国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、2月初めはNASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISS長期滞在に向けた訓練を行い、その後はロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターで訓練を行いました。
JSCでは、船外活動やISSのロボットアーム(SSRMS)の訓練を行いました。無重量環境訓練施設(NBL)のプールを利用した訓練では、訓練用の船外活動ユニットを着用してプールに潜り、宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)のモックアップ(実物大の模型)を使って訓練を行いました。この訓練で油井宇宙飛行士は、「こうのとり」の曝露パレットに搭載された船外装置を船外活動を実施して取り外さなければならない状況を想定した手順を訓練しました。
また、船外活動クルーとSSRMSを操作するクルーが連携して船外活動の任務を進める流れを習熟するために、バーチャルリアリティ(VR)システムを利用して、一緒に飛行するチェル・リングリン宇宙飛行士と訓練を実施しました。訓練の中で、油井宇宙飛行士はSSRMSの操作を担当し、船外活動クルーの作業を支援する手順を確認しました。
ロシアでは、ソユーズ宇宙船の飛行をシミュレーションした訓練が主なものでした。油井宇宙飛行士は、コマンダーのオレッグ・コノネンコ宇宙飛行士、リングリン宇宙飛行士とともに、打上げからISSにドッキングするまでと、ISSから分離して帰還するまでの各飛行段階において実施するソユーズ宇宙船の操縦方法を実習しました。油井宇宙飛行士らは、ソユーズ宇宙船が自動制御によって運用できなくなった場合のバックアップとして用意されている手動制御によるソユーズ宇宙船の操縦方法や、ソユーズ宇宙船で飛行中に急減圧が発生した場合の対処などを訓練しました。ISSのロシアモジュールについては、火災・急減圧といった緊急事態の発生を想定した対処訓練を実施しました。