国際宇宙ステーション(ISS)の第44次/第45次長期滞在クルーである油井宇宙飛行士は、米国のNASAジョンソン宇宙センター(JSC)でISS長期滞在に向けた訓練を行いました。
船外活動に関連した訓練では、ISSの実物大の訓練施設が沈められた無重量環境訓練施設のプールに潜り、ISS船外機器のメンテナンス手順の確認に加えて、今後、新たにISSに取り付けられる予定のドッキング機構(International Docking Adapter: IDA)を設置する手順を訓練しました。IDAは、国際間での標準化を目的にNASAが開発するドッキング機構で、スペースシャトルのドッキングに使用されていた与圧結合アダプタ(PMA)に取り付けられる予定です。油井宇宙飛行士が手順を訓練する前段階において、金井宇宙飛行士が船外活動の手順作成に携わりました。また、油井宇宙飛行士は、船外活動中に誤って宇宙空間に放り出されてしまった場合に使用するセルフレスキュー用推進装置(SAFER)の操作をバーチャルリアリティ(VR)システムを使用して訓練しました。
ISSのロボットアーム(SSRMS)については、ISSに接近した無人の補給船を把持する操作を訓練しました。
その他、ISSの実物大の訓練施設を使用して、ISS船内での通常の任務を模擬した長時間にわたる訓練や、ISSに緊急事態が発生したことを想定した対処訓練などを行いました。
訓練以外には、油井宇宙飛行士のISS滞在期間中に実施が計画されている実験の概要を確認する打ち合わせを行ったほか、自身が被験者となる医学実験に関しては、ISS滞在中および帰還後の医学データと比較するために飛行前の医学データを取得しました。