国際宇宙ステーション(ISS)の第48次/第49次長期滞在クルーである大西宇宙飛行士は、3月前半はNASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISS長期滞在に向けた訓練を行いました。
ISSのロボットアーム(SSRMS)の操作訓練では、操作技術の維持・向上を目的に、船外活動クルーを支援するロボットアーム操作と、宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)などの無人の補給機を把持するロボットアーム操作をシミュレータを使用して訓練しました。
船外活動に関連する訓練では、船外活動ユニット(Extravehicular Mobility Unit: EMU)の機能や構造を再確認し、EMUに備えられている生命維持機能などのシステムの設定を、状況に応じて変更・調節する手順を確認しました。
また、ISS滞在中に定期的に実施する認知機能検査(Spaceflight Cognitive Assessment Tool for Windows: WinSCAT)の実施手順を確認する訓練も行いました。WinSCATは、判断力を客観的に分析するためのツールで、ストレスが判断力に与える影響を評価する際に用いられます。
その他、大西宇宙飛行士は、ISS船内の微生物サンプリングの手順や救急救命処置手順、改良型エクササイズ装置(Advanced Resistive Exercise Device: ARED)のメンテナンス方法などについても訓練を行いました。
3月後半は、ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターでISSのロシアモジュールとソユーズ宇宙船について訓練を行いました。
ロシアモジュールについては、火災・急減圧・空気汚染などの緊急事態が発生した際の対処手順を実習したのに加え、緊急時の対処手順の訓練の一環で、ロシアモジュール内のハッチの位置やハッチを閉じる操作も確認しました。これらの訓練の他に、ロシアモジュール内で安全に作業を行うための講義も受けました。
ソユーズ宇宙船については、打上げ準備段階からISSでのミッションを終えて帰還するまでの間に行うソユーズ宇宙船の運用手順をシミュレータで訓練しました。訓練の中では、コンピュータの故障や急減圧といった異常事態が発生した場合の対処手順を重点的に実習しました。
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