大西宇宙飛行士は、科学技術週間に合わせて4月20日に開催された施設公開イベント「筑波宇宙センター特別公開」において、来場した一般の方々を対象に講演を行いました。
大西宇宙飛行士は講演を三度実施し、国際宇宙ステーション(ISS)と「きぼう」日本実験棟、宇宙での生活、微小重力環境で起こる特異な現象などを紹介しました。
この他に、大西宇宙飛行士自身がこれまでに経験した航空機による無重力体験訓練や、米国フロリダ沖の海底施設に一週間滞在した極限環境訓練などについても紹介しました。
宇宙飛行士候補者選抜試験の話題にも触れ、最終選抜試験で行われた1週間に及ぶ閉鎖環境試験では、「本来の自分の姿を出せたことが良かったのではないか」と当時を振り返りました。
会場からの質問コーナーでは、宇宙飛行士を目指したきっかけや、これまでの訓練で大変だったこと、宇宙でしたいことなど様々な質問が寄せられました。宇宙飛行士になるために大切なことを聞かれると、「一番苦しいときにどう頑張って乗り越えてきたかが一番大事。物事がうまく行っているときは人は成長しない。苦しいこと、嫌いなことを頑張ることが自分を成長させる大きな力になる」と、答えました。
この日の最後の講演において、大西宇宙飛行士は、会場に集まった子供たちに向けて、「資源の無い小さな国である日本が世界を相手にするためには、技術が大きな武器になる。今小さいお子さんたちが日本の将来を支えて行くことになるので、この機会に科学に興味を持って勉強してほしい」と、メッセージを送りました。