国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、ロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センターでISS長期滞在に向けた訓練を行いました。
油井宇宙飛行士ら第44次/第45次長期滞在クルーは、ソユーズTMA-15M宇宙船(41S)に搭乗してISSに向かう第42次/第43次長期滞在クルーのバックアップクルー(交代要員)に任命されています。ソユーズ宇宙船(41S)の打上げが日本時間の11月24日に控えていたことから、10月は、ソユーズ宇宙船(41S)のバックアップクルーとしてソユーズ宇宙船とISSのロシアモジュールに関わる訓練を受けました。
油井宇宙飛行士らは、ソユーズ宇宙船に関わる各種のシミュレーション訓練を実施し、ISSへのランデブ・接近・ドッキング、ISSから分離後の大気圏再突入の運用において、ソユーズ宇宙船を手動で操縦する手順などを実習しました。再突入時の手順については、模擬重力を人工的に発生させる大型のセントリフュージを利用して、再突入時に実際に身体にかかる加重を再現した環境の中でも訓練を実施しました。訓練の最後には、各運用フェーズにおける手動操縦技術を確認するために試験を受けました。ロシアモジュールについては、シミュレータを使用して定常的な作業を模擬した訓練を行いました。
そして10月30日と31日には、41Sクルーのプライムクルーとバックアップクルーの技量が、ソユーズ宇宙船での飛行とISSのロシアモジュールにおける長期滞在に問題がないことを確認する最終評価試験が行われました。
試験1日目の10月30日、プライムクルーはISSのロシアモジュールの試験を受け、バックアップクルーはソユーズ宇宙船の試験を受けました。
油井宇宙飛行士ら3名のバックアップクルーは、ソコル宇宙服を着用してソユーズ宇宙船の実物大のシミュレータに乗り込み、試験に臨みました。試験では、通信システムや測距装置の故障、メインエンジンの不具合、火災などにクルー3名で協力しながら対処しました。
試験2日目となる10月31日、プライムクルーはソユーズ宇宙船の試験を受け、バックアップクルーはロシアモジュールの試験を受けました。
油井宇宙飛行士らは、酸素生成装置の不具合や「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)内の火災など、さまざまな不具合や緊急事態に対処しました。
プライムクルー、バックアップクルーともに試験を通過し、ソユーズ宇宙船の打上げに向けた準備を整えました。