国際宇宙ステーション(ISS)の第38次/第39次長期滞在クルーである若田宇宙飛行士は、NASAジョンソン宇宙センター(JSC)で、ISS長期滞在に向けた訓練を実施しました。
船外活動に関わる訓練では、ISSの実物大の訓練施設が水中に沈められている無重量環境訓練施設(Neutral Buoyancy Laboratory: NBL)のプールを使用して、ISSの船外機器のメンテナンス作業を想定した訓練を行いました。この他にも、船外活動時に着用する船外活動ユニット(Extravehicular Mobility Unit: EMU)のメンテナンス方法や、セルフレスキュー用の推進装置(Simplified Aid For EVA Rescue: SAFER)の操作訓練を行いました。SAFERは、船外活動中の宇宙飛行士が誤って宇宙空間に放り出された場合でも、自ら飛行してISSに戻れるようにするための小型の推進装置で、EMUの背中の生命維持装置下部に取り付けられています。若田宇宙飛行士は、バーチャルリアリティ(VR)システムを使用して、ISSの船外活動中にISSから離れてしまった状況を模擬し、SAFERの操作方法を訓練しました。
また、若田宇宙飛行士は、宇宙飛行士の作業負荷を軽減させる目的で開発されたロボノートの組み立て・起動方法や、停止・収納方法を確認しました。ISSで火災・急減圧・空気汚染などの緊急事態が発生した際の対応手順について確認する訓練も行いました。
その他には、実験試料を保管する冷凍・冷蔵庫(Minus Eighty degree Celsius Laboratory Freezer for ISS: MELFI)の操作や、ISSに接近した無人の補給船を把持するためのロボットアーム操作、ISSに搭載されている機器の扱い方などについての訓練や、ISSに搭乗する宇宙飛行士の飛行前・中・後の認知能力を評価するための定期的な医学検査を行いました。さらに宇宙飛行準備訓練としてのT-38ジェット練習機による飛行訓練も継続して実施しました。