ステーション(ISS)への補給物資を搭載した宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)が、種子島宇宙センターからH-IIBロケットによって打ち上げられました。

JAXA宇宙飛行士は、「こうのとり」5号機のミッションにさまざまな形で関わりました。

打上が行われた種子島宇宙センターでは、星出宇宙飛行士が、「こうのとり」5号機打上げの取材に訪れた報道関係者に対し、ミッションの解説を行うなど取材対応にあたりました。

ISSでは、油井宇宙飛行士が「こうのとり」5号機を迎え入れました。

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SSRMSで把持された「こうのとり」5号機(出典:JAXA/NASA)

日本時間8月24日、油井宇宙飛行士は、ISSに接近した「こうのとり」5号機を、ISSのロボットアーム(SSRMS)で把持する役目を担いました。油井宇宙飛行士は、これまでの訓練の成果を存分に発揮し、「こうのとり」5号機の把持を成功させました。

この時、NASAのミッション・コントロール・センターでは、若田宇宙飛行士がCAPCOM(ISSとの交信担当)として、「こうのとり」5号機のISSへのランデブ、そしてロボットアームによるキャプチャ(把持操作)に至る一連の作業で、地上から油井宇宙飛行士ら軌道上クルーの支援を行いました。

「こうのとり」の把持成功は、軌道上の油井宇宙飛行士とNASAでCAPCOMを務めた若田宇宙飛行士、そして日本の松浦真弓フライトディレクタ率いるHTV運用管制チームの三者が見事に連携したことによって成し遂げられたものです。

「こうのとり」がISSに到着した翌日には、油井宇宙飛行士が「こうのとり」とISS間のハッチを開け、「こうのとり」で運搬した物資をISS船内に移送する作業を開始しました。

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「こうのとり」5号機で運ばれた果物(オレンジ、レモン)を浮かべる油井宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)

今回のミッションでISSに届けられた物資の中には、新鮮な果物(オレンジ・レモン)も含まれています。「こうのとり」で生鮮食品を運ぶのは今回が初めてのことです。この様な長期保存が効かないものをISSに運ぶことができるのも「こうのとり」の特徴です。速達サービス(レイトアクセス)と呼ばれる、打上げ直前に積みこみ早く取り出すことができるこのサービスにより、「こうのとり」は、高い品質保持が要求される実験資料の運搬や、急な物資の変更に柔軟に対応しています。

「こうのとり」5号機(HTV5)ミッション

大西宇宙飛行士、ISS長期滞在に向けた訓練を実施

国際宇宙ステーション(ISS)の第48次/第49次長期滞在クルーである大西宇宙飛行士は、8月中旬までロシアで訓練を行い、8月下旬はNASAジョンソン宇宙センター(JSC)で訓練を行いました。

ロシアでは、ガガーリン宇宙飛行士訓練センター(GCTC)で、ソユーズ宇宙船の飛行中の運用を想定したシミュレーション訓練を中心に行いました。

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シミュレーション訓練の様子(出典:大西宇宙飛行士のGoogle+より)

大西宇宙飛行士は、一緒にソユーズ宇宙船で飛行するクルーとともに、打上げから国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングするまでの間と、ISSから分離して帰還するまでの間にクルーが実施するソユーズ宇宙船の操縦技術を訓練しました。

シミュレーション訓練を繰り返す中で、飛行中に発生する可能性がある不具合にクルーで協力して対処しながら安全に飛行する技術に磨きをかけました。大西宇宙飛行士は、機器の故障、空気漏れといった不具合への対処の仕方や、手動での操縦技術をシミュレーションで実践しました。

GCTCでは、模擬重力を人工的に発生させる大型のセントリフュージを使用して、ソユーズ宇宙船の打上げ時と帰還時に受ける可能性がある加速度を体験する訓練も行いました。大西宇宙飛行士は、4Gから8Gの加速度を体験するとともに、意識を失うことを防ぐための正しい呼吸方法を学びました。

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ソコル宇宙服の減圧試験に参加する大西宇宙飛行士(出典:大西宇宙飛行士のGoogle+より)

ロシアでは、GCTCでの訓練の他に、ソユーズ宇宙船を開発するエネルギア社を訪れて自身が搭乗する予定のソユーズ宇宙船の実機を確認したり、ズヴェズダ社では、自身専用に作られたソコル宇宙服の機能を確認する試験を行いました。

GCTC近郊にある減圧施設を利用した訓練では、ISSのロシア区画で急減圧が発生した場合に、減圧の発生箇所を特定するために実施するハッチの開閉操作などを、実際に減圧が起こる環境の中で実習しました。

JSCでは、ISSの船外機器の保守作業を想定した船外活動訓練を行いました。また、ISS滞在中に被験者として携わる医学実験のデータ取得方法や、実験に使用する機器の操作などを訓練しました。

大西宇宙飛行士は、日々の訓練の様子をGoogle+で紹介していますので、是非こちらもご覧になってください。

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金井宇宙飛行士のISS長期滞在が決定、記者会見を実施

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金井宇宙飛行士(出典:JAXA)

日本時間8月26日、JAXAは、金井宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在クルーに任命したことを発表しました。

金井宇宙飛行士は、第54次/第55次長期滞在クルーとして、2017年11月頃から約6ヶ月間ISSに滞在する予定です。

ISS長期滞在が決定したことを受けて、金井宇宙飛行士は、8月27日にJAXA東京事務所で記者会見を開きました。

会見の中で金井宇宙飛行士は、現在「きぼう」日本実験棟では、超小型衛星放出など、「きぼう」開発当時には想像もしていなかったような新しい実験を実施していることに触れ、「今現在、誰もが想定していないような面白い実験、あるいは最先端の科学を切り開くような実験が2017年に待っていると思うので、それに向けて全力疾走で頑張りたい」とミッションに向けた意気込みを語りました。

油井宇宙飛行士がVIPコールを実施

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交信を行う油井宇宙飛行士ら(出典:JAXA/NASA)

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地上の会場の様子(出典:JAXA)

日本時間8月26日夜、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する油井宇宙飛行士は、NASAのスコット・ケリー、チェル・リングリン両宇宙飛行士とともに、地上の安倍晋三内閣総理大臣、下村博文文部科学大臣、山口俊一内閣府特命大臣、東京都内の高校生らと、VIPコールと呼ばれる約20分間の交信を行いました。

交信の進行役は古川宇宙飛行士が務めました。また、会場となった日本科学未来館の館長を務める毛利元JAXA宇宙飛行士と金井宇宙飛行士もこのイベントに参加しました。

交信イベントにおいて、安倍総理は、「今回の『こうのとり』5号機のドッキング成功によって、日本の宇宙技術の信頼性がさらに高まったのではないかと思います。今回の主要な作業は全て日本人が関わっているということに多くの日本人が誇りに思っていると思います。おめでとうございます」と述べました。

これに対して油井宇宙飛行士は、「宇宙開発は非常に難しいものですが、日本が主要なポイントを押さえながら国際間で調整を進め成功に結び付けたことで、私自身非常にうれしく思っています」と感謝の言葉を述べました。

また、この交信イベントの中で、金井宇宙飛行士がISS第54次/第55次長期滞在クルーに任命されたことが安倍総理より発表されました。

金井宇宙飛行士は、「有人宇宙開発はたすきリレーのようなもので、毛利宇宙飛行士がたすきを持って走り始め、今軌道上の油井宇宙飛行士が持っているたすきを2年後のミッションでしっかり受け継ぎ、次の若い世代に繋げるように頑張りたいと思います」と述べました。


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