金井宇宙飛行士は、5月16日、米国テキサス州のヒューストン日本語補習校にて、ヒューストン日本商工会の主催で開催された講演会に登壇しました。
医師のバックグラウンドを持つ金井宇宙飛行士は、「宇宙医学教室 -宇宙飛行と体の変化-」をテーマに講演を行い、宇宙に行くことでヒトの身体にどの様な変化が起こるかといった話題を中心に、宇宙医学の研究内容を紹介しました。
金井宇宙飛行士は、視力の変化・筋力の低下・骨密度の減少など、宇宙に滞在することで引き起こされる現象について説明し、それぞれの現象が起こる原因を探るために、国際宇宙ステーション(ISS)でさまざまな実験が行われていることを紹介しました。これらの実験は、宇宙に滞在する宇宙飛行士の健康を守るだけではなく、宇宙でヒトの身体に起こる現象が地上で起こる老化現象に似ていることから、地上での医学にも貢献することが期待されています。
また、金井宇宙飛行士は、宇宙環境の特徴のひとつである宇宙放射線についても解説しました。金井宇宙飛行士は、宇宙飛行中に浴びる宇宙放射線量の正確な測定が重要であることを説明し、日本が開発した線量計(PADLES)がISSでの被ばく管理において活躍していることを紹介しました。
講演会の最後には質疑応答が行われ、金井宇宙飛行士は来場者から寄せられた多くの質問に答えました。